何度でも、君と
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ブザーが鳴った。
『間もなく上映となります。携帯電話や音の鳴る機器は電源を切るかマナーモードに設定の上、』
お決まりのアナウンスに耳を傾けて、目の前のスクリーンから隣に目を向けた。
・・・・・・・・・・・1人で来るハズだったのにな。
映画。
『名探偵VS大泥棒、って映画のチケットを2枚貰ったんだが、興味ないか?』
ちょうど映画を見に行こうと思っていた休みの2日前。
電話ならもう出ない、と思ってたのに。
ルフィ君の家を出た瞬間待ち構えていたかのようにシャンクス先輩が現れた。
・・・・・・・・・・さすがにもう逃げない、けど。
名探偵VS大泥棒。
私が見に行こうと思ってた作品。
アニメ映画だけど子供から大人まで楽しめる作品だと思ってて。
レディースデイを狙って見に行こうかと思ったけど、無料で見れるなら有り難い。
・・・・・・・・・・・先輩が居なければ。
けれどチケット1枚だけ下さい、私1人で行きます、なんて言えるハズもなく。
今に至る。
隣に目を向ければ不意に目が合って、に、っと微笑まれた。
慌ててスクリーンに視線を戻す。
・・・・・・・・・・・今は、映画に集中。
これはミステリーだから、ちょっとでも見逃せないんだから。
『お忘れ物の御座いませんよう、お気をつけてお帰り下さいませ』
上映終了。
「12時半か。飯でも食いに行かないか?」
「あ、ハイ。・・・・じゃあ今日は私が行きたいとこ行ってもいいですか?」
「ああ、勿論だ」
先輩の了承を得て目的の店へ向かう。
今日も目が飛び出るようなお値段のお店になんて連れて行かれたらたまらないもの。
「ここです」
着いた場所は、
お肉メインのレストラン。
ステーキ、ハンバーグが美味しいリーズナブルなお店。
席に着いて、メニューを手に取る。
「私もう決めてるんで、先輩どうぞ」
「ここにはよく来るのか?」
「たまに来る程度です。ものすごーくお肉が食べたい時に」
「おススメは?」
「ランチならAセットかステーキ丼ですね」
「じゃあAセットにしよう」
どうやら先輩も決まったようなので、店員さんを呼ぶ。
「お決まりですか?」
「Aセットを」
「私はステーキ丼セット、あ、ご飯大盛りでお願いします」
店員さんは注文を確認したあと、ごゆっくりどうぞ、と言って去って行った。
「・・・・腹減ってたのか?」
少し驚いた風を見せた先輩に私は苦笑する。
「ていうかお肉がっつりいきたい気分なんです。
お肉とご飯交互にちまちま食べるより丼でかっこんだ方が食べた!って気になるし」
これを友達に言ったところ、
あんた本当に女?とのお言葉を頂いた。
しかし先輩の反応は、
「確かにその方が美味いだろうな」
と納得してくれた。
・・・・・・・・・言わないけど、
嬉しい、と思った。
「そういえばアコの好きな奴ってのは誰なんだ?」
「さっき出てきた中ならやっぱ主人公の名探偵君ですかね。あ、でも今回は女性陣がめちゃくちゃカッコ良くて」
さっきの映画の話かと思っていたら、
「・・・・・いや、映画のことじゃない」
と苦笑されてしまった。
・・・・話を変えなきゃ、と思った。
「あの女刑事さんもカッコ良かったですよね!先輩の好みじゃないですか?」
けど、
「俺の好みはアコだな」
・・・・・・・・・・・・・何ていうんだっけこういうの。
やぶへび?
