自由を求めて三千里
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散々言われた。
ベンさんにも、トレバーさんにも。
『お頭は1度決めたら一筋縄じゃいかないぞ』と。
だから、いろんな覚悟を決めて行った。
今まで以上に冷たくされるかも、
無視されるかも、
もしかしたら・・・・殴られるかも。
本当は逃げたくて仕方なかった。
怖くて怖くて、
でもここに居たいと思うから、逃げたくなかった。
だからノックもしないで勢いでドアを開けて、
飛び込んだ。
・・・・・・船長さんの目を見て、
大丈夫だと思った。
『人と話しをする時は目を見なさい。大事なことならば、尚更』
母からもらった、覚えてる言葉の1つ。
自分の気持ちを伝える為にも、
相手の気持ちを見極める為にも。
大事なことなんだと、
今更ながらに思った。
良かった、船長さんの目を見て話すことが出来て。
船長さんの目は、
まだ私を見てくれてた。
私を見て、
一瞬だったけど心が見えた。
新しい覚悟が出来た。
どんなに拒否されても、
冷たくされても、
怒鳴られても、
嫌われても諦めない覚悟。
紙に綴られた名前は、
・・・・・・・仲間。
私には仲間が居てくれるから。
「良かっ・・・・・たぁぁぁ」
はーっと息を深く吐くと、
同時に身体の力が抜けた。
「アコ?」
「はい?」
船長さんの不思議そうな声にしゃきっと身体に力を入れると、
「・・・・アコでもそんな風に泣くんだな」
・・・・・・・いつの間にか頬を伝う冷たい涙。
でもこれは、
「・・・・嬉し涙、ですかね。ていうか船長さん私を何だと思ってるんですか。私だって泣きますよ」
「あァ、すまん。だが・・・・珍しいと思ってな」
「・・・・・・ですね」
初めてこの船で泣いたのはお別れの時。
人前であんまり泣かない私にとって結構大事件だ。
あぁ、恥ずかしい。
なんて思っていたら、
船長さんが私の方に歩いてきて、
「う」
片腕に閉じ込められた。
「・・・・・・こんなに可愛いのになァ、アコは」
「へ?」
「ベンが、アコ程恐ろしい女を見たことがねェって言うもんでよ」
しみじみ呟く船長さんに何事かと問えばこんな答えが返って来た。
はて。
・・・・・何かしたっけ、ベンさんに。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ。
「あ・・・・・もしかして、それは」
「ん?」
「ベンさんに署名を頼みに行った時のこと・・・かもです」
「何て言ったんだ?」
「・・・・・えっと」
『ベンさん!これに署名お願いしたいんですけど』
『・・・・・署名?』
『私がこの船に残る為にです』
ベンさんは吸っていた煙草を消して、
『一応言っておく。俺がお頭に薦めたんだ、手放せ、と』
そう言った。
・・・・・正直な人だなあと思った。
言わなきゃわかんないのに。
『でも決めたのは船長さんですよね』
『・・・・・そうだが。俺が名前を書くと思うか?』
『そこを何とかなりませんかね』
『悪く思わないでもらいたいんだがな・・・・俺はアンタが居ない方が平和だ』
『そうなんですか?』
『頭が迷う、あんたが居ると』
『でも私が居ないと洗濯掃除皆さんでやらないといけないから他の方からブーイング出るでしょうね』
『・・・・・・元々やっていたことだ』
『私、船降ろされたら真っ先に海軍行きます。そんで赤髪海賊団の人間ですって言います』
『何を言いたいんだ、お嬢さん』
『人質に取られたら船長さんは助けに来てくれるでしょうね』
もう仲間じゃない。
そう突き放されてもきっと来る。
私はそう思ってる。
『・・・・・そうだな、行くだろうなあの馬鹿は』
『それに少しの迷いくらいいいじゃないですか』
『簡単に言ってくれるな』
『人間らしい方がお仲間さんも安心しますよきっと。それに船長さんならきっとすぐ乗り越えます』
どんな迷いも、
あの真っ直ぐな瞳と笑顔で。
『だから俺に名前を書けと?』
『私が居なくなったら船長さんは後悔します、きっと。私色々やらかすつもりなんで』
『海賊を脅すつもりか?』
『脅しはしません。・・・・・お願いします』
深く、頭を下げた。
私にはそれしか出来なかった。
「だっはっは!!ベンを脅すとはやるなァアコ」
「や、決して脅したつもりは・・・・!」
そんな滅相もない!
