自由を求めて三千里
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朝、ご飯を食べようと食堂に行ったらトレバーさんが居た。
「あ、トレバーさーん!」
手を振ったら思いっきり嫌な顔で目を逸らされた。
・・・・・・・ので、
思い切って隣に座ってみた。
「おはようございます!そして頂きます!」
「・・・・・・・・お前、あの後お頭とはどうなんだ」
パンにかじりつきながら、お話し。
「それが見事に避けられてるんですよねー」
「だろうな」
「ま、気にしてませんけどね。船降りるつもりは毛頭ないし」
それにトレバーさんや、
他の皆が側に居てくれるから寂しくもない。
もっと皆に冷たくされるかと思ってたんだけど全然違う。
・・・・・・皆、優しい。
「あのな、一応俺はお前を説得するようにお頭に頼まれたんだぞ」
「え?そうなんですか?」
「俺が言や納得するんだそーだ」
「じゃあ説得してみて下さいよ」
「俺は無駄だとわかってることはしたくない」
「えーでも一応」
トレバーさんは隣でものすごく大きいため息を吐いてから、
「お前がちゃんと好きとか言わねーから飽きられたんだ、自業自得だ諦めて船降りろ」
「嫌ですけど」
答えた瞬間ものすごい顔で睨まれた。
「・・・・・・・時間の無駄じゃねーか」
「だって私たぶん飽きられてないですもん」
「・・・・・・・・飽きた、って言われたんじゃねえのかよ」
「言われましたよ。でも私納得してないです、船長さんのあの態度に」
だから絶対降りたくない。
確かに、飽きた。そう言った時の船長さんの目は冷たかったけど。
「この間もそんなこと言ってたな・・・・どういうことだ?」
「・・・・・・・だって船長さんあの時、」
あの時、私に。
「直前に私を抱きしめてキスしたんですよ?船を降ろす程飽きてる女にそういうことします?」
「する場合もあるだろ」
・・・・・・・・う。
すんなりトレバーさんに肯定されてちょっと言葉に詰まった。
・・・・・・そりゃ確かに私は恋愛経験とかないし、あるのかもしれないけど。
「でも・・・・あの時の船長さんの顔は言葉とは裏腹でした」
「思い違いとか勘違いだな」
「・・・・・・トレバーさん極悪非道」
「海賊だからいい」
「でも私は諦めませんからね。いくら何でも飽きるの早すぎですよ!失礼ですっ」
ちゃんと好きだと伝えなかった私にも非はあるけど。
それにしたって短すぎる。
「お前は俺に何をさせたかったんだ」
「船長さんに責められても説得はしたけど駄目だったって言えるじゃないですか」
「つまりお前は俺を情けない男に仕立て上げたかったのか?」
「・・・・・・・・・・あ。そういうことになります?」
「なる」
「・・・・・・ごめんなさい」
失敗した。
でもとレバーさんは全然怒ってなくて、
それどころか、
「そんなことよりお前、どうなってんだアレは」
私の心配をしてくれる。
「あ、おかげさまで順調です。明日くらいには行けるかと」
「・・・・・・・・・・そうか」
「有り難う御座います。色々と」
「後のことは知らんからな俺は」
「十分です。嬉しいです」
仲間として、トレバーさんは色々してくれた。
だからあとは本当に、私次第。
・・・・・・・・・・・よっし!
「ご飯おかわり行ってきます!」
「・・・・・・・・・太って嫌われんぞ」
「・・・・・・・・・トレバーさんほんとひどい」
感謝はしてますけどね!
