自由を求めて三千里
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ぱっと目が覚めて慌ててベッドを降りた。
「・・・・・・・・・・・あ」
ああ、そっか。
いつもの癖で掃除して朝ご飯作らなきゃ、と思って気がついた。
もうここは、あの家じゃない。
何処かほっと胸を撫で下ろして、それでもこのまま寝てる訳にはいかないと思い直した。
「・・・・・・・え」
そして再び声が出た。
床に見えた赤髪。
大口を開けて夢の中の、船長さんだった。
あれ、昨日一緒にベッドで寝なかったっけ?
・・・・ま、いっか。
とりあえず朝の掃除!
廊下を掃き掃除、モップ、といつものように掃除をしていく。
それから洗濯を済ませて、改めて船の広さと人の多さを実感した。
洗濯物なんか男物だし。
あ、朝ご飯の準備・・・と思って厨房に行ったら、笑顔で大丈夫、と言われてしまった。
「もうちょっとしたら食堂においで、美味い飯食わせてやるから」
と。
掃除と洗濯に時間かけすぎた。
仕方なく部屋に戻ると船長さんはまだ寝てて。
もうすぐ朝食って言ってたからいい加減起こそうか迷ってじっと見つめる。
「穴が開いちまいそうだな」
「お・・・起きてらっしゃったんですか?」
いきなり口が開いて驚いた。
「ついさっきな。ところで、いつになったらしてくれるんだ?ずっと待ってるんだが」
「はあ、何をすれば良いでしょうか」
「おはようのキス、だ」
にぃ、と笑って船長さんが言う。
・・・・・・・うーん、昨日はおやすみのキスとかしてないけど。
少し考えて、
まだ横になったままの船長さんの頬に、ちゅ、と軽くキスをした。
そして、
「おはよう御座います、船長さん。昨日はベッド有り難う御座いました」
「・・・・・・・・・・・・・・いや」
「でも今日からは私が床で寝ますからね!」
これから2週間くらいならベッドなくても寝れるし。
さすがに四皇追い出して私がベッド、っていうのは気がひけるし。
って、あれ。
船長さんが目を丸くしてる。
「船長さん?どうかされました?」
「・・・・・まさか本当にしてもらえるとは思ってなかったんで、驚いた」
「・・・・・お嫌でした?」
「嫌ならそもそも言わねえさ。断られるだろうと思ってた」
言いながら面倒くさそうに起き上がった船長さんは苦笑した。
「信頼の証、です」
「そりゃ嬉しいモンだ。それより、そろそろ朝飯だな。掃除やら洗濯やらで疲れただろ?いっぱい食っとけ」
「はい、有り難う御座いま、す・・・・」
お礼を言ってる途中でふと疑問が湧いた。
・・・・・・・・・・・あれ?
「何してんだ?行くぞ、アコ」
「あ、はい」
促されてそのまま部屋を出たけど、
・・・・・・・・・・・船長さん、
さっき。
つきさっき起きた、って言ってたのに。
何で、
私が掃除と洗濯したこと知ってたんだろ。
「ご馳走様でしたっ!では後片付けに行って参りま、」
ご飯を食べ終えて後片付けをしようと立ち上がったところ、腕を引かれて危うく転びそうになった。
「待て待て、アコ。まだ食ったばっかりだろう」
「え、でも」
「家出した意味がなくなるんじゃないのか?」
「家事が嫌で家出した訳じゃないですし、お世話になるならこれくらいはしますよ」
むしろそんなことは当たり前で、
目の前の船長さんが何故困ったように笑ってるのか、私にはわからない。
「そりゃそうかもしれんが・・・・疲れないか?」
「体力には自信ありますよ」
だから大丈夫です、と言ったら今度は上を見上げてしまった船長さん。
「・・・・そうか、なら船長命令だ、アコ」
「はい」
顔を戻した船長さんは真剣な顔で。
思わず唾をごくりと飲み込んで、次に発せられる言葉を集中して待った。
「今日これからと明日1日、何もするな」
「・・・・・・・・・・・・え」
船長さんの命令は、私には理解しがたいもので。
「何も、ですか?ご飯食べたりとかも?」
「いや、それは良い。要は家事雑用全般するなってこった」
家事雑用全般しない。
ということは、掃除洗濯料理片付けその他諸々。
「・・・・しなくて、いいんですか?」
「ああ、しなくていい」
たくさんの疑問はあるけど、期間限定とはいえこの船でお世話になってる以上船長命令には従う。
そもそも逆らったところで勝てるとも思わないし。
「わかりました、従います」
そう答えれば船長さんは含みのある笑みを浮かべて、
「いい返事だ」
と満足そう。
何もしなくていいっていうのは私にとってはものすごーく楽。
なんだけど。
・・・・・・・・・本当に、いいの?
