自由を求めて三千里
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
このまま行けば、
船が次の島に着くまであと3日、だそうだ。
今の私の気持ちは、といえば。
「うぇっ・・・・気持ち悪い」
「まだ辛いか?アコ」
「あい・・・・」
絶賛船酔い中。
「ほら、水。飲めるか?」
「な・・・・何とか」
せっかく船長さんが水を持ってきてくれたので、頑張って起き上がった。
「薬は飲んだんだろう?」
「飲みました」
心配そうに顔を覗きこんでくれた船長さんにこくりと頷けば何故か、
「・・・・・・・・・飲んだのか」
残念そうにこう返ってきた。
「飲んじゃいけませんでした?」
「俺が口移しで飲ませてやったのに」
「・・・・・・・滅相も御座いません」
最近船長さんのキャラがわからない。
・・・・・・ああ、でも。
わからなくていいのか。
もうすぐ。
早くて3日。
それで、お別れなんだから。
何処か寂しく思いながら受け取ったお水を口に入れる。
「・・・・・・・・・あ。これ、塩水」
「おう。船酔いにはただの水より塩水の方が効くからな」
「そう、なんですか・・・・」
そんな知識全然なかった。
・・・・・・・・船に乗ったことなんてなかったし。
ずっとあそこで、あの家で過ごしてたしなあ。
「アコ?どうした?」
「え?」
「しんどいか?」
「・・・・・・・・・いえ、大丈夫、です」
これ以上心配かけまい。
無理に笑って見せたら、
「いたっ」
・・・・・・・・・・・頭をこつん、と殴られた。
いつもみたいに軽く当てられただけ、だけど。
「無理して笑うな」
「え、と」
何故バレた。
「辛い時は辛いって言え。無理すんな」
そして次は優しく頭を撫でられた。
「・・・・・・・・さっきよりは楽になったんです。でも、私今日何もしてなくて」
「それが申し訳ない、っつーことか?」
「・・・・・・・・・・です」
夜中から明け方にかけての波が大荒れで。
気持ち悪くなったのが朝。
だから私は今日何もしてないのだ。
洗濯も掃除も。
「気にすんな。こういう時は存分甘えとけ」
「・・・・・・・いつも、甘えてます」
2週間だけの居候。
そう言ったらきっとまた怒られるかな。
2週間だけの、仲間。
なのに。
「っとに甘え下手だよなぁアコは」
「・・・・じゃあ我が侭言ってもいいですか?」
「ああ、言ってみろ」
優しく笑って頷いてくれた船長さんに私も安心して。
「洗濯物干させて下さい」
望みを言ったけれど、
「却下だ」
即答で拒否された。
「もうだいぶ良くなったんですよ!」
「そういう問題じゃねェだろう」
「だってさっきちらっと見たら干し方気になったんですよ!あれじゃ皺になる!!」
「よーしわかった。場所を言え。俺が直してくる」
あくまで船長さんは私のお願いを叶えてくれる気はないらしい。
「そこを何とか!」
「駄目だ。寝てろ」
「うー・・・・・!!!」
「珍しくどんなこと言うのかと思えば・・・アコらしいっちゃらしいか」
はあ、とため息を吐く船長さんは苦笑い。
「あーでもやっぱ寝ときます。まだくらくらするみたいで」
「そうしとけ。何か欲しいものあるか?ああ、酒でも飲むか」
「飲みません!」
飲んだら吐くわ絶対。
「船長、さん」
「ん?」
「あと3日・・・よろしくお願いしますね」
改めて言葉にするとこみあげる寂しさ。
「・・・・・・ああ、そうだな。着いてからどうするか決まってるのか?」
「うーんと、特に決めてはないんですけど、とりあえず最初は宿に泊まって次の日から職探しですね」
「特に宛てはねえのか」
「考えずに来たんで。住み込みがあればいいなーと思います」
「次の島がどんなとこかも知らないで、のんきだなァアコ」
・・・・・・これは馬鹿にされてるのか、
心配してくれてるのかわかんないけど。
「・・・・・そう、ですね。世間知らずなんです私」
「でもって素直と来た」
「それが私の長所です!」
どや!と笑えば船長さんも笑ってくれた。
「・・・・・・なぁ、アコ」
「はい?」
真剣な瞳で見つめられて、思わず唾を飲み込んだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・いや、ゆっくり休め」
船長さんは何かを言おうとした後それだけ言って、出て行ってしまった。
私はただ船長さんの表情に見蕩れて、
返事も出来なかった。
何だろう、なんか。
大事なことを・・・・言おうとしてた気がする。
言おうとしてやめた、そんな感じだった。
あと3日。
・・・・・私はあの人に、
皆に。
何が出来るだろう。
こんな見ず知らずの小娘を船に乗せてくれて。
仲間と言ってくれて。
