3千万ベリーの恋
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ヒロちゃんごめん。
何でか私がONE PICECEの世界に来ちゃったよ。
しかもシャンクスさんの船に居るよ。
パエリア(多分)美味しかったよ。
・・・・・ヒロちゃんごめん。
しばらく仕事行けないかも。
閉店作業は頼んだ。
「・・・・・・・ですよねー」
朝目が覚めて、昨日と同じ場所にいることを確認。
夢じゃなかった訳だ。
何より波に揺られている感覚、波の音。
今までじゃあり得ないこの感覚。
でも不思議と落ち着いている。
朝ごはん、まだかな。
・・・・・・静かだ。
今何時かもわからない。
外が明るいから夜ではないんだろうけど。
することもないので、とりあえずドアノブを回してみる。
「あ、開いた」
出ちゃっていいかな、いいよね!
廊下を改めて見てみると、割と細かいゴミが目に付いた。
うわ。掃除したい。
探してみると、ありましたよ。
隅っこに所在無さげに置いてある箒と塵取り。
私は箒を手に取り、掃き掃除。
特別に綺麗好きって訳じゃないけど暇だから。
たまっているゴミを集めたとこで私は困ったことになった。
・・・・・・このゴミ何処に捨てればいいの?
ゴミ箱なくね?
「うわ、どうしよ」
「どうした?」
「ほげぁ!」
後ろから突然声をかけられて、思わず奇声が出た。
「驚かせたか?悪かった。・・・俺はベンベックマンだ」
振り向くとそこには怪訝な顔をしたベンベックマンさんが居た。
この人も知ってる。
「あ、アコです。あの、ゴミ箱を探しておりまして」
「ゴミ箱?・・・ああ、掃除してくれたのか。助かる」
「いえ、何か気になっちゃっただけで。勝手にすみません」
お・・・怒られたりとかするのかと思った。
つか顔怖いよねこの人。
とか思ってたら何処からかゴミ箱を出してくれたベンベックマンさん。
「おお!有難う御座います」
顔怖いけどいい人だ!良かった!
「・・・・甲板には出たか?」
「え?いえ、まだですけど」
「人が転がってると思うから踏んでいってくれていい。悪いがそっちの方も頼まれてくれ」
何だそれ。
「え、それって死体とかじゃないですよね?」
「いや、生きている。残念なことにな」
ベンさんは苦笑いしながらそう言って去って言った。
・・・・・何だそれ。
恐る恐る甲板のほうへ出る。
「・・・・・・・・何だこれ」
お酒の瓶、食べ物、そして倒れている人、人。
そういえばこの人たち飲み会大好きな人たちなんだっけか。
ってことはアレか、
昨日ここで宴やってそのままここで寝ちゃった的な。
つかこれじゃ掃除できなくね?
私はそこで先程のベンさんの言葉を思い出した。
『踏んでいっていい』
「って踏めるかァァ!!!」
思わず1人ツッコミ。
でもベンさんに掃除を頼まれたからにはやらねば、だ。
私は仕方なく酒瓶から片し始めることにする。
何本めかの瓶で、たぷんと音がした。
重さもある。まだ中入ってんじゃん。
捨てていいのかどうか迷っていると、
お酒を持っていたはずの手から重量感が消えた。
「あり」
「これは捨てちゃ駄目だぞー」
「のわあああ!!?」
本日2回目の奇声をあげた。
「ん?驚かせちまったか?すまんすまん」
と、ちっともすまなさそうな顔をしていないシャンクスさんが後ろに立っていた。
何だ、ここの人たちは私を驚かせるのが好きなのか。
それとも私が油断しすぎなだけ?
そして彼は私から奪った瓶をそのまま口につける。
まーいい飲みっぷりですこと。
「イエ・・・あ、そういえば昨日頂いたご飯美味しかったです。有難う御座いました」
私がそう言うと、シャンクスさんは少し驚いたような顔をした後、二ィ、と笑った。
「そうか、それは良かった。・・・しかしアレだな、頭痛ェ」
「2日酔いですか」
「んー残念、2日じゃねえな。何日だ?あーっと」
シャンクスさんは指を折って考え出し、数秒後ににかっと笑った。
「まあとにかく飲みすぎだな!だっはっは!」
笑ってる場合か。
「なあ、アコ」
突然シャンクスさんの顔が真面目になった。
「・・・・はい」
「悪いが単刀直入に聞かせてもらう。帰れる家は、あるのか?」
微妙な聞き方だなと思った。
帰る家、じゃなくて帰れる、とは。
でもたぶんそれは異世界から来てることを知ってるからじゃないんだろう。
いろんな事情で家に帰れない人がいるからだ、きっと。
「帰れるかどうかわかんないんです」
私はシャンクスさんの目を見つめて答えた。
+油断大敵、奇声の日 終+