何度でも、君と
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何年ぶりに着ただろうか。
スーツを。
・・・・・・・・ほんとに、
私に務まるのか。
1日秘書なんて。
朝御飯を美味しく頂いた後、
先輩の携帯に電話があった。
「ベンからだな」
そう言って通話始めた先輩。
「代わりはいないのか?・・・・なら別に居なくても・・・・いや、待てよ」
何か深刻な話らしく、真面目な顔をしていた先輩だったけど、
急に私のほうを振り向いてにや、と笑った。
・・・・・・・・・何か嫌な予感。
「大丈夫だ。ああ、連れて行く」
連れて行く?
「もう少ししたら行く」
それだけ言って、先輩は電話を置いた。
「・・・・・・・お仕事、トラブルですか?」
「アコ、今日仕事は?」
「え、午後から、ですけど」
今日はルフィ君の家にも行く予定だから、色々話を聞かなくちゃいけない。
「わかった。連絡しておく」
「連絡?」
「さっきの話なんだが」
「・・・・・・・・・・・はい」
「今日出勤予定だった秘書が来れなくなったそうだ。代わりもいない」
「それは・・・・大変、ですね」
「そうなんだ。そこで、アコ」
「・・・・・・・・・・・え?」
「頼む」
にっこりと微笑んだ、シャンクス先輩に血の気がひいていくのがわかった。
いやいやいや、
・・・・・・・・・嘘でしょ?
「無理ですよ!秘書なんて私1度もやったことないですし」
「難しいことはさせねえ。予定の把握と俺の見張りくらいでいいんだ」
「そんなこと言われてもですね・・・!」
「勿論給料は払う。・・・・アコしか居ないんだ」
もう連れて行くって言っちまったしな、と先輩は考えを変える気はないらしい。
「どうなっても知りませんよ、もう」
渋々承諾すれば先輩が目を輝かせた。
「助かる。そしたら俺の車で一緒に会社に行こう」
「あ、でも私スーツ家なんですけど」
「じゃあ一旦アコの家だな。当然ミニスカートで頼む」
「・・・・それはお断りさせて頂きます」
ということで、1日秘書代務。
「・・・・・・・・・まさか本当に連れて来るとはな」
呆れてるんだが驚いてるんだかわからない表情でベンさんが呟く。
・・・・・・・気持ちはわかります。
「私もまさか本当に連れてこられるとは思いませんでした」
「あんたにやってもらいたいのは主に社長の見張りだ。あとは15分前になったら次のスケジュールを告げるだけでいい」
「・・・・・・・・・・それ私要ります?」
「見張りが重要なんだ・・・ところで、社長と復縁したのか」
「してませんけど。・・・・何で、ですか」
「態度が今までと違う。妙に機嫌もいいしな。気持ち悪いくらいに」
そこへ先輩が入ってきて、
「初めて見るな、アコのスーツ姿。よく似合ってる」
目を細めてそう笑う。
「秘書、っていうより見張りらしいですけどね。・・・よろしくお願いしますね、社長?」
「・・・・・・・・・・・やべェ、こりゃ逆に仕事にならねえな」
「は?」
「アコが可愛すぎて」
「・・・・・・・・・仕事しないなら帰りますけど」
「だははっまあ仕事はやるさ。アコは俺の仕事してるとこが好きなんだろう?」
・・・・・・・・・・余計なこと言わなきゃ良かった。
ベンさんにもらった今日1日のスケジュールの紙を確認して、
「とりあえず30分後にミーティングですね」
「了解」
ミーティングの準備も片付けも他の人がちゃんとしてくれて。
ミーティングの後はプレゼン。
・・・・・・・・・・・やっぱり仕事中の先輩は少しカッコイイと思ったけど、言わないでおく。
「やっと昼飯か」