「だが・・・・そうだな、確かに後悔するとこだった」
「ほんとですか?」
「ああ。ガラにもなく色々考えちまった」
「色々?」
船長さんは私に苦笑して、
「無理やり手に入れた、と思ってたんでな。いつか逃げられるだろうと思っていた」
「・・・・・・えええええ」
「嫉妬もする、海賊の名を背をわせる。全部、アコにとって苦痛だろう」
言いながら船長さんは優しく頭を撫でてくれた。
うん、やっぱり落ち着く。
「もっと早く言えば良かったですね、私が」
親が海賊だってことも、
船長さんのことを好きだってことも。
「そういや抱きしめたりキスすると震えてただろう、あれは嫌だったからじゃないのか?」
「ぞれは・・・・・だって慣れてないですもん、緊張、とか」
しますよ。
「・・・・緊張、だったのか」
「だって色々初めてですし・・・・・!」
「・・・・・・全然思いつかなかった、そんなこと」
「あの・・・・・・」
ここまで来たら、
言うしかない。
「アコ?どうした?」
「えーっと、ですね。色々言わなかった私も悪いんで、またいきなりは無理だと思うんで」
「・・・・・・何の話しだ?」
「その、いきなり恋人に戻って下さいとは言いませんので・・・仲間として・・・シャンクス、って呼んでもいいですか?」
どきどきどきどき。
本当はずっと、言いたかった。
シャンクス、って。
でもいきなりそう呼ぶ勇気も、
呼んでいいですかって聞く勇気もなかったし。
何よりいろんなことが初めてで、
頭が追いついてなかった。
「残念だな」
その言葉と同時に、腕の力が強くなった。
胸元に押し付けられる顔。
「へ?」
「俺はもう恋人に戻ったと思っていたんだが」
「い・・・・・いいんですか?」
「勿論だ」
顔をあげたら本当に嬉しそうな、
そして何処か照れくさそうなシャンクスが居て、
私も嬉しくなった。
さあ、これからが恋人の始まりだ。
+さあ、これからが 終+
ベンさんにも、トレバーさんにも。
『お頭は1度決めたら一筋縄じゃいかないぞ』と。
だから、いろんな覚悟を決めて行った。
今まで以上に冷たくされるかも、
無視されるかも、
もしかしたら・・・・殴られるかも。
本当は逃げたくて仕方なかった。
怖くて怖くて、
でもここに居たいと思うから、逃げたくなかった。
だからノックもしないで勢いでドアを開けて、
飛び込んだ。
・・・・・・船長さんの目を見て、
大丈夫だと思った。
『人と話しをする時は目を見なさい。大事なことならば、尚更』
母からもらった、覚えてる言葉の1つ。
自分の気持ちを伝える為にも、
相手の気持ちを見極める為にも。
大事なことなんだと、
今更ながらに思った。
良かった、船長さんの目を見て話すことが出来て。
船長さんの目は、
まだ私を見てくれてた。
私を見て、
一瞬だったけど心が見えた。
新しい覚悟が出来た。
どんなに拒否されても、
冷たくされても、
怒鳴られても、
嫌われても諦めない覚悟。
紙に綴られた名前は、
・・・・・・・仲間。
私には仲間が居てくれるから。
「良かっ・・・・・たぁぁぁ」
はーっと息を深く吐くと、
同時に身体の力が抜けた。
「アコ?」
「はい?」
船長さんの不思議そうな声にしゃきっと身体に力を入れると、
「・・・・アコでもそんな風に泣くんだな」
・・・・・・・いつの間にか頬を伝う冷たい涙。
でもこれは、
「・・・・嬉し涙、ですかね。ていうか船長さん私を何だと思ってるんですか。私だって泣きますよ」
「あァ、すまん。だが・・・・珍しいと思ってな」
「・・・・・・ですね」
初めてこの船で泣いたのはお別れの時。
人前であんまり泣かない私にとって結構大事件だ。
あぁ、恥ずかしい。
なんて思っていたら、
船長さんが私の方に歩いてきて、
「う」
片腕に閉じ込められた。
「・・・・・・こんなに可愛いのになァ、アコは」
「へ?」
「ベンが、アコ程恐ろしい女を見たことがねェって言うもんでよ」
しみじみ呟く船長さんに何事かと問えばこんな答えが返って来た。
はて。
