何度でも、君と
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「アコセンセーの好きな奴って誰なんだ?」
「・・・・・・・・・・いきなりどうしたのかなルフィ君。今はこの作者の気持ちを、」
「すっげェ奴なのか!?」
「・・・・・・・・・誰かに聞けって言われたの?」
「言われた!でも誰かは言わねえぞ!男と男の約束だからな!」
自慢げに微笑むルフィ君に、言葉が出てこない。
誰か、なんて聞かなくてもわかる。
「なあなあ!誰なんだ!?」
きらきらとした視線に見つめられて。
・・・・・・・・・本当は誤魔化そうと思ったけど、なけなしの良心が疼いた。
「・・・・先生の好きな人はね、ルフィ君だよ」
「俺か!?」
「元気で素直で明るくて、ルフィ君がだーい好き」
「しししっ」
よし、これで大丈夫。
ルフィ君が好きなのは本当だし。
そう、思ったんだけど。
『やっぱりアコは手強いな』
と、シャンクス先輩から電話が来た。
無視しようとも思ったけど、
ご馳走してもらった手前それも出来なかった。
「もうルフィ君使って変なこと聞き出そうとしないで下さいね」
『さて、どうするかな』
「・・・・・・先輩」
『まあそれはともかく今日はアコに頼みたいことがあって電話したんだ』
「頼みたいこと?何ですか?」
『実は今度うちの会社で新しい入浴剤を発売しようと思ってるんだが、使ってみた感想が欲しいんだ』
「入浴剤、ですか」
『女性をターゲットにした商品だから、アコに頼みたいと思ってるんだが』
「・・・・先輩の会社の方はどうなんですか?」
『うちの女性社員は皆開発に関わってるんで、どうしても率直な感想が聞けないんだ』
・・・・・・・ちょっと悩むけど、
そういう事情なら仕方ないか、と思う。
「そういうことでしたら・・・・私でよければ、お受けします」
この間のこともあるし。
それくらいなら、協力しても。
そう答えれば、
『そうか!助かる、有難う』
嬉しそうな声が返って来た。
・・・・・・・・・こっちまで嬉しくなっちゃう。
『俺はまだ諦めてない。もう1度、俺と付き合ってくれないか、アコ』
あの時そう言われて、私は数分迷った後、
『私は・・・・そのつもりはもうありません。申し訳ありません、が』
辛うじてそれだけ答えた。
けれど、
『まあ、そう言われるだろうとは思った。気長に口説かせてもらうさ』
そんな風に言われて、
何も答えることが出来なくなった。
支払いはいい、と言う先輩に少しだけお金を渡せたけど。
・・・・・・あれだけの金額、払ってもらったからには次食事に誘われたりしたら断れない。
何であの時承諾しちゃったんだろう、私。
・・・・・・・・でも美味しかったな。
料理も、ザッハトルテも。
社長、か。
会社を立ち上げて、大きくするなんて大変だっただろうな。
その中で魅力的な人とは出会えなかったんだろうか。
18年の想いなんて。
・・・・・・・・・・・・・時効でしょ。
そもそもどうしてシャンクス先輩のような人が私を好きになってくれたのか、わからない。
先輩が告白してくれなかったら、臆病な私は一生縁がなかったと思う。
付き合って半年くらいたった頃に1度だけ聞いたことがある。
どうして私を選んでくれたんですか、と。
結局答えてはくれなかったけど。
いつも、そう。
肝心なことは答えてくれない。
思い出す、頭の上のぬくもり。
私が先輩のことを好きになった、あの時。
今でも思い出せる。
・・・・・・・・・・・・・・あれからずっと好きなんて。
そんな想いなんて、
・・・・・・・・・・・・・・・時効、でしょ?
+時効でしょ? 終+