「決めたらしいな、次の島で降ろすと」
「ああ、決めた。アコはまだ納得はしてねェみてェだが」
ベンがいきなり部屋に入ってきたと思えば、
アコの話しか。
・・・・・・正直聞きたくはない。
「だろうな。あのお嬢さんは恐ろしい」
「恐ろしい?何かあったのかアコと」
聞きたくないと思いながらも、
つい興味をそそられる。
・・・・・・・・情けねェなァ。
「近々わかると思うがな。あんな恐ろしい女は見たことがないぜ俺は」
「・・・・・・・おい、ベン」
もったいぶるベンに首を傾げながら、
「副船長として言わせてもらうなら、後悔しないようにすることだな」
・・・・・・・煙草をくゆらせながら出て行った。
何だありゃ。
ベンの言葉の意味を知ったのは、
次の日の昼過ぎだった。
最近ずっとアコを避けてきた。
アコも俺の部屋に顔を出そうとはしなかったし、
それでいいと思ってた。
そのまま別れればいい。
俺を憎んで去ればいい。
そう思っていた最中のことだった。
バン!と勢い良くドアが開いたかと思えば、
アコが俺を睨みつけながら入ってきた。
「お話しがあります!」
「・・・・・・聞く気はない。出てけ」
冷静を装って返すも、
「いいえ、聞いてもらいます!」
アコは堂々と言い放つ。
「私今まで2回程船長さんにお話ししたいことがあったんですよ。でも、船長さんのお話しとかぶってしまったので」
・・・・・・初めて聞いた。
ってことは船を降りる降りないは関係なさそうだ。
それでもなるべく早くここから追い出さなければ、と焦る。
久しぶりにゆっくりと顔を見れば辛くなるだけだ。
「もう船を降りることは決まってる。何も話す必要はないだろう」
「じゃあこれ見て下さい」
バン、と机の上に置かれた紙の束。
「・・・・・・・・・・・・これ、は」
目を通して驚いた。
そこに書かれていたのは、
恐らく船にいるクルー全員の名前。
「署名です」
「署名?」
「私にこの船に居て欲しい、って思ってくれてる人の」
紙には、
トレバーを筆頭に、
ヤソップ、ルゥに・・・・・ベンの名前までありやがる。
「私がもう仲間でないとおっしゃるなら、船長さんが仲間と思ってる方の力を借りようと思って」
真っ直ぐに俺を見つめる視線が、痛ェ。
「よくまぁこれだけ集めたもんだ」
「トレバーさんやベンさんが協力してくれました。もしこれで駄目でも諦めません」
「アコ」
がしがしと頭を掻く。
・・・・・・・・・俺は、どうしたらいい。
「どんな手を使っても潜り込みます」
「・・・・・・・・アコがここまでするとは思わなかった」
「やりますよ。もう逃げません。戦います。・・・私にはこれだけの仲間が居てくれますから」
アコが俺の仲間を、
『仲間』と認めた。
俺の仲間がアコを『仲間』と認めた。
アコが自分の意志でここに居たいと言っている。
でもそれはアイツらのおかげだろうな。
「諦めません。船長さんのことが好きだから。・・・・側に居たいので」
・・・・・・・・・・・・・・・・今、
「アコ?今、」
「飽きたんだとしてもまた好きになってもらえるように頑張りますから!」
・・・・・俺のことが好きだと、
確かに言った。
「俺達は海賊だ。わかってるのか?」
「その点は大丈夫です!私元々海賊ですし」
「・・・・・・・・・・・・・何だって?」
元々海賊?
「あ、元々って言っても両親が海賊なだけなんですけどね。でも覚悟はちゃんと出来てますし度胸もありますよ私」
アコに度胸があるのは知ってる。
が。
「両親は海賊に殺されたって言ってなかったか?」
「そうですよ。海賊だったんで、強い同業者にやられました」
私はほとんど記憶ないんですけどね、とアコは苦笑する。
「・・・・自由になりたいんじゃないのか?俺の側じゃ自由になれんだろう」
それでもまだ睨みつける俺に、アコはにっこりと笑った。
「私、家出した時に思ったんですけど、私にとって落ち着ける私の居場所がないと駄目なんです」
「それがこの船、か?」
「はい。船であり船長さんの隣です。だって嫌な場所だったら次のとこ探さないといけないし」