向き合ってくれた人達に。
私は何をすればいいんだろう。
+あと3日 終+
船が次の島に着くまであと3日、だそうだ。
今の私の気持ちは、といえば。
「うぇっ・・・・気持ち悪い」
「まだ辛いか?アコ」
「あい・・・・」
絶賛船酔い中。
「ほら、水。飲めるか?」
「な・・・・何とか」
せっかく船長さんが水を持ってきてくれたので、頑張って起き上がった。
「薬は飲んだんだろう?」
「飲みました」
心配そうに顔を覗きこんでくれた船長さんにこくりと頷けば何故か、
「・・・・・・・・・飲んだのか」
残念そうにこう返ってきた。
「飲んじゃいけませんでした?」
「俺が口移しで飲ませてやったのに」
「・・・・・・・滅相も御座いません」
最近船長さんのキャラがわからない。
・・・・・・ああ、でも。
わからなくていいのか。
もうすぐ。
早くて3日。
それで、お別れなんだから。
何処か寂しく思いながら受け取ったお水を口に入れる。
「・・・・・・・・・あ。これ、塩水」
「おう。船酔いにはただの水より塩水の方が効くからな」
「そう、なんですか・・・・」
そんな知識全然なかった。
・・・・・・・・船に乗ったことなんてなかったし。
ずっとあそこで、あの家で過ごしてたしなあ。
「アコ?どうした?」
「え?」
「しんどいか?」
「・・・・・・・・・いえ、大丈夫、です」
これ以上心配かけまい。
無理に笑って見せたら、
「いたっ」
・・・・・・・・・・・頭をこつん、と殴られた。
いつもみたいに軽く当てられただけ、だけど。
「無理して笑うな」
「え、と」
何故バレた。
「辛い時は辛いって言え。無理すんな」
そして次は優しく頭を撫でられた。
「・・・・・・・・さっきよりは楽になったんです。でも、私今日何もしてなくて」
「それが申し訳ない、っつーことか?」
「・・・・・・・・・・です」
夜中から明け方にかけての波が大荒れで。
気持ち悪くなったのが朝。
だから私は今日何もしてないのだ。
洗濯も掃除も。
「気にすんな。こういう時は存分甘えとけ」
「・・・・・・・いつも、甘えてます」
2週間だけの居候。
そう言ったらきっとまた怒られるかな。
2週間だけの、仲間。
なのに。
「っとに甘え下手だよなぁアコは」
「・・・・じゃあ我が侭言ってもいいですか?」
「ああ、言ってみろ」
優しく笑って頷いてくれた船長さんに私も安心して。
「洗濯物干させて下さい」
望みを言ったけれど、
「却下だ」
即答で拒否された。
「もうだいぶ良くなったんですよ!」
「そういう問題じゃねェだろう」
「だってさっきちらっと見たら干し方気になったんですよ!あれじゃ皺になる!!」
「よーしわかった。場所を言え。俺が直してくる」
あくまで船長さんは私のお願いを叶えてくれる気はないらしい。
「そこを何とか!」
「駄目だ。寝てろ」
「うー・・・・・!!!」
「珍しくどんなこと言うのかと思えば・・・アコらしいっちゃらしいか」
はあ、とため息を吐く船長さんは苦笑い。
「あーでもやっぱ寝ときます。まだくらくらするみたいで」
「そうしとけ。何か欲しいものあるか?ああ、酒でも飲むか」
「飲みません!」
飲んだら吐くわ絶対。
「船長、さん」
「ん?」
「あと3日・・・よろしくお願いしますね」
改めて言葉にするとこみあげる寂しさ。
「・・・・・・ああ、そうだな。着いてからどうするか決まってるのか?」
「うーんと、特に決めてはないんですけど、とりあえず最初は宿に泊まって次の日から職探しですね」
「特に宛てはねえのか」
「考えずに来たんで。住み込みがあればいいなーと思います」
「次の島がどんなとこかも知らないで、のんきだなァアコ」
・・・・・・これは馬鹿にされてるのか、
心配してくれてるのかわかんないけど。
「・・・・・そう、ですね。世間知らずなんです私」
「でもって素直と来た」
「それが私の長所です!」
どや!と笑えば船長さんも笑ってくれた。
「・・・・・・なぁ、アコ」
「はい?」
真剣な瞳で見つめられて、思わず唾を飲み込んだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・いや、ゆっくり休め」
船長さんは何かを言おうとした後それだけ言って、出て行ってしまった。
私はただ船長さんの表情に見蕩れて、
返事も出来なかった。
何だろう、なんか。
大事なことを・・・・言おうとしてた気がする。
言おうとしてやめた、そんな感じだった。
あと3日。
・・・・・私はあの人に、
皆に。
何が出来るだろう。
こんな見ず知らずの小娘を船に乗せてくれて。
仲間と言ってくれて。
向き合ってくれた人達に。
私は何をすればいいんだろう。
+あと3日 終+