+船長命令 終+
「・・・・・・・・・・・あ」
ああ、そっか。
いつもの癖で掃除して朝ご飯作らなきゃ、と思って気がついた。
もうここは、あの家じゃない。
何処かほっと胸を撫で下ろして、それでもこのまま寝てる訳にはいかないと思い直した。
「・・・・・・・え」
そして再び声が出た。
床に見えた赤髪。
大口を開けて夢の中の、船長さんだった。
あれ、昨日一緒にベッドで寝なかったっけ?
・・・・ま、いっか。
とりあえず朝の掃除!
廊下を掃き掃除、モップ、といつものように掃除をしていく。
それから洗濯を済ませて、改めて船の広さと人の多さを実感した。
洗濯物なんか男物だし。
あ、朝ご飯の準備・・・と思って厨房に行ったら、笑顔で大丈夫、と言われてしまった。
「もうちょっとしたら食堂においで、美味い飯食わせてやるから」
と。
掃除と洗濯に時間かけすぎた。
仕方なく部屋に戻ると船長さんはまだ寝てて。
もうすぐ朝食って言ってたからいい加減起こそうか迷ってじっと見つめる。
「穴が開いちまいそうだな」
「お・・・起きてらっしゃったんですか?」
いきなり口が開いて驚いた。
「ついさっきな。ところで、いつになったらしてくれるんだ?ずっと待ってるんだが」
「はあ、何をすれば良いでしょうか」
「おはようのキス、だ」
にぃ、と笑って船長さんが言う。
・・・・・・・うーん、昨日はおやすみのキスとかしてないけど。
少し考えて、
まだ横になったままの船長さんの頬に、ちゅ、と軽くキスをした。
そして、
「おはよう御座います、船長さん。昨日はベッド有り難う御座いました」
「・・・・・・・・・・・・・・いや」
「でも今日からは私が床で寝ますからね!」
これから2週間くらいならベッドなくても寝れるし。
さすがに四皇追い出して私がベッド、っていうのは気がひけるし。
って、あれ。
船長さんが目を丸くしてる。
「船長さん?どうかされました?」
「・・・・・まさか本当にしてもらえるとは思ってなかったんで、驚いた」
「・・・・・お嫌でした?」
「嫌ならそもそも言わねえさ。断られるだろうと思ってた」
言いながら面倒くさそうに起き上がった船長さんは苦笑した。
「信頼の証、です」
「そりゃ嬉しいモンだ。それより、そろそろ朝飯だな。掃除やら洗濯やらで疲れただろ?いっぱい食っとけ」
「はい、有り難う御座いま、す・・・・」
お礼を言ってる途中でふと疑問が湧いた。
・・・・・・・・・・・あれ?
「何してんだ?行くぞ、アコ」
「あ、はい」
促されてそのまま部屋を出たけど、
・・・・・・・・・・・船長さん、
さっき。
つきさっき起きた、って言ってたのに。
何で、
私が掃除と洗濯したこと知ってたんだろ。
「ご馳走様でしたっ!では後片付けに行って参りま、」
ご飯を食べ終えて後片付けをしようと立ち上がったところ、腕を引かれて危うく転びそうになった。
「待て待て、アコ。まだ食ったばっかりだろう」
「え、でも」
「家出した意味がなくなるんじゃないのか?」
「家事が嫌で家出した訳じゃないですし、お世話になるならこれくらいはしますよ」
むしろそんなことは当たり前で、
目の前の船長さんが何故困ったように笑ってるのか、私にはわからない。
「そりゃそうかもしれんが・・・・疲れないか?」
「体力には自信ありますよ」
だから大丈夫です、と言ったら今度は上を見上げてしまった船長さん。
「・・・・そうか、なら船長命令だ、アコ」
「はい」
顔を戻した船長さんは真剣な顔で。
思わず唾をごくりと飲み込んで、次に発せられる言葉を集中して待った。
「今日これからと明日1日、何もするな」
「・・・・・・・・・・・・え」
船長さんの命令は、私には理解しがたいもので。
「何も、ですか?ご飯食べたりとかも?」
「いや、それは良い。要は家事雑用全般するなってこった」
家事雑用全般しない。
ということは、掃除洗濯料理片付けその他諸々。
「・・・・しなくて、いいんですか?」
「ああ、しなくていい」
たくさんの疑問はあるけど、期間限定とはいえこの船でお世話になってる以上船長命令には従う。
そもそも逆らったところで勝てるとも思わないし。
「わかりました、従います」
そう答えれば船長さんは含みのある笑みを浮かべて、
「いい返事だ」
と満足そう。
何もしなくていいっていうのは私にとってはものすごーく楽。
なんだけど。
・・・・・・・・・本当に、いいの?
+船長命令 終+