何度でも、君と
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休みの日にまったりとテレビを見ていたら、携帯が着信を知らせた。
ディスプレイに表示された名前は、
『実家』
「もしもーし」
その文字に安心して出れば、
「あ、アコ?今大丈夫?」
数ヶ月ぶりの母の声。
「うん、今日休み」
「あら、ちょうど良かった。元気にしてる?今度の連休でも帰ってきなさいよ近いんだから」
「わかってるってば。それで何かあった?」
いつもと同じ母の口調からどうせたいしたことじゃないんだろうな、と思っていた私に、
「そうそう、こないだシャンクス君からうちに電話があってね」
突如落とされた爆弾。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・え」
今1番聞きたくなかった名前。
「アコと連絡取りたいって言うからあんたの携帯番号教えといたわよ」
「ええええええ!!!??」
母さん何てことを!!
「懐かしい名前で驚いたわよー。ねえちょっと、独身らしいじゃない?もう1回付き合っちゃえば?」
さらりと言ってのける母さんに私は猛反発。
「冗談じゃないってば!先輩とはもう終わったの」
「とか何とか言って、まだ好きなんじゃないのー?」
「電話切るよ母さん」
「まあまあ、とにかくそういうことだから」
「・・・・・・・・・・・はーい」
電話を切って、
ため息。
そりゃ私もお年頃だからそういう話が出てくるのもわかるけど。
・・・・・・・・・相手がおかしい。
ていうかもしかして電話かかってきたりするかも。
どうしよう。
知らない番号からの着信に出なきゃいいだけなんだけど、今日は携帯を新しくする友達からも電話がかかってくる約束で。
『知らない番号だからってシカトしないでよー?』
そう言って笑った友達の笑顔が脳裏に蘇る。
・・・・・・・・・・・大丈夫だよね?
今日先輩からかかってくるとも限らないし。
友達からの電話だったら出ない訳にいかないし。
落ち着かない午後。
お昼にパスタを食べて、紅茶を飲みながら雑誌をめくる。
・・・・・・・・・・・・・ホント、落ち着かない。
ちら、と携帯を見るも何も変化はない。
と、
登録されていない番号用の着信音が鳴り出した。
ディスプレイにも名前の表示はなく、ただ知らない番号のみだ。
「・・・・・・・・もしもし」
意を決して通話ボタンを押した。
お願い、友達であって。
『アコか?』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シャンクス、先輩ですか」
私の切なる願いは虚しく、電話から聞こえた声は男のもの。
そしてそれはこないだ聞いたばかりの声。
『ああ、そうだ。今大丈夫か?実家に電話したら携帯番号教えてくれたんで、かけてみたんだが』
「何で実家の電話番号なんか知ってたんですか?」
同級生でもあるまいし。
『アコの時の卒業アルバム持ってるからな、俺は』
「何で!?」
何で1個年上であるシャンクス先輩が私の学年の卒アル持ってるの!?
『数年前にちょっとしたツテで、手に入れることが出来たんだ』
「どんなツテですかそれ。ていうか何で、そんなこと」
『それより、これから会えないか?』
シャンクス先輩は私の質問には答えてくれない。
・・・・・・・・・そういうとこも、変わらないなあと思う。
でも私だって、もうあの時の私じゃない。
もう随分年をとった。
「どういった経緯で私の連絡先を入手したのかも教えてくれない人とは会いたくありません」
「ならアコが俺と会ってくれるなら話そう」
・・・・・・・・そう来たか。
「じゃあ先輩も2、3人声かけてください。私も繋がりありそうな友達に電話してみ、『2人きりで会いたいんだ』」
・・・・・・・・私普段の行い悪くないはずなんだけど。
本気で最近の自分の行動を思い返してみる。
何だってこんなに上手くいかないのかな。
「嫌、です」
『・・・・・・・そんなに俺が嫌いか?』
電話だから、先輩が今どんな顔をしてるのかはわからない。
でも無機質な機械から聞こえるその声は、何処か悲しそうに聞こえた。
・・・・・・・でも、だって。
どんな顔して会えばいいかわからない。
付き合ってたのはもう昔のことで。
浮気のことももう根に持ってる訳じゃない。
だから皆と一緒なら、って思ったんだけど。
「・・・・とにかく今日は駄目なんで、またの機会に、すみません」
『・・・・・・・わかった。じゃあ1つだけ聞かせてくれ。今どんな仕事をしてるんだ?』
「・・・・・・・・家庭教師、です」
『アコらしいな。・・・忙しいところ、すまなかった』
「いえ」
それから静かに通話を切った。
「・・・・・・・・・・・やだなあ、もう」
嫌なのは、自分。
2人きりだってなんだって会えばいい。
会いたいって言ってくれるなら、会って懐かしい話でもすればいい。
どんな顔でだって、会っちゃって、それで終わりにすれば、いいのに。
まだ怖がりな私が、本当は1番嫌いだ。
+やだなあ、もう 終+
ディスプレイに表示された名前は、
『実家』
「もしもーし」
その文字に安心して出れば、
「あ、アコ?今大丈夫?」
数ヶ月ぶりの母の声。
「うん、今日休み」
「あら、ちょうど良かった。元気にしてる?今度の連休でも帰ってきなさいよ近いんだから」
「わかってるってば。それで何かあった?」
いつもと同じ母の口調からどうせたいしたことじゃないんだろうな、と思っていた私に、
「そうそう、こないだシャンクス君からうちに電話があってね」
突如落とされた爆弾。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・え」
今1番聞きたくなかった名前。
「アコと連絡取りたいって言うからあんたの携帯番号教えといたわよ」
「ええええええ!!!??」
母さん何てことを!!
