自由を求めて三千里
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船長さんの洗濯物置きついでに、
船長さんの了解を得てお部屋でお邪魔することにした。
ワクワク、ドキドキ。
数分すると、
ガチャ、とドアが開いた。
「アコ、待たせたな」
「あ、おかりえなさい」
朝ご飯を食べ終えた船長さんが帰ってきた。
「アコから来てくれるとはな・・・嬉しいもんだ」
「洗濯物はそこに置いておきました。今お時間大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ。そういや話し、とか言ってたな」
「あ、別にこれといってお話しがある訳ではないんですけど」
「けど?」
「その・・・・一緒に居たいなあって思ったんで」
同じ部屋で、同じ時間を過ごす。
・・・・・・・・そんなことをしてみたいなあって思った。
ついでに色んなお話しもしたいなあって思ったんだけど。
船長さんはそんな私を難しい顔でじっと見つめてくる。
「せ・・・・船長さん?」
「あんまりそう言うこと言ってっと、知らねェぞアコ」
「へ?」
「俺の女になったってこと、忘れてないだろうな・・・・?」
「あ、はい。それはもう」
覚悟決めましたから。
「じゃあアレか?襲って下さいってことか」
「はいいいいぃぃ!?」
お・・・・おそっ!!
「私殺されちゃうんですか!?」
「・・・・・・・そっちに行くのか」
「そっち?」
どっち?
「そうだな・・・・キスするぞ、って言えばわかるか?」
「ふぁっ!?」
どくん、と心臓が跳ねて、
思い出すのは初めて船長さんにキスされた時のこと。
「・・・・お、お手柔らかにお願いします」
「優しくはしてやるさ」
ふ、と柔らかい笑みの船長さんにやっぱり私の心臓はどぎまぎしたまま。
そっと船長さんの顔が近づいて、
まじまじと見つめていたら、
「ん、」
あっという間に唇が重なった。
軽く触れた唇はすぐに離れた、けど。
「・・・・・・・・・・・アコ」
「・・・・はい?」
船長さんの真っ直ぐな眼差しにぼーっとしながら返事をしたら、
船長さんは苦笑した。
「こういう時は目、閉じてもらいたいんだが」
「あ」
うっかり船長さんに見とれてた。
「じゃあもう1回、な」
「え、ぁ」
慌てて目を閉じた。
「・・・・・・・・っ」
ぎゅう、っと目を瞑ってその瞬間を待つけど、なかなか来ないので、
ぱちっと目を開けてみる。と。
「・・・・・・・・・・船長さん」
「・・・・っく、ぷはは!いや、悪い」
笑いを堪えようと必死な(いや若干堪え切れてないけど)船長さんの姿。
「なんで笑うんですか!」
「アコが可愛くて、ついな。そんな思い切り目ェ閉じなくてもいいんだ、アコ」
「む・・・・難しいです」
加減が!
不満を呟いた唇は、
一瞬で塞がれてしまった。
「・・・・・・・・・・また目閉じれませんでした」
「ま、そのうち慣れる。何回もするからな、アコ」
「・・・・・・はい」
幸せな、気持ち。
うん、幸せだ。
「トレバーさんにお礼言わないと、です」
「トレバー?」
「たくさん相談乗ってもらいましたから」
「・・・・・・ああ、そうだな。だが、アコ」
突然低くなった船長さんの声。
「・・・・はい?」
「もうトレバーと2人きりになるな」
「え、でも」
「もう必要ないだろう?」
「そう・・・・ですけど」
でも、そんな急に。
戸惑う私を船長さんはぐっと抱き寄せた。
「仲間とはいえ恋人が他の男と話すのは気分のいいもんじゃないからな」
顔を船長さんの胸元に押し付けられる。
「・・・・・・・・は、い」
「だから、あまり他の男とも話さないでくれ」
「わかりました・・・・!」
船長さんの鍛えられた身体に、
近い距離に、
船長さんの匂いに。
頭がくらりと揺れて。
ただそう返事するだけでいっぱいいっぱい。
それに私は、
今まで恋愛とかしたことなかったから。
そんなもんなのかな、って。
それくらいにしか思ってなかった。
「もうアコとは話すな、トレバー」
「・・・・・・・・・それは、忠告ですか?それとも」
「命令、だ」
「・・・・・・・・了解」
トレバーは顔色を変えることなく頷いた。
・・・・・・・我ながら何やってんだ、と嫌になる。
何事もなかったかのように去っていくトレバーの後姿を見ながらため息が出た。
アコにしたって、
だいぶ戸惑っていた。
そりゃそうだ。・・・・ベンに見られてたら、らしくねェと言われるだろう。
自分だってそう思うくれェだ。
何を焦ってんだ、俺は。
焦る必要はないと言い聞かせる。
・・・・・・・・それでも、
いつかアコが逃げて行きそうな気がしてる。
・・・・・・情けねェなァ。
「情けないツラだな、お頭」
「・・・・・・・・来て欲しくない時に来るのな、お前」