・・・・・何かしたっけ、ベンさんに。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ。
「あ・・・・・もしかして、それは」
「ん?」
「ベンさんに署名を頼みに行った時のこと・・・かもです」
「何て言ったんだ?」
「・・・・・えっと」
『ベンさん!これに署名お願いしたいんですけど』
『・・・・・署名?』
『私がこの船に残る為にです』
ベンさんは吸っていた煙草を消して、
『一応言っておく。俺がお頭に薦めたんだ、手放せ、と』
そう言った。
・・・・・正直な人だなあと思った。
言わなきゃわかんないのに。
『でも決めたのは船長さんですよね』
『・・・・・そうだが。俺が名前を書くと思うか?』
『そこを何とかなりませんかね』
『悪く思わないでもらいたいんだがな・・・・俺はアンタが居ない方が平和だ』
『そうなんですか?』
『頭が迷う、あんたが居ると』
『でも私が居ないと洗濯掃除皆さんでやらないといけないから他の方からブーイング出るでしょうね』
『・・・・・・元々やっていたことだ』
『私、船降ろされたら真っ先に海軍行きます。そんで赤髪海賊団の人間ですって言います』
『何を言いたいんだ、お嬢さん』
『人質に取られたら船長さんは助けに来てくれるでしょうね』
もう仲間じゃない。
そう突き放されてもきっと来る。
私はそう思ってる。
『・・・・・そうだな、行くだろうなあの馬鹿は』
『それに少しの迷いくらいいいじゃないですか』
『簡単に言ってくれるな』
『人間らしい方がお仲間さんも安心しますよきっと。それに船長さんならきっとすぐ乗り越えます』
どんな迷いも、
あの真っ直ぐな瞳と笑顔で。
『だから俺に名前を書けと?』
『私が居なくなったら船長さんは後悔します、きっと。私色々やらかすつもりなんで』
『海賊を脅すつもりか?』
『脅しはしません。・・・・・お願いします』
深く、頭を下げた。
私にはそれしか出来なかった。
「だっはっは!!ベンを脅すとはやるなァアコ」
「や、決して脅したつもりは・・・・!」
そんな滅相もない!
「だが・・・・そうだな、確かに後悔するとこだった」
「ほんとですか?」
「ああ。ガラにもなく色々考えちまった」
「色々?」
船長さんは私に苦笑して、
「無理やり手に入れた、と思ってたんでな。いつか逃げられるだろうと思っていた」
「・・・・・・えええええ」
「嫉妬もする、海賊の名を背をわせる。全部、アコにとって苦痛だろう」
言いながら船長さんは優しく頭を撫でてくれた。
うん、やっぱり落ち着く。
「もっと早く言えば良かったですね、私が」
親が海賊だってことも、
船長さんのことを好きだってことも。
「そういや抱きしめたりキスすると震えてただろう、あれは嫌だったからじゃないのか?」
「ぞれは・・・・・だって慣れてないですもん、緊張、とか」
しますよ。
「・・・・緊張、だったのか」
「だって色々初めてですし・・・・・!」
「・・・・・・全然思いつかなかった、そんなこと」
「あの・・・・・・」
ここまで来たら、
言うしかない。
「アコ?どうした?」
「えーっと、ですね。色々言わなかった私も悪いんで、またいきなりは無理だと思うんで」
「・・・・・・何の話しだ?」
「その、いきなり恋人に戻って下さいとは言いませんので・・・仲間として・・・シャンクス、って呼んでもいいですか?」
どきどきどきどき。
本当はずっと、言いたかった。
シャンクス、って。
でもいきなりそう呼ぶ勇気も、
呼んでいいですかって聞く勇気もなかったし。
何よりいろんなことが初めてで、
頭が追いついてなかった。
「残念だな」
その言葉と同時に、腕の力が強くなった。
胸元に押し付けられる顔。
「へ?」
「俺はもう恋人に戻ったと思っていたんだが」
「い・・・・・いいんですか?」
「勿論だ」
顔をあげたら本当に嬉しそうな、
そして何処か照れくさそうなシャンクスが居て、
私も嬉しくなった。
さあ、これからが恋人の始まりだ。
+さあ、これからが 終+