3千万ベリーの恋
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「・・・・・やっば」
は、と気づくとそこはベッドの上。
必死に記憶を探る。
そうだ、確かご飯食べてるときに戦いになって。
私は部屋に連れてかれて、どうしたら役に立てるのか考えたんだ。
で、考えてるうちに眠くなっちゃったから、ベッドに横になって。
・・・・・・・・・・・・・そのまま寝た訳だ。
私は勢い良く部屋を飛び出した。
甲板に出るとたくさんの人たちがお酒を飲んで盛り上がっていた。
空は橙。夕方なのか。
「ちょ、人多すぎでしょ・・・・」
一生懸命首を回して探す。
「・・・・いたッ!」
ヤソップさんやベンさんに混じってお酒を飲んでいるシャンクスを見つけた。
でもいざとなると気まずいもので。
近づきながら様子を伺う。
「アコ、目が覚めたのか」
即効気づかれた。
やっぱ半端ないこの人。
私は俯いたまま。
「シャンクス、あの、私」
ぐ、っと拳を握る手に力が入る。
シャンクスはじっと私を見てる。
「ごめんなさい、謝っても許してもらえることじゃないですけど、でもごめんなさい!」
「何で謝るんだ?」
シャンクスは優しく笑う。
「寝てたから」
「は?」
「だって皆が命がけで戦ってたのに!私何も出来ないどころか寝てた!最低です、ごめんなさい!」
「は、・・・・・だっはっはっははは!!」
私は泣きそうになりながら謝った。
のにも関わらずだ。
シャンクスは目を丸くさせた後、何が面白いのか突然笑い出した。
ヤソップさんやベンさんは驚いてる。
「聞いたかベン、ヤソップ!面白いだろ?」
「なるほど、確かにこれは大物だ」
ベンさんは少し笑いながら酒を飲む。
え、何が。
「さすがお頭、すげえ女を連れてきたもんだ!」
楽しそうにヤソップさん。
何だ、何が起きてるんだ。
「いや、すまんすまん。だがアコが謝ることじゃないだろ?連れてこられただけなんから寝ていて構わないんだ」
「しかしですね・・・!一応3千万で買われた訳ですし!」
今シャンクスに見捨てられたら私絶対帰れない気がするし。
「あー・・・そのことなんだがな、アコ」
「・・・・はい」
やっぱりお前いらないわ、とか言われたり、するんだろうか。
私は不安に高鳴る心臓を押さえつけ、続きを待つ。
「すまん、3千万払ってないんだ」
「・・・・・・・・・・・・・はい?」
今何と?
「確かにあの時は3千万と言ったが、あそこはウチで潰したから。結果的には、な」
「つぶし、た?」
「停泊してた時に馴染みになった酒屋の知り合いの娘が売られるらしいと、で、助けてくれないかと頼まれてな」
「はあ」
「まあ飯の恩もあったしいいかと。で、潰すついでに見ていこうと思ったらアコが居た」
「へえ」
「で、つい声が出た訳だ。でもあの後すぐにうちの奴らが潰しに行ってるから」
あ、じゃああの女の子も助かったのか。
良かった。
「だから・・・アコも本当はここに居る必要はないんだ」
は、と顔をあげた。
苦笑いしながら話してるシャンクス。
「あれ、でもそしたらシャンクスはなんで私をここに?」
「・・・欲しかったからな」
「は?」
「欲しいものは奪うモンだろ?」
「あらやだ。私そんな価値ないですけど」
レジ打つくらいしか出来ないですけど。
するとシャンクスは笑いを堪えている様子。
「・・・まあアコは知らなかった訳だが、普通売られた娘は泣くか媚びるかどっちかなんだ。海賊船とあらば尚更」
「へえ、そうなんですか」
「更に買われたその日のご飯を食べれる娘さんは居ないだろうな」
「へ・・・・へえ」
「アコはどうだったか覚えてるか?」
ついに堪えきれなくなったのかシャンクスはくっ、と声を出した。
「・・・・自己紹介してお礼言ってご飯は美味しく頂きました」
「そう、しかも今朝なんか掃除してたな」
ベンさんがいらんフォローをする。
「ご飯食べる時も元気に頂きます!とか言ってたなあ」
ちょ、ヤソップさん聞いてたんすか!
「さっきもな、泣かれるか嫌われるかすると思って覚悟して部屋に行ってみたら」
「・・・・・寝てました」
「しかも起きたら寝ててごめんなさいーだもんな。今度こそここに居たくないと言われるかと思ったんだが」
むしろ逆なんですけど。
追い出されたら困るんですけど。
「気に入った」
二ィ、とシャンクスは笑った。
これでわかった、違和感の正体。
シャンクスが人買いをするというイメージがなかったんだ。
・・・・にしても、
私はどうしたらいいんでしょうかね。
+衝撃の事実 終+