自由を求めて三千里
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『本当に有り難う御座いました!皆さんもお元気で』
そう言って笑顔でアコは俺達と別れた。
「笑ってましたね、あいつ」
「・・・・・・ああ」
船番のトレバーがつまらなさそうに言ってきた。
「もっと大泣きするんじゃないかと思ってましたよ。俺は」
「そうか?俺は笑うと思っていたが」
「・・・・・・・・・さすがお頭」
「ところでトレバー、聞いたか?」
「何をです?」
俺もさっきコックから聞いたばかりで驚いているところだが。
アコらしいな、と笑みが零れた。
「二日酔いに効くスープを俺達に残して行ったそうだ、アコ手作りのな」
「・・・・・・・・・・・・は?」
怪訝な顔のトレバーに、
「朝一で厨房借りて作ってくれたみてェだな。ご丁寧にメモまで残ってたそうだ。お酒の飲み過ぎにご注意、ってな」
すべてを説明するとトレバーも他の奴らと同じような表情。
思うことはそれぞれだろう。
「・・・・・・・・・・ご苦労なこって」
「アコの手料理は初めてだからな。楽しみだ」
「毒見は?」
「必要ない」
にぃ、と笑う俺にトレバーはため息を吐いた。
・・・・・・・・・ベンに似てんなぁコイツ。
「冗談ですよ。あいつはそんな奴じゃないことくらいわかります」
「ほォ、そうか。じゃあトレバー。頼みがあるんだが」
「・・・・・・・・・・頼み?」
嫌な予感を察知したらしい。
そういうとこも、
ベンに似てるなあと思った。
「はあ」
皆さんもお元気、で。と。
笑顔でお別れが出来た。
その時は。
1人で町を歩いてる時も大丈夫だった。
これから頑張るんだ、って強い気持ちだった。
なのに。
・・・・・・・・・・・・・・・なのに。
今夜泊まれる部屋を探して、
とーっても素敵なお部屋で。
1人で居る時間がこんなにも静かで。
こんなにも・・・・・・寂しい。
でも笑ってお別れが出来て良かった。
前の日に泣いてしまったから、せめて最後は笑って別れようと決めてた。
だからちゃんと笑顔のままで。
笑顔の私でお別れが出来たことが良かったと思う。
スープ、飲んでくれたかな。
本当の母に教わった、秘伝のスープ。
辛口で二日酔いに効くのよって教えてくれた。
それが私に出来た最後のことだった。
・・・・・・・・・・・船長さんならきっと笑って、美味い、って言ってくれたんだろうな。
・・・・・・・見たかったなあ。
トレバーさんはきっと真顔。
感想聞けばきっと不味くはない、とか言うんだろう。
ベンさんは意外と細かいこと言ってそうだなあ。
ヤソップさんやルゥさんは何て言ってくれるんだろ。
考えれば考えるほど。
・・・・・・・・・・・・・・・・・寂しくなる。
胸がきゅうっとしめつけられて。
涙が、溢れる。
この静寂が、
この空気が。
私は孤独だと、知らしめる。
「・・・・・・・っふ」
溢れた涙が頬を伝った時、
私は自分の頬を両手で思い切り叩いた。
パンッ!
と小気味良い音が静かな部屋に響いた。
「・・・・・・・・うん、痛い」
痛い。
でも大丈夫。
私は、ここで生きて行くんだ。
この町で明日から、出来れば住み込みで働かせてくれるとこを探して。
頑張って、生きて行くんだ。
「慣れれば大丈夫」
きっと大丈夫。
覚悟を決めて、私は職探しの為に町に出た。
難しいのは、私の保証人が居ないこと。
マトモな職を見つけてもこんな怪しい女雇うとこはまずない。
かといって適当なとこだと何させられるかわかったもんじゃない。
・・・・・・・・・そう考えると、
あの場所がいかに幸せだったか考えちゃう。
不意に道の端に『正義』の2文字を見つけた。
それを見て私はとっさに隠れた。
海軍、だ。
「・・・・・・・・あれ?」
何で私、隠れたんだろう。
別に隠れる必要ないのに。
・・・・・・・・・・・・・・今まで私が居た場所が、海賊船だったから?
だから私今。
無意識に隠れた?
「うっわあ」
ショックかも。
想像以上に私はあの場所に馴染んでたんだ。
・・・・・・・・・・想像以上に寂しいなこれは。
何だか職探しをする気もなくなって、宿に戻った。
そのままベッドにダイブして目を閉じたら、眠くなってきたのでそのまま意識を手放した。
次の日明るさに目を覚ますと、
「え」
目の前に仮面をつけた数人の男。
何この人達怪しすぎる!
