3千万ベリーの恋
お名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「美味しい・・・幸せ」
憧れのトリプルアイス。
超美味。
「ああ、ここは食い物が美味いな。だが・・・」
私と同じく笑顔でアイスを食べているシャンクスの顔が少し険しくなった。
なんだろ、何か問題あったのか。
「だが、何?」
「食ってるとアコと手を繋げないのが残念だ」
「・・・・・・・食べ終わったらまた繋げばいいんじゃね?」
「ああ、それもそうだな」
そしてまた笑う。
いつものシャンクスだ。
「片腕ないと、やっぱ不便?」
「まあな。特に風呂ん時は思う。ああ、今度アコが背中洗ってくれるか?」
「うん、いいよ」
「・・・いいのか?」
そりゃあさぞかし不便だろうなあと思ったので頷いたらものすごく驚かれた。
「別に湯船に入る訳じゃないし。背中流すくらいなら」
「そうか・・・頼む」
すごく嬉しそうなシャンクスに何だか照れる。
「・・・・任された」
で、次はどうしよう。
そもそもデートってお金必要じゃんね。
お金のかからないデートってどうすればいいの?
しかもこの見知らぬ世界で。
うぬぬぬ・・・!
「アコ?どうした?」
「え、何か顔に出てた?」
「いや、顔というか声に出てた」
「・・・何て言ってた?」
するとシャンクスは最高に楽しそうな顔をした後、難しい顔をしながら、
「うぬぬぬ・・・」
・・・・それはもしかしてもしかしなくても私の真似ですか。
「わかった。わかったからやめて」
恥ずかしすぎる。
「で、何を悩んでいたんだ?」
シャンクスはすぐにいつもの顔に戻った。
・・・・お金のかからないデートってどんなだって考えてた、と言ったところで、シャンクスの返事は予想がつく。
気にするな、とか言うんだろうな。
私もシャンクスもアイスを食べ終えちゃったし。
「いや、ただこれからどうしようかなーって思って」
うん、これが一番無難な答え。
でもシャンクスはそれだけで何かわかったようで、
「アコ、ベンに何か言われたな?」
・・・・・何故わかった。
「ベンさんにも同じこと言われた」
「同じこと?」
「シャンクスと何かあったか、って。で、凹んでるとも言われた訳ですが」
「・・・ですが?」
「別にベンさんに言われたからデートしてる訳じゃないからね」
そこは断固として言っておきたい。
「ただ、私とデートすればシャンクスが元気になるらしいって聞いたから」
「なるほど、それでか」
「・・・ほんと、羨ましい」
「羨ましい?」
「私はシャンクスが凹んでるなんて気づかなかったし、今だってベンさんの名前なんか全然出さなかったのに」
全部わかっちゃうなんて、悔しい。
けれどシャンクスはそんな私を見て、困ったように笑った。
「まあ、付き合いが長いからな。・・にしてもな、アコ」
「何?」
「んな可愛いこと言ってると知らねェぞ?」
また可愛いって言った。
「・・・・可愛く、ないよ」
「ん?」
少なくとも私は自分で自分のことをお世辞にも可愛いとは思えない。
可愛い、なんて。
シャンクスに会うまでは最近言われたこともなかった。
「思ったことすぐ言っちゃうし、可愛いことも言えないし。悲鳴だって可愛くないしね。知ってるっしょ?」
思えばシャンクスの前で最初にあげた悲鳴は『のわあああ!』とかそんなんだった。
「アコは可愛い。んなこたぁ俺だけが知ってりゃいいことだ」
「・・・・はい?」
「要はどんなことを可愛いと思うかなんてのは人それぞれだろう?俺にとっての可愛いはアコだ」
「・・・・・っ!」
「アコは可愛いな」
予想外のことに頭がついていかず、
言葉が出てこない。
「さて、アイスも食い終わったしもう1回手ぇ繋いでくれるんだよな、アコ?」
す、っと差し出された手。
私はその大きな手をとるので精一杯だった。
+可愛い 終+