何度でも、君と
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何処かのお笑い芸人が女優と結婚したらしい。
ニュースではそんなことを放送していた。
「・・・・・・・・・・・んー」
ローズの香りと温かいお湯。
伸ばせる足に、目の前にはテレビ。
気持ちイイ。
ここが先輩の家だってことも忘れちゃう。
シャンプーとリンスも、私が普段使ってる物よりだいぶ高い物だった。
最後に身体を洗って脱衣所に出ると、
置かれた寝間着。
散々争って、結果先輩の寝間着を借りることに落ち着いた。
『俺のシャツ』
『嫌です』
『男のロマンだろう』
『恋人にやってもらって下さいそんなの』
『そしたらアコしかいねえな』
『私先輩の恋人じゃありません』
『いっそ下着で寝るってのはどうだ?』
『・・・・・・・・・・・・・最っ低です』
『俺が抱きしめて寝るから寒くないしな』
『絶対嫌です』
『仕方ねえなァ。じゃあ俺が今使ってない寝間着でどうだ?ちゃんと洗濯もしてある』
・・・・・・・・何で私が我が侭言ってるみたいになってるんだろうと思いつつ、
結局それ以外にいい方法が思いつかずソレで頷いた。
シンプルな黒い寝間着に袖を通す。
着心地抜群なこの生地は・・・・・シルク。
さすがにズボンはぶかぶかなのではかないけど、先輩の寝間着はお約束、というか。
「・・・・・・・・大きいなぁ」
先輩は背も高いし、私が着ても膝下までは辛うじて隠してくれる。
うん、良かった。
鏡で自分の姿を確認すると少し恥ずかしかったけど、これ以外にないんだから仕方ない。
ちゃんと着れてるのを確認して、出た。
「先輩、お風呂有難う御座いました」
まだしっかりと香るローズを纏いながらソファーで新聞を読んでいた先輩に声をかける。
先輩は私の声に顔をあげて、そのまま固まった。
「・・・・・・・・・・・・先輩?」
「・・・・・・・・・・・いいな」
「はい?」
「いや、こっちの話だ。喉渇いただろう?水飲むか?」
何だかよくわからないけど、確かにお風呂上りで喉が渇いていたので素直に好意に甘えることにした。
「あ、有難う御座います」
先輩は冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して私にくれた。
冷たい水が私の喉を潤してくれる。
「ぷはー!美味しい!・・・・・・・・・なんですか?」
やっぱり水も高いのかな、なんて堪能していたら、にやにやとした先輩の視線に気づいた。
「実はそれ、俺の飲みかけなんだ。・・・・・間接キスだな?」
そう言って先輩は自分の唇をぺろりと舐めた。
「・・・・・・・・さいですか」
「何だ、それだけか?」
「いい年して間接キスくらいでぎゃーぎゃー言いませんて」
ていうかお水が美味しいので気にならない。
「なら、直接するか」
「もうしたじゃないですか。・・・・車の中で」
「もう1回。つーか、いつでもしたいと思ってるんだが」
もういちいち相手にしてたら心臓がもたないので、私は先輩の台詞をスルーして窓辺に立った。
「でもほんとに綺麗な夜景ですよねー。電気代いくらかかってるんだろ」
素直に思ったことをそのまま口には出したけど、別に本気で知りたいと思った訳じゃなかった。
のに、
「アコが知りたいなら調べてみせるが?」
後ろからふわりと抱きしめられた。
「・・・・・・・・・・別にいいです」
「逃げないのか?」
「夜景を見てたいので」
「そりゃ夜景サマサマだな」
ご機嫌な先輩の声音と、頬にかかる髪がくすぐったい。
「そういえばこないだ居た女の人達はお仕事関係の方ですか?」
不意に思い出して聞いてみる。
「ああ。取引先の女社長達の接待だったんだ。ありゃあ面倒だった」
「・・・・・・・・・・複雑な顔してましたもんね」
思い出すと少し笑えるかも。
「アコはあの時何してたんだ?」
「ケーキ屋さんで最高に美味しいティラミス食べてました」
「・・・・・・・・・・誰と」
「ロビンちゃんと」
一瞬先輩は険しい顔をして、けれどロビンちゃんと答えればすぐにいつもの顔に戻った。
・・・・・・・・・・・ちょっとだけ芽生えた意地悪心。
「そこのケーキすっごく美味しくて、店員さんもイケメンだったんですよー」
ああ、思い出すだけでにやけるあの味。
あの甘さ。
「・・・・・・・・・どこの店だ?」
「え、」
「潰す」
顔を見れば目が笑ってない先輩が笑いながら短くそう呟いた。
やばいこれは本気で怖い。
「・・・・・・・・ヤキモチですか?」
いつも言われてるから、たまには言ってやろうと思っただけなんだけど。
「ヤキモチ?そんな可愛いもんじゃねえな。そいつの息の根を止めたいくらいだ」
・・・・・・・・・・やぶへび。
「・・・・・・・・・先輩の方がカッコイイですけどね」
そうフォローすれば、
「わ」
先輩と向き合う形にされて、ぎゅうっと力強く抱きしめられた。
「やっぱりお前は誰にもやれねえ」
「・・・・・・・・・・それ決めるの私だと思うんですけどね」
