何度でも、君と
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「またアコさん?」
「そうなの、なまじ正論だから困ってるのよ」
仲の良い女性教師2人が、困った顔でそう愚痴っているのを聞いた。
その日何があったかはよく覚えてない。
ただ妙に苛々していた。
顔にも態度にも出ていたんだろう、
いつも親しげに話しかけてくるクラスメイトも、教師も遠巻きに俺を見ているだけだった。
もしくはご機嫌をとろうとへらへらしながら近づいてきて、睨めば怯えて去って行く。
その周りの反応がますます俺を苛立たせた。
堪えてはいたんだが、な。
昼休み飲み物を買う為自販機に行くと、女生徒が2人先に居た。
「あったじゃん午後ティー」
「ここまで来た甲斐があったよーああっでもココアも美味しそう」
そんな会話をぼんやりと聞きながら待っていると、
「うわ!?シャンクス先輩!?すみませんすぐどきます!ほらアコ、早く決めちゃいなって」
「え、あ、すみませんっお先にどうぞ」
「・・・・・・・・・・ああ」
俺に気づいた女生徒は酷く驚いて、
その隣に居たアコ、と呼ばれた方は焦ったように横にずれた。
そのまま珈琲缶を購入してそのまま行こうとした俺に、
「先輩今日嫌なことありました?」
アコと呼ばれた女生徒がそう話しかけた。
「・・・・・・・・・・・いや、別に」
「顔怖いですよ。眉間に皺も寄ってますもん。そういう時は甘いのがいいんですよ!」
「は?」
突然何を言い出すのか。
彼女は持っていた鞄からお菓子の箱を取り出した。
「良かったらこれどうぞ。このメーカー新発売のチョコなんですけど、めっちゃ美味しいですよ!」
「・・・・・・・・・・チョコ」
「甘いの食べると癒されますよ」
呆然とする俺に、にこにこと笑顔で話しかけてくる。
そんな彼女からは、俺の機嫌をとろうとか、そういう気配は感じなかった。
「アコー早くしないと席とられちゃうよ」
「今行くー!それじゃ、先輩失礼します!」
びしっと敬礼のポーズをとって、彼女は颯爽と去っていった。
教師達が話していたような問題児には見えない、が。
もらった菓子を箱から取り出して、1つ口に放り込んだ。
広がった絶妙な甘さに、確かにこれは美味いと口角が上がった。
「アコは覚えてないだろうな」
「・・・・・・・・・・・・あるような、ないような」
先輩の口から語られた意外な思い出話。
あんたが貴重な糖分人にあげるなんて珍しいね、と友達に言われたような気もする。
・・・・・・・でもそれがシャンクス先輩だったかは忘れた。
「それから俺はずっとアコを見てきた」
「・・・・・・・・前にも言いましたけど、私はもう2度とシャンクス先輩と付き合う気は、」
「俺が傷つかないように、だろ」
「・・・・・・・・・何のことですか」
私の心の中を見透かすかのような視線が痛い。
「アコは大事な誰かが傷つくことを1番嫌う。だから俺と付き合わない。そういうことなんだろう?」
「ちがい、ます。私はただ自分が可愛いだけです、臆病だから、自分が傷つくのが嫌なだけです」
先輩は私のことを買い被ってる。
「自分のことが本当に可愛いなら教師や先輩に口答えしたりしない。ましてや自分のことじゃないことでな」
「・・・・・・・・・・・・っ」
そんな、こと。
「あの時も誰も声をかけようとしなかった程苛立っていた俺にあんな風に言ったりしないだろう」
「・・・・・別に、先輩の為じゃ、」
「アコが許してくれてるってんなら、もう容赦はしねえ」
「・・・・・・・・・・・・・・は、い?」
「これからは本気で口説かせてもらうぞ」
「・・・・・・・・・今までのは」
「序の口だな」
にや、と笑う先輩が怖い。
「私帰ります」
「道はわかるのか?」
「タクシー使います」
「金は」
「・・・・・・・・・家にあります」
「テレビ付きの風呂」
「・・・・・・・・・・・・・・・・う」
「夜景」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・うう」
「明日の朝は焼き立てのパンでどうだ?」
そしてトドメと言わんばかりに先輩は、
「下に警備員が居ただろう?」
「・・・・・・・居ました」
「俺が連絡すればアコはここから出られない」
・・・・・・・・金持ちめ!
