何度でも、君と
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「3年の人が呼んでるけど」
高校2年の時、3年の先輩に呼び出された。
「・・・・・・わかった、ありがと」
声をかけてくれたクラスメイトにお礼を言って私は廊下へ出た。
腕を組んで待ってましたと言わんばかりに立ち尽くす女の先輩は私を見てふん、と鼻で笑った。
「屋上まで来てもらうわよ」
「・・・・・・・・はいはい」
「はい、は1回!」
「わかりました先輩、行きますから」
ずんずん、と進んでいく先輩についていく。
屋上に着くや、先輩は、
「あんたが唆したんでしょ!?」
と怒鳴った。
・・・・・・・・・・・気持ちはわからないでもない。
「・・・・すみませんでした」
友達が先輩の好きだった人を奪った、ということだ。
確かに私は応援するよ、と言った。
だって見てて本当に好きなんだなって思えたし、お似合いだと思ったから。
相手もまんざらではなさそうだった。
・・・・・・・・結果、友達は先輩の好きだった人と両思いになった。
別に先輩がその人を好きだったと知ってた訳じゃない。
でも、
知ってたとしても同じことをしたと思う。
「何なの!?あの人だって私のこと好きでいてくれたのに!」
・・・・・・いや、好きじゃないから私の友達と付き合ってるんですよ。
「私が、先輩の邪魔をしました。申し訳ありませんでした」
「土下座して。じゃないと気が済まない」
・・・・・・・・・・・・・・面倒くさい。
でもそうも言ってられず、私は地面に座った。
そしてゆっくりと頭を下げ始めたその時、
「そこまでにしとけよ」
男の人の声が聞こえて頭を上げた。
「シャンクス君・・・でもこの子がっ!」
「可愛い後輩だろ?」
「・・・・・・・・・・・もういいわ」
先輩のクラスメイトである、シャンクス先輩。
先輩は悔しそうに顔を歪めてその場から去って行った。
「・・・・・・・・有難う、御座いました」
学年、男女問わず人気のあるシャンクス先輩にこんな所を見られるとは。
けれどこの時の私は、
何でこの人こんな所に居るんだろう、としか考えてなかった。
この時、までは。
ただ呆然とお礼を言った私にシャンクス先輩は、
「・・・・・・・・っ」
頭に乗せられた大きな手。
その手はぽんぽん、と優しく撫でてくれた。
良く頑張った、とでも言うように。
そしてそのまま何も言わず、シャンクス先輩も行ってしまって。
その時私の胸にぽっと、
温かいものが落ちた。
好きになったのは、きっとその時だ。
【アコ 様】
丁寧な字で書かれた宛先。
封を切って中を取り出すと、ローズの香り(試作品)、と書かれた入浴剤と簡単なアンケートの紙が入っていた。
直接会って渡すのと郵送とどちらが都合が良いか、と聞かれて、それなら郵送で、と答えたから。
早速使ってみようとお湯を溜めた。
袋を開けてバスタブに放てば、ふわりと香るローズ。
「んーいい香り」
お湯に浸かると強く感じる香り。
でも決して強すぎなくていい。
ふと気づくピンクのお湯に混じる粒。
「・・・・・・・・・・・・・・・あ」
これ、バラの花を模った物だ。
凝ってるなぁ。
お風呂からあがってもまだ香っていて、
いい気分。
しかもただの入浴剤ではなかったらしく、美肌効果もあるらしい。
これならお値段によっては買っちゃうかも。
むしろちょっと高い方がご褒美っぽい感じでいいかなあ、なんてアンケート用紙を見つめていると、
電話の着信音。
・・・・・名前は、シャンクス先輩。
一瞬だけ戸惑って、結局私は通話ボタンを押した。
「・・・・・もしもし?」
『今大丈夫か?』
「あ、はい。ちょうど入浴剤使ったとこです。今からアンケート書こうかと」
『そりゃ良かった。面倒をかけてすまなかったな』
「いえ、別に」
『それで今回の謝礼なんだが』
「謝礼なんてとんでもないです、この間先輩にはご馳走して頂きましたし」
『あれはプライベートだろう?これは正式な仕事だからな、そういう訳にはいかねえよ』
・・・・・・・・・・そういうもの、かな?
