何度でも、君と
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どん、と置かれた書類の束。
「これは明日の分だよな?ベン」
「明日のはあっちだ」
指さすその机の上に置かれた、これまた大量の紙の山。
取引先のとこから帰って来てみればまだまだ仕事は山積みらしい。
「・・・・・・容赦ねえなァベンちゃん」
と不満を漏らしたところで、携帯が着信を知らせた。
手元に置いていた携帯の文字を見れば、
『アコ』
見ただけで何も考えずに通話ボタンを押して、名前を呼んだ。
「アコ?」
本当にアコから、なのか。
『・・・・・・・突然すみません、シャンクス先輩』
聞こえた声は確かにアコの声。
思わず緩む頬を押さえて会話を続ける。
「アコから電話くれるなんて珍しいな。何かあったのか?」
『あの・・・・明日ってお時間あったりしますか?』
「明日?」
そう声を出せば目の前のベンが指で×を作った。
・・・・・・・・・・そりゃこの書類があれば駄目と言われるに決まってるか。
『ルフィ君が明日までの水族館の入場チケットくれたんですけど』
水族館の入場チケット。
ということはアコからのお誘いということだ。
幻聴・・・じゃねえよな。
『・・・・・・・先輩?もしもーし?』
「・・・・・・ああ、すまん。まさかアコから誘ってもらえるとはな」
『いきなりだったので明日予定開いてる人が居ないんです。・・・・どう、ですか』
「勿論行くよ」
そう答えた瞬間のベンの顔が面白いことになった。
『え、大丈夫なんですか?』
「何がだ?」
『・・・・・・・・・・仕事、とか』
「今日中に終わらせれば問題ないな」
言いながら今日の分と明日の分の書類に目をやる。
ベンの顔は見ない。
・・・・・・つーか見れねェ。
『えと、じゃあ明日10時に駅前で、いいですか?』
「ああ、わかった」
通話を切って携帯を置いた瞬間、
「まさか明日行くつもりじゃないだろうな社長」
大魔王ってのが居たらこんな顔かと思う程の顔が目の前に突き出される。
「もう行くと言っちまったからな。明日の分も今日中に終わらせりゃいいんだろう?」
「今日1日で終わる量か?あれが」
「・・・・・・・・アコとのデートだぞ?しかもアコからの誘いを俺が断れると思うか」
「断れ」
「無理だ」
「・・・・・・なら無駄口叩いてないでさっさと終わらせるんだな。でなきゃデートもなしだ」
「・・・・・・・・・・やるさ」
明日のアコとデートの為に。
「うわー綺麗!」
水槽の中のクラゲに夢中になるアコは可愛い。
「ふわー癒される・・・・・ずっと見ていたくなりますね」
「確かにこれは綺麗だな」
「部屋に欲しいなあ」
しかし水族館に着いてから俺のことを見ないようにしてる様子が窺える。
どうしたら意識させられるか。
そんなことばかり考える。
「・・・・うちに同じものを置いたらアコは一緒に住んでくれるか?」
「いやいや、先輩ならやりそうで怖いんですけど」
「返事次第だな」
クラゲの水槽に目を輝かせるアコの為なら用意することは厭わないつもりだったが。
「モノ目当てで同棲なんて嫌ですよ」
「そうか、残念だ」
アコらしい答えに何処かほっとした。
「あ、次あそこ行きたいです」
それから俺の目を見ようともしないで今度はペンギンに目を向けたアコ。
「あのペンギン兄弟っぽい!エース君とルフィ君みたいー」
口にすることは他の男の名前。
・・・・・・・・・隣には俺が居るんだが。
「そういえばルフィの成績はどうだ?」
「食べ物に例えると理解が早いんですけどね・・・・」
「ルフィらしいな」
「・・・・・・・・そういえばルフィ君から聞きましたけど。先輩がルフィ君を助けたって」
「ああ、前にちょっとな。まさかアコの生徒だとは思わなかったが」
俺を見ろ、と言うのをぐっと堪えて話を合わせる。
『間もなくイルカショーが始まります。ご覧になるお客様は・・・』
