自由を求めて三千里
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ぐびぐびぐび、と喉を通る感覚がたまらない。
「ぷはー!おかわり下さーいっ!!」
「お!いい飲みっぷりだなァアコ」
「やー美味しっ!!宴って楽しいんですねえ」
船長さんに言われて皆の前で自己紹介をした私に、ほとんどの人達は一瞬きょとんとした後、いっせいに宴だー!と叫んだ。
そして快く歓迎してくれた。
「どうりで重いと思ったぜ・・・・」
私を運んでくれたらしい人が苦笑して呟く。
「あはは、お世話になりましたー」
「しっかし、誰も気づかないとはな」
「私得意なんです」
「得意?」
「隠れるの」
お酒のおかわりをもらってそう笑えば、
「だっはっは!そうか隠れるのが得意か!」
と船長さんも笑った。
この人が・・・・・四皇かあ。
「しかも有名人に会えるなんて感激」
「船見てわからなかったのか?」
「船見てないですもん。何か隠れて乗り込めそうだったから。あ、ヤソップさんそのお肉下さい」
「ほれ。にしてもお前、乗り込んだ船が悪ィ奴らの船だったらどうしてたんだよ」
ヤソップさんの前にあったお肉をもらって私はそれを口に放り込んだ。
ん、美味い。
塩味がいいわー。
「あーまったく考えてなかったです」
「・・・・少しは考えろよ」
「まあ、結果オーライです!」
私がそう言うと周りで笑い声がどっと湧き上がる。
こんなに楽しい食事は、初めてかもしれない。
「ところで、アコの部屋なんだが」
「部屋?いらないですよそんなの」
「そういう訳にもいかんだろう、一応アコは女だしな」
「あははっ一応て!失礼ですね、でも本当乗せてもらえるだけで十分ですから」
そこらへんの邪魔にならないとこで雑魚寝させてもらえれば、と言えば船長さんが笑顔でとんでもないことを言い放った。
「じゃあ俺の部屋でいいな」
「へ?」
「何処でもいいんだろう?なら俺の部屋で一緒に寝りゃいい」
「いやいやいや!流石に贅沢過ぎませんか!?」
「・・・・・・・・・今なんつった?」
「え?だって船長さんのお部屋なんて使わせ頂くの申し訳ないですよ。私がいたらその分狭くなるのに」
「・・・・・・・・・アコ?」
「いくら私でもそこはさすがに考えますって」
船長さんを始め、周りの皆が怪訝な顔。
あれ。
「・・・・・そうか。じゃあ船長命令だ」
「え」
「今日から島に着くまで俺の部屋で共に寝ること」
「え、ええと、ハイ」
この船に乗る以上船長さんの命令は聞く。
でも変な命令、と思いながら頷いた。
・・・・船長さんの強い視線が、少しだけ怖いと思った。
「お邪魔しまーす」
宴がある程度落ち着いて、片付けの手伝いをしていたら、船長さんからの伝言が伝えられた。
それが、
『片づけが終わったら荷物を持って俺の部屋に来てくれ』
とのことで。
言われたとおり自分の荷物を持って船長さんの部屋に来てみた。
軽くノックをして、部屋に入ると船長さんがベッドで寝てた。
でも見ると何も掛けてなかったから、足元に丸められていた布を掛けようと手を伸ばした、瞬間。
「うわ、っと!?」
腕を掴まれてすごい力でベッドに引きずり込まれた。
「な、」
何、と言おうとした私は寝ていたはずの船長さんと目が合って言葉を止めた。
・・・・・船長さん、片腕のはずなのに。
すごい力だった。
そしてそのまま、
「ふんぎゃあ!?」
頬にちゅ、と音をたてて口付けられた。
何!?何が起こってるの!?