久し振りの抱きしめられるぬくもりに、
少し泣きそうになった。
+やぶへび 終+
ニュースではそんなことを放送していた。
「・・・・・・・・・・・んー」
ローズの香りと温かいお湯。
伸ばせる足に、目の前にはテレビ。
気持ちイイ。
ここが先輩の家だってことも忘れちゃう。
シャンプーとリンスも、私が普段使ってる物よりだいぶ高い物だった。
最後に身体を洗って脱衣所に出ると、
置かれた寝間着。
散々争って、結果先輩の寝間着を借りることに落ち着いた。
『俺のシャツ』
『嫌です』
『男のロマンだろう』
『恋人にやってもらって下さいそんなの』
『そしたらアコしかいねえな』
『私先輩の恋人じゃありません』
『いっそ下着で寝るってのはどうだ?』
『・・・・・・・・・・・・・最っ低です』
『俺が抱きしめて寝るから寒くないしな』
『絶対嫌です』
『仕方ねえなァ。じゃあ俺が今使ってない寝間着でどうだ?ちゃんと洗濯もしてある』
・・・・・・・・何で私が我が侭言ってるみたいになってるんだろうと思いつつ、
結局それ以外にいい方法が思いつかずソレで頷いた。
シンプルな黒い寝間着に袖を通す。
着心地抜群なこの生地は・・・・・シルク。
さすがにズボンはぶかぶかなのではかないけど、先輩の寝間着はお約束、というか。
「・・・・・・・・大きいなぁ」
先輩は背も高いし、私が着ても膝下までは辛うじて隠してくれる。
うん、良かった。
鏡で自分の姿を確認すると少し恥ずかしかったけど、これ以外にないんだから仕方ない。
ちゃんと着れてるのを確認して、出た。
「先輩、お風呂有難う御座いました」
まだしっかりと香るローズを纏いながらソファーで新聞を読んでいた先輩に声をかける。
先輩は私の声に顔をあげて、そのまま固まった。
「・・・・・・・・・・・・先輩?」
「・・・・・・・・・・・いいな」
「はい?」
「いや、こっちの話だ。喉渇いただろう?水飲むか?」
何だかよくわからないけど、確かにお風呂上りで喉が渇いていたので素直に好意に甘えることにした。
「あ、有難う御座います」
先輩は冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して私にくれた。
冷たい水が私の喉を潤してくれる。
「ぷはー!美味しい!・・・・・・・・・なんですか?」
やっぱり水も高いのかな、なんて堪能していたら、にやにやとした先輩の視線に気づいた。
「実はそれ、俺の飲みかけなんだ。・・・・・間接キスだな?」
そう言って先輩は自分の唇をぺろりと舐めた。
「・・・・・・・・さいですか」
「何だ、それだけか?」
「いい年して間接キスくらいでぎゃーぎゃー言いませんて」
ていうかお水が美味しいので気にならない。
「なら、直接するか」
「もうしたじゃないですか。・・・・車の中で」
「もう1回。つーか、いつでもしたいと思ってるんだが」
もういちいち相手にしてたら心臓がもたないので、私は先輩の台詞をスルーして窓辺に立った。
「でもほんとに綺麗な夜景ですよねー。電気代いくらかかってるんだろ」
素直に思ったことをそのまま口には出したけど、別に本気で知りたいと思った訳じゃなかった。
のに、
「アコが知りたいなら調べてみせるが?」
後ろからふわりと抱きしめられた。
「・・・・・・・・・・別にいいです」
「逃げないのか?」
「夜景を見てたいので」
「そりゃ夜景サマサマだな」
ご機嫌な先輩の声音と、頬にかかる髪がくすぐったい。
「そういえばこないだ居た女の人達はお仕事関係の方ですか?」
不意に思い出して聞いてみる。
「ああ。取引先の女社長達の接待だったんだ。ありゃあ面倒だった」
「・・・・・・・・・・複雑な顔してましたもんね」
思い出すと少し笑えるかも。
「アコはあの時何してたんだ?」
「ケーキ屋さんで最高に美味しいティラミス食べてました」
「・・・・・・・・・・誰と」
「ロビンちゃんと」
一瞬先輩は険しい顔をして、けれどロビンちゃんと答えればすぐにいつもの顔に戻った。
・・・・・・・・・・・ちょっとだけ芽生えた意地悪心。
「そこのケーキすっごく美味しくて、店員さんもイケメンだったんですよー」
ああ、思い出すだけでにやけるあの味。
あの甘さ。
「・・・・・・・・・どこの店だ?」
「え、」
「潰す」
顔を見れば目が笑ってない先輩が笑いながら短くそう呟いた。
やばいこれは本気で怖い。
「・・・・・・・・ヤキモチですか?」
いつも言われてるから、たまには言ってやろうと思っただけなんだけど。
「ヤキモチ?そんな可愛いもんじゃねえな。そいつの息の根を止めたいくらいだ」
・・・・・・・・・・やぶへび。
「・・・・・・・・・先輩の方がカッコイイですけどね」
そうフォローすれば、
「わ」
先輩と向き合う形にされて、ぎゅうっと力強く抱きしめられた。
「やっぱりお前は誰にもやれねえ」
「・・・・・・・・・・それ決めるの私だと思うんですけどね」
久し振りの抱きしめられるぬくもりに、
少し泣きそうになった。
+やぶへび 終+