とイルカショーの案内アナウンスが聞こえた瞬間、再びアコの頭はイルカショーになったらしい。
「イルカショー!?行きたいですいいですか!?」
先に行こうとしたアコの腕を捕まえて、
「あまり1人で行こうとするな、アコ。・・・・せっかく2人で来てるってのに寂しいだろ?」
そう伝えれば顔を真っ赤にさせて言葉に詰まったアコ。
「え、あ、う」
「もうちょっと俺のことを意識してくれ」
「・・・・・・・・・すみ、ません、でした」
ようやく俺のことを考えてくれたらしい。
となれば、
「よし。じゃあ行くか、イルカショー」
「・・・・・・・・・・はい」
土産屋でアコが目に留めたブレスレット。
買ってプレゼントすれば照れたようなアコの笑みに、アコのことが知りたくなった。
俺のことをどう思ってるのか。
帰り際、
「あ」
声を出したアコにチャンスだと感じた。
「・・・・・・覚えてるか?アコ」
「え、」
「俺達が初めてキスした所。ここだっただろ?」
少しでも俺のことで悩んで欲しい。
そう思う俺は最低だと、知ってる。
「なあ、アコ。俺のことをどう思う?」
名刺の裏に書いたメールアドレス。
嫌いでないならメールをくれ、と告げて。
戸惑うアコを家まで送った。
「で、メールは来なかったのか」
「・・・・・・・・まだ昨日の話だからな?」
「今日来なきゃ絶望的だがな」
今頃悩んでいるか、それとももう忘れているか。
アコの性格からして忘れてることはないか。
メールの問い合わせをしてみるも応答はない。
さっきから3分毎に問い合わせをしてる気がするな。
「まだ今日の分終わってないってわかってるんだろうなアンタは」
「わかっちゃいるが・・・・・・・」
やる気が出ない、と言おうとしたところで携帯がメールの着信を知らせた。
飛びつくように見れば、
『こないだ言うの忘れてました。ロビンちゃんが白状しました。先輩の情報網、1個知りましたからね アコ』
「・・・・・・・・んじゃ、頑張るとするか」
どんな内容であれ、
これで俺はまだ頑張れる。
+頑張りますか 終+
「これは明日の分だよな?ベン」
「明日のはあっちだ」
指さすその机の上に置かれた、これまた大量の紙の山。
取引先のとこから帰って来てみればまだまだ仕事は山積みらしい。
「・・・・・・容赦ねえなァベンちゃん」
と不満を漏らしたところで、携帯が着信を知らせた。
手元に置いていた携帯の文字を見れば、
『アコ』
見ただけで何も考えずに通話ボタンを押して、名前を呼んだ。
「アコ?」
本当にアコから、なのか。
『・・・・・・・突然すみません、シャンクス先輩』
聞こえた声は確かにアコの声。
思わず緩む頬を押さえて会話を続ける。
「アコから電話くれるなんて珍しいな。何かあったのか?」
『あの・・・・明日ってお時間あったりしますか?』
「明日?」
そう声を出せば目の前のベンが指で×を作った。
・・・・・・・・・・そりゃこの書類があれば駄目と言われるに決まってるか。
『ルフィ君が明日までの水族館の入場チケットくれたんですけど』
水族館の入場チケット。
ということはアコからのお誘いということだ。
幻聴・・・じゃねえよな。
『・・・・・・・先輩?もしもーし?』
「・・・・・・ああ、すまん。まさかアコから誘ってもらえるとはな」
『いきなりだったので明日予定開いてる人が居ないんです。・・・・どう、ですか』
「勿論行くよ」
そう答えた瞬間のベンの顔が面白いことになった。
『え、大丈夫なんですか?』
「何がだ?」
『・・・・・・・・・・仕事、とか』
「今日中に終わらせれば問題ないな」
言いながら今日の分と明日の分の書類に目をやる。
ベンの顔は見ない。
・・・・・・つーか見れねェ。
『えと、じゃあ明日10時に駅前で、いいですか?』
「ああ、わかった」
通話を切って携帯を置いた瞬間、
「まさか明日行くつもりじゃないだろうな社長」
大魔王ってのが居たらこんな顔かと思う程の顔が目の前に突き出される。