「悪いが大人しくしてもらうぜ」
そう言って手を伸ばしてきた男に、
「嫌です」
睨みつける。
「・・・・・・・・・なら力づくでやっちまうか」
・・・・・・・・・幸いにもここは宿。
大声を出せばきっと他の人が気づいてくれる。
「火事だー!!!」
ただ、助けてーじゃ来てくれないと思ってそう言ってみたんだけど。
「無駄だ。周りは我々の仲間しか居ねえよ」
「何で!?」
思わず突っこんだ時、後ろに居た男が持っていた布を私の口元にあてた。
あ・・・・・・・やばい。
そう思った時にはもう遅くて。
私はすぐに意識が飛んだ。
+お別れと事件と 終+
そう言って笑顔でアコは俺達と別れた。
「笑ってましたね、あいつ」
「・・・・・・ああ」
船番のトレバーがつまらなさそうに言ってきた。
「もっと大泣きするんじゃないかと思ってましたよ。俺は」
「そうか?俺は笑うと思っていたが」
「・・・・・・・・・さすがお頭」
「ところでトレバー、聞いたか?」
「何をです?」
俺もさっきコックから聞いたばかりで驚いているところだが。
アコらしいな、と笑みが零れた。
「二日酔いに効くスープを俺達に残して行ったそうだ、アコ手作りのな」
「・・・・・・・・・・・・は?」
怪訝な顔のトレバーに、
「朝一で厨房借りて作ってくれたみてェだな。ご丁寧にメモまで残ってたそうだ。お酒の飲み過ぎにご注意、ってな」
すべてを説明するとトレバーも他の奴らと同じような表情。
思うことはそれぞれだろう。
「・・・・・・・・・・ご苦労なこって」
「アコの手料理は初めてだからな。楽しみだ」
「毒見は?」
「必要ない」
にぃ、と笑う俺にトレバーはため息を吐いた。
・・・・・・・・・ベンに似てんなぁコイツ。
「冗談ですよ。あいつはそんな奴じゃないことくらいわかります」
「ほォ、そうか。じゃあトレバー。頼みがあるんだが」
「・・・・・・・・・・頼み?」
嫌な予感を察知したらしい。
そういうとこも、
ベンに似てるなあと思った。
「はあ」
皆さんもお元気、で。と。
笑顔でお別れが出来た。
その時は。
1人で町を歩いてる時も大丈夫だった。
これから頑張るんだ、って強い気持ちだった。
なのに。
・・・・・・・・・・・・・・・なのに。
今夜泊まれる部屋を探して、
とーっても素敵なお部屋で。
1人で居る時間がこんなにも静かで。
こんなにも・・・・・・寂しい。
でも笑ってお別れが出来て良かった。
前の日に泣いてしまったから、せめて最後は笑って別れようと決めてた。
だからちゃんと笑顔のままで。
笑顔の私でお別れが出来たことが良かったと思う。
スープ、飲んでくれたかな。
本当の母に教わった、秘伝のスープ。
辛口で二日酔いに効くのよって教えてくれた。
それが私に出来た最後のことだった。
・・・・・・・・・・・船長さんならきっと笑って、美味い、って言ってくれたんだろうな。
・・・・・・・見たかったなあ。
トレバーさんはきっと真顔。
感想聞けばきっと不味くはない、とか言うんだろう。
ベンさんは意外と細かいこと言ってそうだなあ。
ヤソップさんやルゥさんは何て言ってくれるんだろ。
考えれば考えるほど。
・・・・・・・・・・・・・・・・・寂しくなる。
胸がきゅうっとしめつけられて。
涙が、溢れる。
この静寂が、
この空気が。
私は孤独だと、知らしめる。
「・・・・・・・っふ」
溢れた涙が頬を伝った時、
私は自分の頬を両手で思い切り叩いた。
パンッ!
と小気味良い音が静かな部屋に響いた。
「・・・・・・・・うん、痛い」
痛い。
でも大丈夫。
私は、ここで生きて行くんだ。
この町で明日から、出来れば住み込みで働かせてくれるとこを探して。
頑張って、生きて行くんだ。
「慣れれば大丈夫」
きっと大丈夫。
覚悟を決めて、私は職探しの為に町に出た。
難しいのは、私の保証人が居ないこと。
マトモな職を見つけてもこんな怪しい女雇うとこはまずない。
かといって適当なとこだと何させられるかわかったもんじゃない。
・・・・・・・・・そう考えると、
あの場所がいかに幸せだったか考えちゃう。
不意に道の端に『正義』の2文字を見つけた。
それを見て私はとっさに隠れた。
海軍、だ。
「・・・・・・・・あれ?」
何で私、隠れたんだろう。
別に隠れる必要ないのに。
・・・・・・・・・・・・・・今まで私が居た場所が、海賊船だったから?
だから私今。
無意識に隠れた?
「うっわあ」
ショックかも。
想像以上に私はあの場所に馴染んでたんだ。
・・・・・・・・・・想像以上に寂しいなこれは。
何だか職探しをする気もなくなって、宿に戻った。
そのままベッドにダイブして目を閉じたら、眠くなってきたのでそのまま意識を手放した。
次の日明るさに目を覚ますと、
「え」
目の前に仮面をつけた数人の男。
何この人達怪しすぎる!
「悪いが大人しくしてもらうぜ」
そう言って手を伸ばしてきた男に、
「嫌です」
睨みつける。
「・・・・・・・・・なら力づくでやっちまうか」
・・・・・・・・・幸いにもここは宿。
大声を出せばきっと他の人が気づいてくれる。
「火事だー!!!」
ただ、助けてーじゃ来てくれないと思ってそう言ってみたんだけど。
「無駄だ。周りは我々の仲間しか居ねえよ」
「何で!?」
思わず突っこんだ時、後ろに居た男が持っていた布を私の口元にあてた。
あ・・・・・・・やばい。
そう思った時にはもう遅くて。
私はすぐに意識が飛んだ。
+お別れと事件と 終+