「アンタの都合なんか俺が知るか。そんなんじゃルーキーにでも首がとれそうだな」
「馬鹿言え。アコが泣くことはしねェよ」
「・・・・・・前言撤回。アコが絡むと無敵だよアンタは」
「当然だな」
今俺が死んでみろ。
真っ先にトレバーにアコを掻っ攫われる。
トレバーにその気がないとしても、だ。
「一応言っておく。次に着く島は平和ないい島だ、と」
「どういう意味だ、ベン」
「・・・・・・・・・さあな」
煙草を取り出しながら去っていく姿に、
かける言葉がない。
・・・・・ベンの言いたいことはわかる。
この間も言われた。
・・・・・・・・・捨てちまえ、ってことか。
そんなこと・・・・・・俺に出来るか。
「あ、トレバーさーんっ!!」
食堂に行ったらトレバーさんが居たので声をかけたら、ものすごく不機嫌そうな顔をされた。
あれ。
「・・・・・お前、俺と話すなってお頭に言われなかったのか?」
「2人きりで話すなって言われただけですよー今周りに人いっぱいいらっしゃるんで大丈夫です!」
自信満々で答えたらトレバーさんは思いっきり目の前でものすごく深いため息を吐く。
「お前な・・・・・」
「何ですか」
「お頭が哀れになってきた」
「どういう意味ですかそれ!」
あからさまな冷たい視線に苦情を言ったら、
「お前お頭に気持ち伝えてないんだろ?」
・・・・・・・・痛いとこ突かれた。
「・・・・・・・・そう、です」
「そんで今のまんまでいいと思ってんのか?」
「え・・・・・・・・・・」
ずきん、と胸が痛んだ。
「好きな奴に好きくらい言えねーでどうすんだよ」
それからトレバーさんは、ふい、と背を向けてしまった。
・・・・・・・・・正論過ぎて、返事が出来ない。
コックさんにお茶だけもらって、
部屋に戻った。
言われてみれば、私は今までこの船で甘えてきた。
・・・・・・今は、船長さんに甘えちゃってるんだなあ。
船長さんの心の広さに。
甘えすぎてた。
ちゃんと好きです、って。
・・・・・・・・・言ってなかったもんね私。
今度こそ、ちゃんと伝えよう。
次の日、
勇気を出して、
船長さんの部屋に向かった私に待ち受けていたのは、
衝撃の言葉だった。
+戸惑い 終+
船長さんの了解を得てお部屋でお邪魔することにした。
ワクワク、ドキドキ。
数分すると、
ガチャ、とドアが開いた。
「アコ、待たせたな」
「あ、おかりえなさい」
朝ご飯を食べ終えた船長さんが帰ってきた。
「アコから来てくれるとはな・・・嬉しいもんだ」
「洗濯物はそこに置いておきました。今お時間大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ。そういや話し、とか言ってたな」
「あ、別にこれといってお話しがある訳ではないんですけど」
「けど?」
「その・・・・一緒に居たいなあって思ったんで」
同じ部屋で、同じ時間を過ごす。
・・・・・・・・そんなことをしてみたいなあって思った。
ついでに色んなお話しもしたいなあって思ったんだけど。
船長さんはそんな私を難しい顔でじっと見つめてくる。
「せ・・・・船長さん?」
「あんまりそう言うこと言ってっと、知らねェぞアコ」
「へ?」
「俺の女になったってこと、忘れてないだろうな・・・・?」
「あ、はい。それはもう」
覚悟決めましたから。
「じゃあアレか?襲って下さいってことか」
「はいいいいぃぃ!?」
お・・・・おそっ!!
「私殺されちゃうんですか!?」
「・・・・・・・そっちに行くのか」
「そっち?」
どっち?
「そうだな・・・・キスするぞ、って言えばわかるか?」
「ふぁっ!?」
どくん、と心臓が跳ねて、
思い出すのは初めて船長さんにキスされた時のこと。
「・・・・お、お手柔らかにお願いします」
「優しくはしてやるさ」
ふ、と柔らかい笑みの船長さんにやっぱり私の心臓はどぎまぎしたまま。
そっと船長さんの顔が近づいて、
まじまじと見つめていたら、
「ん、」
あっという間に唇が重なった。
軽く触れた唇はすぐに離れた、けど。
「・・・・・・・・・・・アコ」
「・・・・はい?」
船長さんの真っ直ぐな眼差しにぼーっとしながら返事をしたら、
船長さんは苦笑した。
「こういう時は目、閉じてもらいたいんだが」
「あ」
うっかり船長さんに見とれてた。
「じゃあもう1回、な」
「え、ぁ」
慌てて目を閉じた。
「・・・・・・・・っ」
ぎゅう、っと目を瞑ってその瞬間を待つけど、なかなか来ないので、
ぱちっと目を開けてみる。と。
「・・・・・・・・・・船長さん」
「・・・・っく、ぷはは!いや、悪い」
笑いを堪えようと必死な(いや若干堪え切れてないけど)船長さんの姿。
「なんで笑うんですか!」
「アコが可愛くて、ついな。そんな思い切り目ェ閉じなくてもいいんだ、アコ」
「む・・・・難しいです」
加減が!