「もう行くと言っちまったからな。明日の分も今日中に終わらせりゃいいんだろう?」
「今日1日で終わる量か?あれが」
「・・・・・・・・アコとのデートだぞ?しかもアコからの誘いを俺が断れると思うか」
「断れ」
「無理だ」
「・・・・・・なら無駄口叩いてないでさっさと終わらせるんだな。でなきゃデートもなしだ」
「・・・・・・・・・・やるさ」
明日のアコとデートの為に。
「うわー綺麗!」
水槽の中のクラゲに夢中になるアコは可愛い。
「ふわー癒される・・・・・ずっと見ていたくなりますね」
「確かにこれは綺麗だな」
「部屋に欲しいなあ」
しかし水族館に着いてから俺のことを見ないようにしてる様子が窺える。
どうしたら意識させられるか。
そんなことばかり考える。
「・・・・うちに同じものを置いたらアコは一緒に住んでくれるか?」
「いやいや、先輩ならやりそうで怖いんですけど」
「返事次第だな」
クラゲの水槽に目を輝かせるアコの為なら用意することは厭わないつもりだったが。
「モノ目当てで同棲なんて嫌ですよ」
「そうか、残念だ」
アコらしい答えに何処かほっとした。
「あ、次あそこ行きたいです」
それから俺の目を見ようともしないで今度はペンギンに目を向けたアコ。
「あのペンギン兄弟っぽい!エース君とルフィ君みたいー」
口にすることは他の男の名前。
・・・・・・・・・隣には俺が居るんだが。
「そういえばルフィの成績はどうだ?」
「食べ物に例えると理解が早いんですけどね・・・・」
「ルフィらしいな」
「・・・・・・・・そういえばルフィ君から聞きましたけど。先輩がルフィ君を助けたって」
「ああ、前にちょっとな。まさかアコの生徒だとは思わなかったが」
俺を見ろ、と言うのをぐっと堪えて話を合わせる。
『間もなくイルカショーが始まります。ご覧になるお客様は・・・』
とイルカショーの案内アナウンスが聞こえた瞬間、再びアコの頭はイルカショーになったらしい。
「イルカショー!?行きたいですいいですか!?」
先に行こうとしたアコの腕を捕まえて、
「あまり1人で行こうとするな、アコ。・・・・せっかく2人で来てるってのに寂しいだろ?」
そう伝えれば顔を真っ赤にさせて言葉に詰まったアコ。
「え、あ、う」
「もうちょっと俺のことを意識してくれ」
「・・・・・・・・・すみ、ません、でした」
ようやく俺のことを考えてくれたらしい。
となれば、
「よし。じゃあ行くか、イルカショー」
「・・・・・・・・・・はい」
土産屋でアコが目に留めたブレスレット。
買ってプレゼントすれば照れたようなアコの笑みに、アコのことが知りたくなった。
俺のことをどう思ってるのか。
帰り際、
「あ」
声を出したアコにチャンスだと感じた。
「・・・・・・覚えてるか?アコ」
「え、」
「俺達が初めてキスした所。ここだっただろ?」
少しでも俺のことで悩んで欲しい。
そう思う俺は最低だと、知ってる。
「なあ、アコ。俺のことをどう思う?」
名刺の裏に書いたメールアドレス。
嫌いでないならメールをくれ、と告げて。
戸惑うアコを家まで送った。
「で、メールは来なかったのか」
「・・・・・・・・まだ昨日の話だからな?」
「今日来なきゃ絶望的だがな」
今頃悩んでいるか、それとももう忘れているか。
アコの性格からして忘れてることはないか。
メールの問い合わせをしてみるも応答はない。
さっきから3分毎に問い合わせをしてる気がするな。
「まだ今日の分終わってないってわかってるんだろうなアンタは」
「わかっちゃいるが・・・・・・・」
やる気が出ない、と言おうとしたところで携帯がメールの着信を知らせた。
飛びつくように見れば、
『こないだ言うの忘れてました。ロビンちゃんが白状しました。先輩の情報網、1個知りましたからね アコ』
「・・・・・・・・んじゃ、頑張るとするか」
どんな内容であれ、
これで俺はまだ頑張れる。
+頑張りますか 終+