3千万ベリーの恋
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誘拐されたこともあって、とりあえずは船に戻ることになった。
皆で船に戻り、私も自分の部屋に戻った。
ベッドに座って、今日あったことを思い返してみる。
・・・・何か、ちょっと、
「アコ、入るぞ」
「・・・どーぞ」
さっき部屋の前で別れたばかりのシャンクスの声。
シャンクスは部屋へ入ってくるとそのままつかつかと歩いてきて、私の横に座った。
そして私の方へ身体を向けて、
頭をぽんぽん、と優しく撫でた。
「よく堪えたな、アコ」
「・・・・へ?」
「もう大丈夫だ」
何が、とか言おうとした瞬間。
シャンクスの腕が私の背中に回されて、引き寄せられた。
「・・・残念だな、これじゃアコの顔が見れない」
ちっとも残念そうじゃない声色とか、
部屋に入ってきたタイミングとか、
何かもう全部見抜かれてるみたいで悔しかった。
・・・・でも、顔が見れないならまあ、いっか。
落ちてくる涙はそのままにすることにした。
「怖かっただろう、アコ。すまなかった」
「・・・・私怖かったなんて一言も」
言ってない、のに。
「電伝虫で声を聞いた時に強張っていたからな。抱きしめた時も少し震えていただろう?」
「何でもわかっちゃうんだねー・・・」
「そうでもないさ。言われなきゃわからないこともある」
顔を見られないことをいいことに泣いて少しスッキリしたので、顔あげた。
「例えば?」
「・・・そうだな、例えば四皇のことだな」
「四皇の?」
「怖いと思わなかったか?」
「シャンクスを?思わなかったけど」
他の四皇のことは知らないけど、
シャンクスを怖いとは思わない。
「俺は怖がられると思っていた。今度こそこの船を降りたいと、そう言われるかと」
困ったように笑うシャンクスに私は首を傾げる。
え、四皇って怖いもんなの?
「人質にされて怖い思いもしただろう?今後このようなことがまた起きない訳じゃない」
「え、でも別にそれは四皇だからじゃないでしょ?人質じゃなくったって海賊船なら危険はつきものじゃね?」
「はははっその通りだ。しかしなァ・・・それを受け入れる女はそう居るもんじゃない」
「・・・・げふん」
「恐れるか、媚びるか、が普通だな」
「げふん、ごふん」
何て言うんだっけこういうの、デジャヴ?
「いやでもホラ、シャンクス怖くないのは知ってるし、媚びなくてもアイス買ってくれるじゃん?」
実際シャンクスも言ってたしさ。
3個でも4個でも買ってやるって。
いや、そんなにはいらないけど。
「それにこの船は居心地がいいんだ。だから私はまだこの船に居たい」
「・・・・アコは強いな」
「いや、強くないんだって。だから人質にされて皆に迷惑かけちゃった訳だしさ。
さっきシャンクスが謝ってくれたけど謝らなきゃいけないの私だし」
「アコ」
「ん、」
急にシャンクスの顔が近くなったな、と思ったら、
頭のとこでちゅ、っと音がした。
・・・額に口付けられたらしい。
「怖かったよ、すごく。ホントのこと言って余裕なんてなかった。シャンクス達のこと心配なんて全然出来なくて」
「ああ、だがそうは見えなかった」
「とにかく落ち着かなきゃって思ったら、シャンクスが買ってくれたトリプルアイスが食べたくなったんだ。
そんであの時ストロベリーが美味しそうだったなあって思って」
ちゅ、っと今度は頬に口付けられた。
「でもストロベリーなくて、文句言ったら怒られた。でも、それで思ったんだ。甘えてちゃ駄目だ、私も何かしなきゃって」
シャンクスが早く助けに来てくれればいいのに、そう思ってた。
「すぐには無理だけど、強くなるから」
「・・・・そんな風に言われると期待しちまうな」
「期待?」
「いや、何でもない。・・・無理だけは、してくれるなよ」
「うん、心配はかけないようにする。シャンクスがハゲたら大変だもんね!」
その後なーんちゃって、と続けるハズが、
ちゅ、と。
今度は口に。
キスされて、続けられなかった。
「・・・誰がハゲるって?」
「シャンクス」
「俺よりベンが危ねえと思うが」
「確かに」
目が合って、笑い合った。
ふ、と目を細めたシャンクスが色っぽくてドキっとした。
+悔しいけど仕方ない 終+