何度でも、君と
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アコから『会いたい』とメールがあった時、心配よりも嬉しさの方が勝った。
実際に会ってみれば泣きそうなアコを半ば無理やり連れて来た、が。
まさかこんなに状況が変わるとは思わなかった。
ベンには散々電話で怒られたが、それも気にならない程いい気分だ。
アコの作った飯を食って、風呂上りのアコを抱きしめて。
・・・・・・・・・ああ、幸せだ。
「俺はソファーでいいから」
「駄目ですよ」
今度の争いのネタは、誰がベッドで寝るか、だ。
ここは先輩の家で、1人暮らしなのだから当然ベッドは1つしかない。
ということは家主であるシャンクス先輩が寝るのが筋、と主張する私に対して、
私は客なんだから私がベッドに寝るべきだ、と言い張る先輩。
「寝心地いいぞ、このベッドは」
「・・・・・・・・でも」
「何なら一緒に寝るか」
「それは嫌です」
「遠慮するな」
「してません」
「アコ」
急に真面目な声で名前を呼ばれてはっとなった。
「・・・・・・・なん、ですか」
「好きな女によりいい思いをさせてやりたいんだ、例えアコがどう思っていようと」
その言葉に対抗出来る言葉を私は持ってない。
「・・・・・・・・・・・・・・ベッド、お借りします」
小さい声でぽつりと呟いたその言葉に先輩は満足げな笑みを浮かべて頷いた。
・・・・・悔しい。
「俺は一緒に寝たいんだがな」
「私が嫌です。・・・・・ドキドキして眠れないです、きっと」
「・・・・・・・あんまり可愛いことを言うなアコ。喰っちまうぞ」
「明日の朝御飯、楽しみにしてますね」
もうここまで来たら開き直るしかない。
「何かあったら俺は隣の部屋に居るから、いつでも起こしてくれ」
「・・・・・・・・有難う、御座います」
「じゃあ、ゆっくり休めよ」
「先輩」
「ん?」
部屋を出て行こうとした先輩を呼び止めた。
・・・・・・・・・・伝えたい言葉は、
「おやすみ、なさい」
「ああ、おやすみ」
伝えたい言葉は、
こんなんじゃないのに。
初めて先輩に告白された時も。
それから何回好きだ、と言われても。
私の口から『好き』と伝えたことはなかった。
もう2度と先輩と付き合わないと決めたのは、
本当に自分の為だった。
私と先輩が付き合うことで誰かが傷つく。
そして私も。
だからもう付き合わない。
そう、決めた。
・・・・・・・・・・・・決めた、はずなのに。
まだ見ていたい夜景を見納めにして、カーテンを閉めてベッドに潜り込んだ。
「・・・・・・・・・ほんとに、ふかふか」
朝目が覚めて、顔を洗いに行った。
「・・・・・・・・先輩?」
けれど何処を見ても先輩の姿がない。
とりあえず部屋に戻って着替えだけ済ましたところで、ドアの開く音がした。
「起きたのか、アコ。おはよう」
袋を提げた先輩が居て、
「おはよう御座います。・・・・ベッド有難う御座いました」
「よく眠れたか?」
「予想以上にふかふかしてて気持ちよかったです」
普通に会話しながらもドキドキしてしまう自分が居る。
「今焼き立てのパンを買ってきたとこだ」
「わ、美味しそう」
ふわりと香るパンのいい匂いにお腹がすいてきた。
「アコは紅茶で良かったか?」
パンを窓際のテーブルに置いてくれた先輩はそのまま台所へ。
「あ、私やります。先輩は珈琲ですよね?」
さすがにそこまでやらせる訳にはいかないと先輩を追えば、
「わ!?」
待ち構えていたかのように腕をとられ、先輩の腕の中に閉じ込められてしまった。
「じゃあ、頼む」
「・・・・・・・・・動けません」
頼む、って言っておきながら抱きしめるなんて卑怯だ。
「ここは夜景もいいが朝見る景色もいいんだ。せっかくだから窓辺で食べるだろう?」
「・・・・・・・・・・はい」
そうしてやっと離されたことに安堵して、珈琲と紅茶を淹れた。
窓辺に用意されたテーブルとイス。
そこから見る景色は確かに、見事。
「パン、有難う御座います。頂きます」
先輩が買ってきてくれたパンにかじりつく。
「・・・・・・・・すっごい」
「美味いだろ?近くにある店なんだが、この時間は焼き立てで穴場なんだ」
さくさくのクロワッサンを堪能して、次のパンに手を伸ばす。
「あ。・・・・これ、チョコレートが入ってる」
「アコが好きそうなのを適当に取って来たんだ」