「懐かしい名前で驚いたわよー。ねえちょっと、独身らしいじゃない?もう1回付き合っちゃえば?」
さらりと言ってのける母さんに私は猛反発。
「冗談じゃないってば!先輩とはもう終わったの」
「とか何とか言って、まだ好きなんじゃないのー?」
「電話切るよ母さん」
「まあまあ、とにかくそういうことだから」
「・・・・・・・・・・・はーい」
電話を切って、
ため息。
そりゃ私もお年頃だからそういう話が出てくるのもわかるけど。
・・・・・・・・・相手がおかしい。
ていうかもしかして電話かかってきたりするかも。
どうしよう。
知らない番号からの着信に出なきゃいいだけなんだけど、今日は携帯を新しくする友達からも電話がかかってくる約束で。
『知らない番号だからってシカトしないでよー?』
そう言って笑った友達の笑顔が脳裏に蘇る。
・・・・・・・・・・・大丈夫だよね?
今日先輩からかかってくるとも限らないし。
友達からの電話だったら出ない訳にいかないし。
落ち着かない午後。
お昼にパスタを食べて、紅茶を飲みながら雑誌をめくる。
・・・・・・・・・・・・・ホント、落ち着かない。
ちら、と携帯を見るも何も変化はない。
と、
登録されていない番号用の着信音が鳴り出した。
ディスプレイにも名前の表示はなく、ただ知らない番号のみだ。
「・・・・・・・・もしもし」
意を決して通話ボタンを押した。
お願い、友達であって。
『アコか?』
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・シャンクス、先輩ですか」
私の切なる願いは虚しく、電話から聞こえた声は男のもの。
そしてそれはこないだ聞いたばかりの声。
『ああ、そうだ。今大丈夫か?実家に電話したら携帯番号教えてくれたんで、かけてみたんだが』
「何で実家の電話番号なんか知ってたんですか?」
同級生でもあるまいし。
『アコの時の卒業アルバム持ってるからな、俺は』
「何で!?」
何で1個年上であるシャンクス先輩が私の学年の卒アル持ってるの!?
『数年前にちょっとしたツテで、手に入れることが出来たんだ』
「どんなツテですかそれ。ていうか何で、そんなこと」
『それより、これから会えないか?』
シャンクス先輩は私の質問には答えてくれない。
・・・・・・・・・そういうとこも、変わらないなあと思う。
でも私だって、もうあの時の私じゃない。
もう随分年をとった。
「どういった経緯で私の連絡先を入手したのかも教えてくれない人とは会いたくありません」
「ならアコが俺と会ってくれるなら話そう」
・・・・・・・・そう来たか。
「じゃあ先輩も2、3人声かけてください。私も繋がりありそうな友達に電話してみ、『2人きりで会いたいんだ』」
・・・・・・・・私普段の行い悪くないはずなんだけど。
本気で最近の自分の行動を思い返してみる。
何だってこんなに上手くいかないのかな。
「嫌、です」
『・・・・・・・そんなに俺が嫌いか?』
電話だから、先輩が今どんな顔をしてるのかはわからない。
でも無機質な機械から聞こえるその声は、何処か悲しそうに聞こえた。
・・・・・・・でも、だって。
どんな顔して会えばいいかわからない。
付き合ってたのはもう昔のことで。
浮気のことももう根に持ってる訳じゃない。
だから皆と一緒なら、って思ったんだけど。
「・・・・とにかく今日は駄目なんで、またの機会に、すみません」
『・・・・・・・わかった。じゃあ1つだけ聞かせてくれ。今どんな仕事をしてるんだ?』
「・・・・・・・・家庭教師、です」
『アコらしいな。・・・忙しいところ、すまなかった』
「いえ」
それから静かに通話を切った。
「・・・・・・・・・・・やだなあ、もう」
嫌なのは、自分。
2人きりだってなんだって会えばいい。
会いたいって言ってくれるなら、会って懐かしい話でもすればいい。
どんな顔でだって、会っちゃって、それで終わりにすれば、いいのに。
まだ怖がりな私が、本当は1番嫌いだ。
+やだなあ、もう 終+