3千万ベリーの恋
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帰れるかどうかわからない、それは事実だ。
正直何処まで言っていいのかわからない。
どこまで信じてくれるのかも。
でも、
ここでお世話になる以上。
嘘はつきたくないし、出来ることなら信じたいと思う。
どうしよう。
私がそれ以上答えられずにいると、頭の上に大きな手が乗せられた。
シャンクスさんの手だ。
その大きな手は優しく私の頭を撫でてくれた。
「悪かった」
その言葉に、救われた気がした。
もう何も言わなくてもいいんだ、と。
言われた気がした。
「さて、朝飯行くか!」
「朝ごはん!いいですねえ楽しみですねえ!あ、でも私ここの掃除もうちょっとしてから行きます」
朝ごはんは非常に魅力的だけど。
中途半端のままだし、このままじゃベンさんにも悪いしね。
するとシャンクスさんは何故か嫌そうな顔をした。
何でだ。
「シャンクスさんは先に行っててくださって構いませんよ?」
「シャンクスでいい。・・・それよりアコは掃除が好きなのか?」
「イエ、そういう訳では。ただこれはあまりに酷いですし、ベンさんにも頼まれてますんで」
誰が好き好んで掃除するか。
「駄目だ」
「はい?」
即答された。
「俺はアコと一緒に飯が食いたい」
「いや、でも」
「船長命令だ」
どーん。
いや、それ言われちゃうと、ねえ?
「そもそもお前食堂の場所わかるのか?」
「・・・・・・!おっしゃる通りで!」
はいそうでしたー!
「よし、行くぞアコ」
その辺に転がってる人たちは放置でいいらしい。
「そしたら私あとで絶対掃除するので!あ、あと昨日のお皿も持っていっていいですか?」
「ん?そんなの後で誰かに取りに行かせるからいいぞ?」
けろりとシャンクスは言うけども。
「でも昨日のご飯ほんとに美味しかったんですよねー」
「ははは、そりゃうちのコックが喜ぶ」
話しながら食堂へ向かう。
途中私の部屋にも寄ってもらって、お皿を取りにも行った。
「お、おおお・・・!」
食堂は広かった。
そしてそれなりに綺麗だった。
そりゃまあ食堂だからね、うん。
そして座ってていいと言われたので座って待っているとご飯を持ってきてくれたシャンクス。
こんがり焼けたトーストに珈琲。
ご飯が!朝起きて作らなくてもご飯が用意されているなんて!
しかもこんな美味しそう!
「頂きます!!」
「おー食え食え」
欲を言えばサンジ君のご飯が食べたかったけどでもここのご飯もじゅうぶん美味しい。
ふとパンを齧りつつ、周りを見渡す。
「どうかしたか?」
「なんか視線を感じるなあ、と」
さっきからじろじろ見られてるような。
殺意とか憎しみのこもったものではないと思うんだけど。
「ああ、珍しいんだろう。この船には女が居ないからな」
「あーなるほど」
言われてみればそうだよねー。
ってことはあれか、私からしたらハーレムみたいなもんか。
あんまり嬉しくはないけど。
「怖いか?」
「怖くはないですよ。まあ周りは男ばっかより可愛い女の子に囲まれた方が嬉しいですけどね」
「・・・・アコ、念のために確認しておくが、女だよな?」
「女ですよ?」
怪訝な顔をしているシャンクスにさらりと答えると、シャンクスはにこーっと笑って、
そうかそうか、良かったと言った。
「男だったら何か不都合ありました?」
「いや、別にいいんだけどな。お前面白いし」
何だソレ。喜んでいいのか。
私が反応に困っていると、シャンクスは更に続けた。
「白ひげんトコにイゾウってのが居るんだけどな、俺最初女だと思ってたんだよ」
「はあ。美しいお兄様ですか。機会があればお会いしてみたいですねえ」
白ひげってのは聞いたことある。
ルフィのお兄さん・・・エースが言ってた気がする。
でもイゾウさんってのは知らない。
その人はいつか出てくるのだろうか。
アラバスタまで結構あったと思ったけど、続巻は実際かなりの数出ている訳で。
・・・・・私には知らないことが多すぎる。
そして最後のパンを飲み込んだ時、
嬉しそうな声が飛び込んできた。
「お頭ー!!」
そう叫ぶ彼の手にあったのは1枚の手配書だった。
+ 朝御飯 終+