・・・・・・・・朝からその笑顔はやっぱり卑怯です。
反則です、先輩。
+グッドモーニング 終+
実際に会ってみれば泣きそうなアコを半ば無理やり連れて来た、が。
まさかこんなに状況が変わるとは思わなかった。
ベンには散々電話で怒られたが、それも気にならない程いい気分だ。
アコの作った飯を食って、風呂上りのアコを抱きしめて。
・・・・・・・・・ああ、幸せだ。
「俺はソファーでいいから」
「駄目ですよ」
今度の争いのネタは、誰がベッドで寝るか、だ。
ここは先輩の家で、1人暮らしなのだから当然ベッドは1つしかない。
ということは家主であるシャンクス先輩が寝るのが筋、と主張する私に対して、
私は客なんだから私がベッドに寝るべきだ、と言い張る先輩。
「寝心地いいぞ、このベッドは」
「・・・・・・・・でも」
「何なら一緒に寝るか」
「それは嫌です」
「遠慮するな」
「してません」
「アコ」
急に真面目な声で名前を呼ばれてはっとなった。
「・・・・・・・なん、ですか」
「好きな女によりいい思いをさせてやりたいんだ、例えアコがどう思っていようと」
その言葉に対抗出来る言葉を私は持ってない。
「・・・・・・・・・・・・・・ベッド、お借りします」
小さい声でぽつりと呟いたその言葉に先輩は満足げな笑みを浮かべて頷いた。
・・・・・悔しい。
「俺は一緒に寝たいんだがな」
「私が嫌です。・・・・・ドキドキして眠れないです、きっと」
「・・・・・・・あんまり可愛いことを言うなアコ。喰っちまうぞ」
「明日の朝御飯、楽しみにしてますね」
もうここまで来たら開き直るしかない。
「何かあったら俺は隣の部屋に居るから、いつでも起こしてくれ」
「・・・・・・・・有難う、御座います」
「じゃあ、ゆっくり休めよ」
「先輩」
「ん?」
部屋を出て行こうとした先輩を呼び止めた。
・・・・・・・・・・伝えたい言葉は、
「おやすみ、なさい」
「ああ、おやすみ」
伝えたい言葉は、
こんなんじゃないのに。
初めて先輩に告白された時も。
それから何回好きだ、と言われても。
私の口から『好き』と伝えたことはなかった。
もう2度と先輩と付き合わないと決めたのは、
本当に自分の為だった。
私と先輩が付き合うことで誰かが傷つく。
そして私も。
だからもう付き合わない。
そう、決めた。
・・・・・・・・・・・・決めた、はずなのに。
まだ見ていたい夜景を見納めにして、カーテンを閉めてベッドに潜り込んだ。
「・・・・・・・・・ほんとに、ふかふか」
朝目が覚めて、顔を洗いに行った。
「・・・・・・・・先輩?」
けれど何処を見ても先輩の姿がない。
とりあえず部屋に戻って着替えだけ済ましたところで、ドアの開く音がした。
「起きたのか、アコ。おはよう」
袋を提げた先輩が居て、
「おはよう御座います。・・・・ベッド有難う御座いました」
「よく眠れたか?」
「予想以上にふかふかしてて気持ちよかったです」
普通に会話しながらもドキドキしてしまう自分が居る。
「今焼き立てのパンを買ってきたとこだ」
「わ、美味しそう」
ふわりと香るパンのいい匂いにお腹がすいてきた。
「アコは紅茶で良かったか?」
パンを窓際のテーブルに置いてくれた先輩はそのまま台所へ。
「あ、私やります。先輩は珈琲ですよね?」
さすがにそこまでやらせる訳にはいかないと先輩を追えば、
「わ!?」
待ち構えていたかのように腕をとられ、先輩の腕の中に閉じ込められてしまった。
「じゃあ、頼む」
「・・・・・・・・・動けません」
頼む、って言っておきながら抱きしめるなんて卑怯だ。
「ここは夜景もいいが朝見る景色もいいんだ。せっかくだから窓辺で食べるだろう?」
「・・・・・・・・・・はい」
そうしてやっと離されたことに安堵して、珈琲と紅茶を淹れた。
窓辺に用意されたテーブルとイス。
そこから見る景色は確かに、見事。
「パン、有難う御座います。頂きます」
先輩が買ってきてくれたパンにかじりつく。
「・・・・・・・・すっごい」
「美味いだろ?近くにある店なんだが、この時間は焼き立てで穴場なんだ」
さくさくのクロワッサンを堪能して、次のパンに手を伸ばす。
「あ。・・・・これ、チョコレートが入ってる」
「アコが好きそうなのを適当に取って来たんだ」
・・・・・・・・朝からその笑顔はやっぱり卑怯です。
反則です、先輩。
+グッドモーニング 終+