不満を呟いた唇は、
一瞬で塞がれてしまった。
「・・・・・・・・・・また目閉じれませんでした」
「ま、そのうち慣れる。何回もするからな、アコ」
「・・・・・・はい」
幸せな、気持ち。
うん、幸せだ。
「トレバーさんにお礼言わないと、です」
「トレバー?」
「たくさん相談乗ってもらいましたから」
「・・・・・・ああ、そうだな。だが、アコ」
突然低くなった船長さんの声。
「・・・・はい?」
「もうトレバーと2人きりになるな」
「え、でも」
「もう必要ないだろう?」
「そう・・・・ですけど」
でも、そんな急に。
戸惑う私を船長さんはぐっと抱き寄せた。
「仲間とはいえ恋人が他の男と話すのは気分のいいもんじゃないからな」
顔を船長さんの胸元に押し付けられる。
「・・・・・・・・は、い」
「だから、あまり他の男とも話さないでくれ」
「わかりました・・・・!」
船長さんの鍛えられた身体に、
近い距離に、
船長さんの匂いに。
頭がくらりと揺れて。
ただそう返事するだけでいっぱいいっぱい。
それに私は、
今まで恋愛とかしたことなかったから。
そんなもんなのかな、って。
それくらいにしか思ってなかった。
「もうアコとは話すな、トレバー」
「・・・・・・・・・それは、忠告ですか?それとも」
「命令、だ」
「・・・・・・・・了解」
トレバーは顔色を変えることなく頷いた。
・・・・・・・我ながら何やってんだ、と嫌になる。
何事もなかったかのように去っていくトレバーの後姿を見ながらため息が出た。
アコにしたって、
だいぶ戸惑っていた。
そりゃそうだ。・・・・ベンに見られてたら、らしくねェと言われるだろう。
自分だってそう思うくれェだ。
何を焦ってんだ、俺は。
焦る必要はないと言い聞かせる。
・・・・・・・・それでも、
いつかアコが逃げて行きそうな気がしてる。
・・・・・・情けねェなァ。
「情けないツラだな、お頭」
「・・・・・・・・来て欲しくない時に来るのな、お前」
「アンタの都合なんか俺が知るか。そんなんじゃルーキーにでも首がとれそうだな」
「馬鹿言え。アコが泣くことはしねェよ」
「・・・・・・前言撤回。アコが絡むと無敵だよアンタは」
「当然だな」
今俺が死んでみろ。
真っ先にトレバーにアコを掻っ攫われる。
トレバーにその気がないとしても、だ。
「一応言っておく。次に着く島は平和ないい島だ、と」
「どういう意味だ、ベン」
「・・・・・・・・・さあな」
煙草を取り出しながら去っていく姿に、
かける言葉がない。
・・・・・ベンの言いたいことはわかる。
この間も言われた。
・・・・・・・・・捨てちまえ、ってことか。
そんなこと・・・・・・俺に出来るか。
「あ、トレバーさーんっ!!」
食堂に行ったらトレバーさんが居たので声をかけたら、ものすごく不機嫌そうな顔をされた。
あれ。
「・・・・・お前、俺と話すなってお頭に言われなかったのか?」
「2人きりで話すなって言われただけですよー今周りに人いっぱいいらっしゃるんで大丈夫です!」
自信満々で答えたらトレバーさんは思いっきり目の前でものすごく深いため息を吐く。
「お前な・・・・・」
「何ですか」
「お頭が哀れになってきた」
「どういう意味ですかそれ!」
あからさまな冷たい視線に苦情を言ったら、
「お前お頭に気持ち伝えてないんだろ?」
・・・・・・・・痛いとこ突かれた。
「・・・・・・・・そう、です」
「そんで今のまんまでいいと思ってんのか?」
「え・・・・・・・・・・」
ずきん、と胸が痛んだ。
「好きな奴に好きくらい言えねーでどうすんだよ」
それからトレバーさんは、ふい、と背を向けてしまった。
・・・・・・・・・正論過ぎて、返事が出来ない。
コックさんにお茶だけもらって、
部屋に戻った。
言われてみれば、私は今までこの船で甘えてきた。
・・・・・・今は、船長さんに甘えちゃってるんだなあ。
船長さんの心の広さに。
甘えすぎてた。
ちゃんと好きです、って。
・・・・・・・・・言ってなかったもんね私。
今度こそ、ちゃんと伝えよう。
次の日、
勇気を出して、
船長さんの部屋に向かった私に待ち受けていたのは、
衝撃の言葉だった。
+戸惑い 終+