「わかりました」
はあ、と諦めのため息を吐いた。
「まあ、お泊りセットも買ってありますしね・・・・」
しかもお金出したの先輩だし。
私が出します、って言ったんだけど断固として受け取ってもらえなかった。
「そういうことだ。風呂でも入るか?」
「あ、でもその前に食器の片付けしないと」
そう言った途端先輩の顔がだらしなくにやにやし始めた。
「・・・・・・・先輩?」
「いや、新婚みてェだなと」
「お風呂入らせて頂きます。・・・・・あれ」
「どうした?」
「・・・・・・・・寝間着、買ってないですよね?」
下着はコンビニで買ったけど。
寝間着まで考えてなかった。
「・・・・・・・そーいやそうだったな」
そしてまた先輩は、怪しく微笑んだ。
+怖いんですけど 終+
「そうなの、なまじ正論だから困ってるのよ」
仲の良い女性教師2人が、困った顔でそう愚痴っているのを聞いた。
その日何があったかはよく覚えてない。
ただ妙に苛々していた。
顔にも態度にも出ていたんだろう、
いつも親しげに話しかけてくるクラスメイトも、教師も遠巻きに俺を見ているだけだった。
もしくはご機嫌をとろうとへらへらしながら近づいてきて、睨めば怯えて去って行く。
その周りの反応がますます俺を苛立たせた。
堪えてはいたんだが、な。
昼休み飲み物を買う為自販機に行くと、女生徒が2人先に居た。
「あったじゃん午後ティー」
「ここまで来た甲斐があったよーああっでもココアも美味しそう」
そんな会話をぼんやりと聞きながら待っていると、
「うわ!?シャンクス先輩!?すみませんすぐどきます!ほらアコ、早く決めちゃいなって」
「え、あ、すみませんっお先にどうぞ」
「・・・・・・・・・・ああ」
俺に気づいた女生徒は酷く驚いて、
その隣に居たアコ、と呼ばれた方は焦ったように横にずれた。
そのまま珈琲缶を購入してそのまま行こうとした俺に、
「先輩今日嫌なことありました?」
アコと呼ばれた女生徒がそう話しかけた。
「・・・・・・・・・・・いや、別に」
「顔怖いですよ。眉間に皺も寄ってますもん。そういう時は甘いのがいいんですよ!」
「は?」
突然何を言い出すのか。
彼女は持っていた鞄からお菓子の箱を取り出した。
「良かったらこれどうぞ。このメーカー新発売のチョコなんですけど、めっちゃ美味しいですよ!」
「・・・・・・・・・・チョコ」
「甘いの食べると癒されますよ」
呆然とする俺に、にこにこと笑顔で話しかけてくる。
そんな彼女からは、俺の機嫌をとろうとか、そういう気配は感じなかった。
「アコー早くしないと席とられちゃうよ」
「今行くー!それじゃ、先輩失礼します!」
びしっと敬礼のポーズをとって、彼女は颯爽と去っていった。
教師達が話していたような問題児には見えない、が。
もらった菓子を箱から取り出して、1つ口に放り込んだ。
広がった絶妙な甘さに、確かにこれは美味いと口角が上がった。
「アコは覚えてないだろうな」
「・・・・・・・・・・・・あるような、ないような」
先輩の口から語られた意外な思い出話。
あんたが貴重な糖分人にあげるなんて珍しいね、と友達に言われたような気もする。
・・・・・・・でもそれがシャンクス先輩だったかは忘れた。
「それから俺はずっとアコを見てきた」
「・・・・・・・・前にも言いましたけど、私はもう2度とシャンクス先輩と付き合う気は、」
「俺が傷つかないように、だろ」
「・・・・・・・・・何のことですか」
私の心の中を見透かすかのような視線が痛い。
「アコは大事な誰かが傷つくことを1番嫌う。だから俺と付き合わない。そういうことなんだろう?」
「ちがい、ます。私はただ自分が可愛いだけです、臆病だから、自分が傷つくのが嫌なだけです」
先輩は私のことを買い被ってる。
「自分のことが本当に可愛いなら教師や先輩に口答えしたりしない。ましてや自分のことじゃないことでな」
「・・・・・・・・・・・・っ」
そんな、こと。
「あの時も誰も声をかけようとしなかった程苛立っていた俺にあんな風に言ったりしないだろう」
「・・・・・別に、先輩の為じゃ、」
「アコが許してくれてるってんなら、もう容赦はしねえ」
「・・・・・・・・・・・・・・は、い?」
「これからは本気で口説かせてもらうぞ」
「・・・・・・・・・今までのは」
「序の口だな」
にや、と笑う先輩が怖い。
「私帰ります」
「道はわかるのか?」
「タクシー使います」
「金は」
「・・・・・・・・・家にあります」
「テレビ付きの風呂」
「・・・・・・・・・・・・・・・・う」
「夜景」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・うう」
「明日の朝は焼き立てのパンでどうだ?」
そしてトドメと言わんばかりに先輩は、
「下に警備員が居ただろう?」
「・・・・・・・居ました」
「俺が連絡すればアコはここから出られない」
・・・・・・・・金持ちめ!
「わかりました」
はあ、と諦めのため息を吐いた。
「まあ、お泊りセットも買ってありますしね・・・・」
しかもお金出したの先輩だし。
私が出します、って言ったんだけど断固として受け取ってもらえなかった。
「そういうことだ。風呂でも入るか?」
「あ、でもその前に食器の片付けしないと」
そう言った途端先輩の顔がだらしなくにやにやし始めた。
「・・・・・・・先輩?」
「いや、新婚みてェだなと」
「お風呂入らせて頂きます。・・・・・あれ」
「どうした?」
「・・・・・・・・寝間着、買ってないですよね?」
下着はコンビニで買ったけど。
寝間着まで考えてなかった。
「・・・・・・・そーいやそうだったな」
そしてまた先輩は、怪しく微笑んだ。
+怖いんですけど 終+