『っつー訳で明日駅前に11時』
「はい!?」
『明日ならアコも休みだろう?』
「・・・・・・・・何で知って、」
『某有名パテシエが作るチョコレートケーキの引換券、明日が期限なんだ』
「・・・・・・明日11時に駅前ですね」
『ああ、楽しみにしてる』
・・・・・・・・・・・・・ケーキにつられるなんて私の馬鹿。
+断れない 終+
高校2年の時、3年の先輩に呼び出された。
「・・・・・・わかった、ありがと」
声をかけてくれたクラスメイトにお礼を言って私は廊下へ出た。
腕を組んで待ってましたと言わんばかりに立ち尽くす女の先輩は私を見てふん、と鼻で笑った。
「屋上まで来てもらうわよ」
「・・・・・・・・はいはい」
「はい、は1回!」
「わかりました先輩、行きますから」
ずんずん、と進んでいく先輩についていく。
屋上に着くや、先輩は、
「あんたが唆したんでしょ!?」
と怒鳴った。
・・・・・・・・・・・気持ちはわからないでもない。
「・・・・すみませんでした」
友達が先輩の好きだった人を奪った、ということだ。
確かに私は応援するよ、と言った。
だって見てて本当に好きなんだなって思えたし、お似合いだと思ったから。
相手もまんざらではなさそうだった。
・・・・・・・・結果、友達は先輩の好きだった人と両思いになった。
別に先輩がその人を好きだったと知ってた訳じゃない。
でも、
知ってたとしても同じことをしたと思う。
「何なの!?あの人だって私のこと好きでいてくれたのに!」
・・・・・・いや、好きじゃないから私の友達と付き合ってるんですよ。
「私が、先輩の邪魔をしました。申し訳ありませんでした」
「土下座して。じゃないと気が済まない」
・・・・・・・・・・・・・・面倒くさい。
でもそうも言ってられず、私は地面に座った。
そしてゆっくりと頭を下げ始めたその時、
「そこまでにしとけよ」
男の人の声が聞こえて頭を上げた。
「シャンクス君・・・でもこの子がっ!」
「可愛い後輩だろ?」
「・・・・・・・・・・・もういいわ」
先輩のクラスメイトである、シャンクス先輩。
先輩は悔しそうに顔を歪めてその場から去って行った。
「・・・・・・・・有難う、御座いました」
学年、男女問わず人気のあるシャンクス先輩にこんな所を見られるとは。
けれどこの時の私は、
何でこの人こんな所に居るんだろう、としか考えてなかった。
この時、までは。
ただ呆然とお礼を言った私にシャンクス先輩は、
「・・・・・・・・っ」
頭に乗せられた大きな手。
その手はぽんぽん、と優しく撫でてくれた。
良く頑張った、とでも言うように。
そしてそのまま何も言わず、シャンクス先輩も行ってしまって。
その時私の胸にぽっと、
温かいものが落ちた。
好きになったのは、きっとその時だ。
【アコ 様】
丁寧な字で書かれた宛先。
封を切って中を取り出すと、ローズの香り(試作品)、と書かれた入浴剤と簡単なアンケートの紙が入っていた。
直接会って渡すのと郵送とどちらが都合が良いか、と聞かれて、それなら郵送で、と答えたから。
早速使ってみようとお湯を溜めた。
袋を開けてバスタブに放てば、ふわりと香るローズ。
「んーいい香り」
お湯に浸かると強く感じる香り。
でも決して強すぎなくていい。
ふと気づくピンクのお湯に混じる粒。
「・・・・・・・・・・・・・・・あ」
これ、バラの花を模った物だ。
凝ってるなぁ。
お風呂からあがってもまだ香っていて、
いい気分。
しかもただの入浴剤ではなかったらしく、美肌効果もあるらしい。
これならお値段によっては買っちゃうかも。
むしろちょっと高い方がご褒美っぽい感じでいいかなあ、なんてアンケート用紙を見つめていると、
電話の着信音。
・・・・・名前は、シャンクス先輩。
一瞬だけ戸惑って、結局私は通話ボタンを押した。
「・・・・・もしもし?」
『今大丈夫か?』
「あ、はい。ちょうど入浴剤使ったとこです。今からアンケート書こうかと」
『そりゃ良かった。面倒をかけてすまなかったな』
「いえ、別に」
『それで今回の謝礼なんだが』
「謝礼なんてとんでもないです、この間先輩にはご馳走して頂きましたし」
『あれはプライベートだろう?これは正式な仕事だからな、そういう訳にはいかねえよ』
・・・・・・・・・・そういうもの、かな?
『っつー訳で明日駅前に11時』
「はい!?」
『明日ならアコも休みだろう?』
「・・・・・・・・何で知って、」
『某有名パテシエが作るチョコレートケーキの引換券、明日が期限なんだ』
「・・・・・・明日11時に駅前ですね」
『ああ、楽しみにしてる』
・・・・・・・・・・・・・ケーキにつられるなんて私の馬鹿。
+断れない 終+