「・・・・・・先輩お得意の情報網で掴んでみたらいいじゃないですか、私の好きな人くらい」
「アコ?」
こうなったら、もう意地よ。
「1つ言えるのは、肝心なことは何も言ってくれない人は嫌いです私」
「何が聞きたい?」
「え?」
「俺はもうアコを傷つけないと決めた。アコが悲しむなら俺は何でも話そう」
聞きたいことはたくさんある。
もう1度付き合いたい、なんて。
何で今なんですか、とか。
どうして休みがわかっちゃうんですか、とか。
どうしてまた私なんですか。
・・・・・・・・どうして私を、
好きになってくれたんですか。
あの時も、今も。
「・・・・・・・・・・・とりあえず今は味の感想を」
「は?」
「お待たせ致しましたーAセットとステーキ丼セットになります」
待っていたお昼ご飯。
「変なこと言ってすみませんでした。ご飯不味くなっちゃいますね」
聞いたら何かが大きく変わりそうな気がして、今はまだ聞けない。
「アコが何と思おうと、俺は本気だ。それは覚えておいてくれ」
「・・・・・・・・はい。・・・それじゃ、頂きますっ」
気を取り直してステーキ丼。
先輩もAセットに手をつけた。
「ああ、美味いな」
「・・・・・・美味しい、です」
先輩の顔が見れなくて、
私はステーキ丼を口に頬張った。
+もう意地よ 終+
『間もなく上映となります。携帯電話や音の鳴る機器は電源を切るかマナーモードに設定の上、』
お決まりのアナウンスに耳を傾けて、目の前のスクリーンから隣に目を向けた。
・・・・・・・・・・・1人で来るハズだったのにな。
映画。
『名探偵VS大泥棒、って映画のチケットを2枚貰ったんだが、興味ないか?』
ちょうど映画を見に行こうと思っていた休みの2日前。
電話ならもう出ない、と思ってたのに。
ルフィ君の家を出た瞬間待ち構えていたかのようにシャンクス先輩が現れた。
・・・・・・・・・・さすがにもう逃げない、けど。
名探偵VS大泥棒。
私が見に行こうと思ってた作品。
アニメ映画だけど子供から大人まで楽しめる作品だと思ってて。
レディースデイを狙って見に行こうかと思ったけど、無料で見れるなら有り難い。
・・・・・・・・・・・先輩が居なければ。
けれどチケット1枚だけ下さい、私1人で行きます、なんて言えるハズもなく。
今に至る。
隣に目を向ければ不意に目が合って、に、っと微笑まれた。
慌ててスクリーンに視線を戻す。
・・・・・・・・・・・今は、映画に集中。
これはミステリーだから、ちょっとでも見逃せないんだから。
『お忘れ物の御座いませんよう、お気をつけてお帰り下さいませ』
上映終了。
「12時半か。飯でも食いに行かないか?」
「あ、ハイ。・・・・じゃあ今日は私が行きたいとこ行ってもいいですか?」
「ああ、勿論だ」
先輩の了承を得て目的の店へ向かう。
今日も目が飛び出るようなお値段のお店になんて連れて行かれたらたまらないもの。
「ここです」
着いた場所は、
お肉メインのレストラン。
ステーキ、ハンバーグが美味しいリーズナブルなお店。
席に着いて、メニューを手に取る。
「私もう決めてるんで、先輩どうぞ」
「ここにはよく来るのか?」
「たまに来る程度です。ものすごーくお肉が食べたい時に」
「おススメは?」
「ランチならAセットかステーキ丼ですね」
「じゃあAセットにしよう」
どうやら先輩も決まったようなので、店員さんを呼ぶ。
「お決まりですか?」
「Aセットを」
「私はステーキ丼セット、あ、ご飯大盛りでお願いします」
店員さんは注文を確認したあと、ごゆっくりどうぞ、と言って去って行った。
「・・・・腹減ってたのか?」
少し驚いた風を見せた先輩に私は苦笑する。
「ていうかお肉がっつりいきたい気分なんです。
お肉とご飯交互にちまちま食べるより丼でかっこんだ方が食べた!って気になるし」
これを友達に言ったところ、
あんた本当に女?とのお言葉を頂いた。
しかし先輩の反応は、
「確かにその方が美味いだろうな」
と納得してくれた。
・・・・・・・・・言わないけど、
嬉しい、と思った。
「そういえばアコの好きな奴ってのは誰なんだ?」
「さっき出てきた中ならやっぱ主人公の名探偵君ですかね。あ、でも今回は女性陣がめちゃくちゃカッコ良くて」
さっきの映画の話かと思っていたら、
「・・・・・いや、映画のことじゃない」
と苦笑されてしまった。
・・・・話を変えなきゃ、と思った。
「あの女刑事さんもカッコ良かったですよね!先輩の好みじゃないですか?」
けど、
「俺の好みはアコだな」
・・・・・・・・・・・・・何ていうんだっけこういうの。
やぶへび?
「・・・・・・先輩お得意の情報網で掴んでみたらいいじゃないですか、私の好きな人くらい」
「アコ?」
こうなったら、もう意地よ。
「1つ言えるのは、肝心なことは何も言ってくれない人は嫌いです私」
「何が聞きたい?」
「え?」
「俺はもうアコを傷つけないと決めた。アコが悲しむなら俺は何でも話そう」
聞きたいことはたくさんある。
もう1度付き合いたい、なんて。
何で今なんですか、とか。
どうして休みがわかっちゃうんですか、とか。
どうしてまた私なんですか。
・・・・・・・・どうして私を、
好きになってくれたんですか。
あの時も、今も。
「・・・・・・・・・・・とりあえず今は味の感想を」
「は?」
「お待たせ致しましたーAセットとステーキ丼セットになります」
待っていたお昼ご飯。
「変なこと言ってすみませんでした。ご飯不味くなっちゃいますね」
聞いたら何かが大きく変わりそうな気がして、今はまだ聞けない。
「アコが何と思おうと、俺は本気だ。それは覚えておいてくれ」
「・・・・・・・・はい。・・・それじゃ、頂きますっ」
気を取り直してステーキ丼。
先輩もAセットに手をつけた。
「ああ、美味いな」
「・・・・・・美味しい、です」
先輩の顔が見れなくて、
私はステーキ丼を口に頬張った。
+もう意地よ 終+