何度でも、君と
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「あ」
立ち寄った薬局で見つけた入浴剤。
『自分へのご褒美に、プチ贅沢な入浴剤』
そう書かれたローズの入浴剤。
・・・・・・・・これ、シャンクス先輩の会社の商品だよね。
私がアンケートに書いた言葉、使われてる。
思わず緩む頬。
確かにこれは気持ち良かった。
よし、2つ買って行こ。
あとシャンプーとリンスと、あ、洗剤も買わなきゃ。
「有難う御座いましたー」
お会計を済ませて外に出て。
・・・・・・・・・ずっしりと腕にかかる重みに少しだけ後悔。
ちょっと買いすぎた。
でも思いついた時に買わないと忘れちゃうし。
「・・・・・・よ、っこいしょっと」
頑張って持ち上げて、家まで歩かなきゃ。
最近食べすぎて体重が気になるから、と歩いてきたのがまずかった。
せめて自転車で来るべきだった。
いやでもこれも試練。
頑張って痩せなきゃ!
と、再び気合を入れたところで、
「アコ!」
名前を呼ばれた。
「え?」
声だけ聞けばシャンクス先輩の声、なんだけど。
「・・・・・・・空耳?」
姿が見えない。
「アコ、ここだ」
「ここって何処ですか・・・・って、」
声のした方を必死に探り、顔を向ければ。
そこには車の中から手を振るシャンクス先輩が居た。
しかも運転手さん付き。
・・・・・・・・さすが社長、優雅ですね。
「買い物帰りか?」
「はあ、まあ」
「乗って行くか?家まで送るぞ」
「!ほんとですか!?」
ものすごーく有り難い申し出。
先輩が運転する車で2人きり、っていうのは避けたいけど、運転手さんが居るなら安心だし。
「遠慮するな」
「お願いしますっ」
荷物をトランクに入れてもらって、私は先輩の隣に座らせてもらった。
「何を買ったんだ?」
「薬局で色々洗剤などを・・・あ、入浴剤買いましたよ」
「ああ、あの時は助かったよ。アコの書いてくれたキャッチコピーを使わせてもらった」
「良かったんですか?あんなので」
「アンケート自体も社内では評判だぞ。わかりやすくて的確。かつ甘すぎなくていい、と」
・・・・・それが本当なら結構嬉しい。
でも先輩の目を見る限り嘘ではない、と思う。
「そこでまた頼みたいんだ、アコ」
「え?」
「この後時間ないか?勿論終われば家までは送る」
騙された。
そう思ったけど、仕方ない。
「・・・・・・・今度は何すればいいんですか?」
そう言えば気持ちが顔に出てたようで、
「そんな顔するな。紅茶を飲んだ感想が欲しいんだ」
と苦笑された。
「紅茶ですか?」
「今度は紅茶を出してみようと思っているんだ。ちょうど出来たばかりのものがうちの会社にある」
「・・・・・・・わかりました」
実際車に乗せてもらって助かったし、
紅茶も嫌いじゃない。
むしろ好んで飲むものだし。
「助かるよ。すまないな」
「乗せてもらったお礼なので、今度は謝礼とかは要りませんから」
「ああ、わかった」
ということで行き先が変更になって、
先輩の会社。
「こちらがアップルティー、そしてピーチティーで御座います」
とんとん、と私の前に置かれた2つの紅茶。
そしてそのまま出て行く秘書さん。
「・・・・・・・・・秘書の方美人さんですね」
「ヤキモチか?」
「ただの感想です」
にやにやと笑う先輩にそう述べて、
「紅茶、頂きますね」
アップルティーに口をつけた。
「率直な感想を聞かせてくれ」
「・・・・・・・・ん、まず香りが弱いです。あと味がちょっと人工的ですね。もっと自然の甘さが欲しいです」
それからお水を貰って口の中をスッキリさせてから、ピーチティーへ。
「あ、ピーチの方は美味しいです。紅茶とのバランスもいいし甘すぎなくて後味スッキリしてて」
先輩は私の感想をメモしている。
・・・・・・・・・真面目な顔が、少しカッコイイと思う。
「この紅茶と一緒に食べるなら何がいいと思う?」
「えーと・・・・私ならクッキー、ですかね」
ああ、これが『仕事の顔』
なんだ。
「アコの意見でいい。どんな時に飲みたくなる味だと思ったかも聞かせてもらえるか?」
「・・・・・休みの日の午後、家でまったりしたい時」
素直に感想を述べれば先輩は満足そうな笑みで頷いて、
「あとで開発チームに伝えておこう。助かった」
仕事の顔の先輩はとてもカッコ良くて、
さっきからドキドキが止まりそうにない。
+買い過ぎにご注意 終+