「トレバーと話すな。船長命令。・・・・・これでも自由か?」
「・・・・え、っと、もしそれがヤキモチなら船長さんが妬かないくらい頑張って愛情お伝えします」
必死なアコが可愛くて、
・・・・・・もう気持ちは決まっているのに意地悪したくなった。
「それでも船から降ろす」
「じゃあ私海軍になります。そして会いに来ます」
「・・・・・・・・・・っは、ははは!確かにベンの言った通りだ」
恐ろしい。
そして、愛おしい。
「え、ベンさんが何か!?」
「・・・・・・・いや、こっちの話だ。それより、アコ」
「・・・・・・・・・・はい」
「この署名に名前を1つ加えてくれ。・・・・シャンクス、と」
「・・・・・・・・・・・っはい!!」
笑ったアコに、
勝てないモンだなァ、と俺も笑った。
+やったるで 終+
「あ、トレバーさーん!」
手を振ったら思いっきり嫌な顔で目を逸らされた。
・・・・・・・ので、
思い切って隣に座ってみた。
「おはようございます!そして頂きます!」
「・・・・・・・・お前、あの後お頭とはどうなんだ」
パンにかじりつきながら、お話し。
「それが見事に避けられてるんですよねー」
「だろうな」
「ま、気にしてませんけどね。船降りるつもりは毛頭ないし」
それにトレバーさんや、
他の皆が側に居てくれるから寂しくもない。
もっと皆に冷たくされるかと思ってたんだけど全然違う。
・・・・・・皆、優しい。
「あのな、一応俺はお前を説得するようにお頭に頼まれたんだぞ」
「え?そうなんですか?」
「俺が言や納得するんだそーだ」
「じゃあ説得してみて下さいよ」
「俺は無駄だとわかってることはしたくない」
「えーでも一応」
トレバーさんは隣でものすごく大きいため息を吐いてから、
「お前がちゃんと好きとか言わねーから飽きられたんだ、自業自得だ諦めて船降りろ」
「嫌ですけど」
答えた瞬間ものすごい顔で睨まれた。
「・・・・・・・時間の無駄じゃねーか」
「だって私たぶん飽きられてないですもん」
「・・・・・・・・飽きた、って言われたんじゃねえのかよ」
「言われましたよ。でも私納得してないです、船長さんのあの態度に」
だから絶対降りたくない。
確かに、飽きた。そう言った時の船長さんの目は冷たかったけど。
「この間もそんなこと言ってたな・・・・どういうことだ?」
「・・・・・・・だって船長さんあの時、」
あの時、私に。
「直前に私を抱きしめてキスしたんですよ?船を降ろす程飽きてる女にそういうことします?」
「する場合もあるだろ」
・・・・・・・・う。
すんなりトレバーさんに肯定されてちょっと言葉に詰まった。
・・・・・・そりゃ確かに私は恋愛経験とかないし、あるのかもしれないけど。
「でも・・・・あの時の船長さんの顔は言葉とは裏腹でした」
「思い違いとか勘違いだな」
「・・・・・・トレバーさん極悪非道」
「海賊だからいい」
「でも私は諦めませんからね。いくら何でも飽きるの早すぎですよ!失礼ですっ」
ちゃんと好きだと伝えなかった私にも非はあるけど。
それにしたって短すぎる。
「お前は俺に何をさせたかったんだ」
「船長さんに責められても説得はしたけど駄目だったって言えるじゃないですか」
「つまりお前は俺を情けない男に仕立て上げたかったのか?」
「・・・・・・・・・・あ。そういうことになります?」
「なる」
「・・・・・・ごめんなさい」
失敗した。
でもとレバーさんは全然怒ってなくて、
それどころか、
「そんなことよりお前、どうなってんだアレは」
私の心配をしてくれる。
「あ、おかげさまで順調です。明日くらいには行けるかと」
「・・・・・・・・・・そうか」
「有り難う御座います。色々と」
「後のことは知らんからな俺は」
「十分です。嬉しいです」
仲間として、トレバーさんは色々してくれた。
だからあとは本当に、私次第。
・・・・・・・・・・・よっし!
「ご飯おかわり行ってきます!」
「・・・・・・・・・太って嫌われんぞ」
「・・・・・・・・・トレバーさんほんとひどい」
感謝はしてますけどね!