目の前に置かれたお弁当の豪華さといったら。
「・・・・・・・・・・いつもこんな豪華なお弁当なんですか?」
「ほんとはアコの手作り弁当が良かったんだが」
「お肉やわらか!卵焼きも美味!すごいですねー」
「・・・・・・・この後の予定は?」
「午後からは株式会社白ひげの社長さんのところへ行って、会社に戻って書類仕事ですね」
「アコといちゃいちゃする時間がねえな」
「仕事しましょう、社長」
株式会社白ひげ、っていうのも大層有名な会社だけど。
実はそこの社長も有名だったりする。
「グラララ・・・・!おもしれェこと考えるじゃねえかぁ、ハナッタレが」
「じゃあそういうことで頼むよ」
・・・・・・・・・・・その人に対等に話す、先輩って何者なの。
「ところで見たことねェ顔だな。秘書を変えたのか?」
私の顔を見て白ひげの社長さん。
「いや、臨時で今日1日だけなんだ。本来は俺の恋人だ」
「違います」
白ひげの社長さんはまた、豪快に笑った。
「これが今日の分、だそうです」
予定通り会社に戻って、ベンさんから渡された書類の山を机に乗せた。
「・・・・・・・・・・やる気出ねェな。アコがキスしてくれたらやる気出んのになー」
「珈琲どうぞ。こぼさないで下さいね」
「ご褒美くれんならそれでもいい」
「ここは会社ですよ社長。仕事するのが当たり前です」
ちぇ、と舌打ちしながら仕事を始めた先輩を見て、確かにこの量は大変だとも思う。
「・・・・・・・・・・・うーん」
考えた末、私は目に付いたソレを手に取った。
「せんぱ・・・・社長、これ」
「ん?」
「これが印が必要な書類、これが目を通すだけのやつで、これが取引先関係のもの。これが新商品に関するものです」
「・・・・・・・・・・さすがアコだな」
一瞬目を見開いて、ふ、と笑ってくれた。
仕事柄、教材とかを題材ごとにまとめたりするからそれを真似てみただけなんだけど。
「頑張って下さい、ね」
「これからアコがずっと側に居てくれたら頑張れるんだがな」
「私本来家庭教師ですからね。明日はルフィ君に会いに行かないと・・・」
成績のこと、聞かないと。
と、考えていたんだけど。
「今は俺の秘書だってこと忘れるなよ、アコ」
「・・・・・・・・すみません」
真面目な顔でそう窘められて思わず謝罪してしまった。
そうして私は、長かった1日を終えた。
+1日○○体験 終+
スーツを。
・・・・・・・・ほんとに、
私に務まるのか。
1日秘書なんて。
朝御飯を美味しく頂いた後、
先輩の携帯に電話があった。
「ベンからだな」
そう言って通話始めた先輩。
「代わりはいないのか?・・・・なら別に居なくても・・・・いや、待てよ」
何か深刻な話らしく、真面目な顔をしていた先輩だったけど、
急に私のほうを振り向いてにや、と笑った。
・・・・・・・・・何か嫌な予感。
「大丈夫だ。ああ、連れて行く」
連れて行く?
「もう少ししたら行く」
それだけ言って、先輩は電話を置いた。
「・・・・・・・お仕事、トラブルですか?」
「アコ、今日仕事は?」
「え、午後から、ですけど」
今日はルフィ君の家にも行く予定だから、色々話を聞かなくちゃいけない。
「わかった。連絡しておく」
「連絡?」
「さっきの話なんだが」
「・・・・・・・・・・・はい」
「今日出勤予定だった秘書が来れなくなったそうだ。代わりもいない」
「それは・・・・大変、ですね」
「そうなんだ。そこで、アコ」
「・・・・・・・・・・・え?」
「頼む」
にっこりと微笑んだ、シャンクス先輩に血の気がひいていくのがわかった。
いやいやいや、
・・・・・・・・・嘘でしょ?