「わかったかアコ?」
船長さんは怪しくそう微笑むと、
ぐ、っと顔を近づけた。
「・・・・・何が、でしょうか」
「男の部屋で、一緒に寝るっつーことがどうなるかってことだ」
その大胆不敵な笑顔に、つられて私も笑った。
「有り難う御座います。でも、大丈夫ですよ」
「大丈夫?」
「覚悟出来てますから」
「・・・・それは、何の覚悟だ?」
今度は何処か困ったように笑った船長さんは、優しく私の頭を撫でてくれた。
「・・・・んー何だろう、自由になる覚悟って言えばいいんでしょうかね」
「自由になりたいのか」
「だから家出したんです。あのままだと私の大切なものが潰されそうだったから」
「大切なもの?」
「うまく言えないんですけどね。でもだから、それを守れる為なら多少は平気です」
「初めて会った人間でも、か」
「やー本当はバレる予定がなかったので。でも本当に嫌なら必死に逃げ出してますしね」
本当にうまく言えないんだけど。
それでも船長さんは、
「そうか、安心した」
納得してくれたご様子。
「安心?」
「いや、こっちの話だ。もう寝とけ」
こっちの話って何。
ちょっとだけ気になったけど、深くは考えないことにして、
「はーい」
私は目を閉じた。
+こっちの話 終+
「ぷはー!おかわり下さーいっ!!」
「お!いい飲みっぷりだなァアコ」
「やー美味しっ!!宴って楽しいんですねえ」
船長さんに言われて皆の前で自己紹介をした私に、ほとんどの人達は一瞬きょとんとした後、いっせいに宴だー!と叫んだ。
そして快く歓迎してくれた。
「どうりで重いと思ったぜ・・・・」
私を運んでくれたらしい人が苦笑して呟く。
「あはは、お世話になりましたー」
「しっかし、誰も気づかないとはな」
「私得意なんです」
「得意?」
「隠れるの」
お酒のおかわりをもらってそう笑えば、
「だっはっは!そうか隠れるのが得意か!」
と船長さんも笑った。
この人が・・・・・四皇かあ。
「しかも有名人に会えるなんて感激」
「船見てわからなかったのか?」
「船見てないですもん。何か隠れて乗り込めそうだったから。あ、ヤソップさんそのお肉下さい」
「ほれ。にしてもお前、乗り込んだ船が悪ィ奴らの船だったらどうしてたんだよ」
ヤソップさんの前にあったお肉をもらって私はそれを口に放り込んだ。
ん、美味い。
塩味がいいわー。
「あーまったく考えてなかったです」
「・・・・少しは考えろよ」
「まあ、結果オーライです!」
私がそう言うと周りで笑い声がどっと湧き上がる。
こんなに楽しい食事は、初めてかもしれない。
「ところで、アコの部屋なんだが」
「部屋?いらないですよそんなの」
「そういう訳にもいかんだろう、一応アコは女だしな」
「あははっ一応て!失礼ですね、でも本当乗せてもらえるだけで十分ですから」
そこらへんの邪魔にならないとこで雑魚寝させてもらえれば、と言えば船長さんが笑顔でとんでもないことを言い放った。
「じゃあ俺の部屋でいいな」
「へ?」
「何処でもいいんだろう?なら俺の部屋で一緒に寝りゃいい」
「いやいやいや!流石に贅沢過ぎませんか!?」
「・・・・・・・・・今なんつった?」
「え?だって船長さんのお部屋なんて使わせ頂くの申し訳ないですよ。私がいたらその分狭くなるのに」
「・・・・・・・・・アコ?」
「いくら私でもそこはさすがに考えますって」
船長さんを始め、周りの皆が怪訝な顔。
あれ。
「・・・・・そうか。じゃあ船長命令だ」
「え」
「今日から島に着くまで俺の部屋で共に寝ること」
「え、ええと、ハイ」
この船に乗る以上船長さんの命令は聞く。
でも変な命令、と思いながら頷いた。
・・・・船長さんの強い視線が、少しだけ怖いと思った。
「お邪魔しまーす」
宴がある程度落ち着いて、片付けの手伝いをしていたら、船長さんからの伝言が伝えられた。
それが、
『片づけが終わったら荷物を持って俺の部屋に来てくれ』
とのことで。
言われたとおり自分の荷物を持って船長さんの部屋に来てみた。
軽くノックをして、部屋に入ると船長さんがベッドで寝てた。
でも見ると何も掛けてなかったから、足元に丸められていた布を掛けようと手を伸ばした、瞬間。
「うわ、っと!?」
腕を掴まれてすごい力でベッドに引きずり込まれた。
「な、」
何、と言おうとした私は寝ていたはずの船長さんと目が合って言葉を止めた。
・・・・・船長さん、片腕のはずなのに。
すごい力だった。
そしてそのまま、
「ふんぎゃあ!?」
頬にちゅ、と音をたてて口付けられた。
何!?何が起こってるの!?
「わかったかアコ?」
船長さんは怪しくそう微笑むと、
ぐ、っと顔を近づけた。
「・・・・・何が、でしょうか」
「男の部屋で、一緒に寝るっつーことがどうなるかってことだ」
その大胆不敵な笑顔に、つられて私も笑った。
「有り難う御座います。でも、大丈夫ですよ」
「大丈夫?」
「覚悟出来てますから」
「・・・・それは、何の覚悟だ?」
今度は何処か困ったように笑った船長さんは、優しく私の頭を撫でてくれた。
「・・・・んー何だろう、自由になる覚悟って言えばいいんでしょうかね」
「自由になりたいのか」
「だから家出したんです。あのままだと私の大切なものが潰されそうだったから」
「大切なもの?」
「うまく言えないんですけどね。でもだから、それを守れる為なら多少は平気です」
「初めて会った人間でも、か」
「やー本当はバレる予定がなかったので。でも本当に嫌なら必死に逃げ出してますしね」
本当にうまく言えないんだけど。
それでも船長さんは、
「そうか、安心した」
納得してくれたご様子。
「安心?」
「いや、こっちの話だ。もう寝とけ」
こっちの話って何。
ちょっとだけ気になったけど、深くは考えないことにして、
「はーい」
私は目を閉じた。
+こっちの話 終+