「決めたらしいな、次の島で降ろすと」
「ああ、決めた。アコはまだ納得はしてねェみてェだが」
ベンがいきなり部屋に入ってきたと思えば、
アコの話しか。
・・・・・・正直聞きたくはない。
「だろうな。あのお嬢さんは恐ろしい」
「恐ろしい?何かあったのかアコと」
聞きたくないと思いながらも、
つい興味をそそられる。
・・・・・・・・情けねェなァ。
「近々わかると思うがな。あんな恐ろしい女は見たことがないぜ俺は」
「・・・・・・・おい、ベン」
もったいぶるベンに首を傾げながら、
「副船長として言わせてもらうなら、後悔しないようにすることだな」
・・・・・・・煙草をくゆらせながら出て行った。
何だありゃ。
ベンの言葉の意味を知ったのは、
次の日の昼過ぎだった。
最近ずっとアコを避けてきた。
アコも俺の部屋に顔を出そうとはしなかったし、
それでいいと思ってた。
そのまま別れればいい。
俺を憎んで去ればいい。
そう思っていた最中のことだった。
バン!と勢い良くドアが開いたかと思えば、
アコが俺を睨みつけながら入ってきた。
「お話しがあります!」
「・・・・・・聞く気はない。出てけ」
冷静を装って返すも、
「いいえ、聞いてもらいます!」
アコは堂々と言い放つ。
「私今まで2回程船長さんにお話ししたいことがあったんですよ。でも、船長さんのお話しとかぶってしまったので」
・・・・・・初めて聞いた。
ってことは船を降りる降りないは関係なさそうだ。
それでもなるべく早くここから追い出さなければ、と焦る。
久しぶりにゆっくりと顔を見れば辛くなるだけだ。
「もう船を降りることは決まってる。何も話す必要はないだろう」
「じゃあこれ見て下さい」
バン、と机の上に置かれた紙の束。
「・・・・・・・・・・・・これ、は」
目を通して驚いた。
そこに書かれていたのは、
恐らく船にいるクルー全員の名前。
「署名です」
「署名?」
「私にこの船に居て欲しい、って思ってくれてる人の」
紙には、
トレバーを筆頭に、
ヤソップ、ルゥに・・・・・ベンの名前までありやがる。
「私がもう仲間でないとおっしゃるなら、船長さんが仲間と思ってる方の力を借りようと思って」
真っ直ぐに俺を見つめる視線が、痛ェ。
「よくまぁこれだけ集めたもんだ」
「トレバーさんやベンさんが協力してくれました。もしこれで駄目でも諦めません」
「アコ」
がしがしと頭を掻く。
・・・・・・・・・俺は、どうしたらいい。
「どんな手を使っても潜り込みます」
「・・・・・・・・アコがここまでするとは思わなかった」
「やりますよ。もう逃げません。戦います。・・・私にはこれだけの仲間が居てくれますから」
アコが俺の仲間を、
『仲間』と認めた。
俺の仲間がアコを『仲間』と認めた。
アコが自分の意志でここに居たいと言っている。
でもそれはアイツらのおかげだろうな。
「諦めません。船長さんのことが好きだから。・・・・側に居たいので」
・・・・・・・・・・・・・・・・今、
「アコ?今、」
「飽きたんだとしてもまた好きになってもらえるように頑張りますから!」
・・・・・俺のことが好きだと、
確かに言った。
「俺達は海賊だ。わかってるのか?」
「その点は大丈夫です!私元々海賊ですし」
「・・・・・・・・・・・・・何だって?」
元々海賊?
「あ、元々って言っても両親が海賊なだけなんですけどね。でも覚悟はちゃんと出来てますし度胸もありますよ私」
アコに度胸があるのは知ってる。
が。
「両親は海賊に殺されたって言ってなかったか?」
「そうですよ。海賊だったんで、強い同業者にやられました」
私はほとんど記憶ないんですけどね、とアコは苦笑する。
「・・・・自由になりたいんじゃないのか?俺の側じゃ自由になれんだろう」
それでもまだ睨みつける俺に、アコはにっこりと笑った。
「私、家出した時に思ったんですけど、私にとって落ち着ける私の居場所がないと駄目なんです」
「それがこの船、か?」
「はい。船であり船長さんの隣です。だって嫌な場所だったら次のとこ探さないといけないし」
「トレバーと話すな。船長命令。・・・・・これでも自由か?」
「・・・・え、っと、もしそれがヤキモチなら船長さんが妬かないくらい頑張って愛情お伝えします」
必死なアコが可愛くて、
・・・・・・もう気持ちは決まっているのに意地悪したくなった。
「それでも船から降ろす」
「じゃあ私海軍になります。そして会いに来ます」
「・・・・・・・・・・っは、ははは!確かにベンの言った通りだ」
恐ろしい。
そして、愛おしい。
「え、ベンさんが何か!?」
「・・・・・・・いや、こっちの話だ。それより、アコ」
「・・・・・・・・・・はい」
「この署名に名前を1つ加えてくれ。・・・・シャンクス、と」
「・・・・・・・・・・・っはい!!」
笑ったアコに、
勝てないモンだなァ、と俺も笑った。
+やったるで 終+