「無理ですよ!秘書なんて私1度もやったことないですし」
「難しいことはさせねえ。予定の把握と俺の見張りくらいでいいんだ」
「そんなこと言われてもですね・・・!」
「勿論給料は払う。・・・・アコしか居ないんだ」
もう連れて行くって言っちまったしな、と先輩は考えを変える気はないらしい。
「どうなっても知りませんよ、もう」
渋々承諾すれば先輩が目を輝かせた。
「助かる。そしたら俺の車で一緒に会社に行こう」
「あ、でも私スーツ家なんですけど」
「じゃあ一旦アコの家だな。当然ミニスカートで頼む」
「・・・・それはお断りさせて頂きます」
ということで、1日秘書代務。
「・・・・・・・・・まさか本当に連れて来るとはな」
呆れてるんだが驚いてるんだかわからない表情でベンさんが呟く。
・・・・・・・気持ちはわかります。
「私もまさか本当に連れてこられるとは思いませんでした」
「あんたにやってもらいたいのは主に社長の見張りだ。あとは15分前になったら次のスケジュールを告げるだけでいい」
「・・・・・・・・・・それ私要ります?」
「見張りが重要なんだ・・・ところで、社長と復縁したのか」
「してませんけど。・・・・何で、ですか」
「態度が今までと違う。妙に機嫌もいいしな。気持ち悪いくらいに」
そこへ先輩が入ってきて、
「初めて見るな、アコのスーツ姿。よく似合ってる」
目を細めてそう笑う。
「秘書、っていうより見張りらしいですけどね。・・・よろしくお願いしますね、社長?」
「・・・・・・・・・・・やべェ、こりゃ逆に仕事にならねえな」
「は?」
「アコが可愛すぎて」
「・・・・・・・・・仕事しないなら帰りますけど」
「だははっまあ仕事はやるさ。アコは俺の仕事してるとこが好きなんだろう?」
・・・・・・・・・・余計なこと言わなきゃ良かった。
ベンさんにもらった今日1日のスケジュールの紙を確認して、
「とりあえず30分後にミーティングですね」
「了解」
ミーティングの準備も片付けも他の人がちゃんとしてくれて。
ミーティングの後はプレゼン。
・・・・・・・・・・・やっぱり仕事中の先輩は少しカッコイイと思ったけど、言わないでおく。
「やっと昼飯か」
目の前に置かれたお弁当の豪華さといったら。
「・・・・・・・・・・いつもこんな豪華なお弁当なんですか?」
「ほんとはアコの手作り弁当が良かったんだが」
「お肉やわらか!卵焼きも美味!すごいですねー」
「・・・・・・・この後の予定は?」
「午後からは株式会社白ひげの社長さんのところへ行って、会社に戻って書類仕事ですね」
「アコといちゃいちゃする時間がねえな」
「仕事しましょう、社長」
株式会社白ひげ、っていうのも大層有名な会社だけど。
実はそこの社長も有名だったりする。
「グラララ・・・・!おもしれェこと考えるじゃねえかぁ、ハナッタレが」
「じゃあそういうことで頼むよ」
・・・・・・・・・・・その人に対等に話す、先輩って何者なの。
「ところで見たことねェ顔だな。秘書を変えたのか?」
私の顔を見て白ひげの社長さん。
「いや、臨時で今日1日だけなんだ。本来は俺の恋人だ」
「違います」
白ひげの社長さんはまた、豪快に笑った。
「これが今日の分、だそうです」
予定通り会社に戻って、ベンさんから渡された書類の山を机に乗せた。
「・・・・・・・・・・やる気出ねェな。アコがキスしてくれたらやる気出んのになー」
「珈琲どうぞ。こぼさないで下さいね」
「ご褒美くれんならそれでもいい」
「ここは会社ですよ社長。仕事するのが当たり前です」
ちぇ、と舌打ちしながら仕事を始めた先輩を見て、確かにこの量は大変だとも思う。
「・・・・・・・・・・・うーん」
考えた末、私は目に付いたソレを手に取った。
「せんぱ・・・・社長、これ」
「ん?」
「これが印が必要な書類、これが目を通すだけのやつで、これが取引先関係のもの。これが新商品に関するものです」
「・・・・・・・・・・さすがアコだな」
一瞬目を見開いて、ふ、と笑ってくれた。
仕事柄、教材とかを題材ごとにまとめたりするからそれを真似てみただけなんだけど。
「頑張って下さい、ね」
「これからアコがずっと側に居てくれたら頑張れるんだがな」
「私本来家庭教師ですからね。明日はルフィ君に会いに行かないと・・・」
成績のこと、聞かないと。
と、考えていたんだけど。
「今は俺の秘書だってこと忘れるなよ、アコ」
「・・・・・・・・すみません」
真面目な顔でそう窘められて思わず謝罪してしまった。
そうして私は、長かった1日を終えた。
+1日○○体験 終+