False love
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「シャンクスのことは・・・好き」
この気持ちは間違いなく恋。
それは言える。
でも。
「・・・・でも、シャンクスとは・・・今は付き合えない」
「・・・・待ってくれ。今の答えで俺がフられる理由はないはずだ」
シャンクスの言うことはわかる。
同じ状況ならきっと私も同じことを言う。
「私今までずっと・・・シャンクスは私のこと好きじゃないって思ってた」
「ああ・・・だがそれは違うと」
「私のこと本当に好きだったらいいのに、って思ってた」
「なら、」
「許せないの。自分のことが」
シャンクスの気持ちを軽んじてたことが。
・・・勝手に、決めつけて。
なのに今更両想いだったと知ったからって簡単にそれを受け入れるなんて。
「・・・・アコらしいっちゃらしいが」
「・・・ごめんなさい」
「気持ちはわかる。・・・・が、受け入れることは出来ねェ」
「え?」
にっこりと笑顔で否定された。
「俺はアコを愛してる。アコも同じだと言う。それなら遠慮する必要はないな?」
「はい・・・・?」
「アコが気に病む気持ちもわかるが、それは俺が苦しんでいた場合のみだ。違うか?」
「ど・・・・どういうこと?」
「俺は今までの時間を非常に楽しく過ごしていた。それで何を気に病む必要がある?」
「いやでも」
「むしろ偽の恋人でも付き合ってくれたことに感謝してる。その時間チャンスだった訳だ」
「あ・・・・」
まあ、言われてみれば。
確かにその時間で私はシャンクスを好きになった。
「逆にそれが理由でフられることの方が傷つく」
「あー・・・・・まあ、それは・・・そうよね・・・・」
「という訳だ、アコ」
「はい?」
「俺と結婚を前提とした付き合いだ」
す、と手を差し出されて。
思わずその手を取った。
「よ、よろしく・・・・・・・って」
乗せられた。
「女に二言はない、な?」
「・・・・シャンクスには一生敵わない気がする」
「俺はアコには敵わないと思ってるが」
「どの口がそれを言うのよ」
「ここでは教えられねェな」
「・・・・何する気なんだか」
「気になるか?」
「あ、雨やんでる」
「・・・・みたいだな」
「見て、シャンクス。外虹が出てる」
窓を見れば大きな虹が架かってる。
「出るか?」
「虹も見たいけど・・・」
「けど?」
「もう少しここに居たいかも」
「・・・疲れたか?」
「この店をいい思い出にしたいの」
「・・・・と、いうと?」
「悔しいじゃない?シャンクスにやり込められて付き合うことになったお店って印象のままなの」
正直な気持ちを吐き出せばシャンクスが思い切り苦笑した。
「それで、どうするつもりだ?」
「ちょっと待ってて」
私は店員さんを呼ぶと、
追加の注文をした。
数分してテーブルに到着したのは1コのショートケーキ。
「食べたかったのか?」
「はいシャンクス」
「・・・・・お」
「あーん」
「・・・・ん」
ケーキを一口大に切ってフォークに刺して、
シャンクスの口元へ。
「・・・・美味しい?」
「やられたな」
「でしょ?」
これで素敵な思い出になったわ。
「弁当の時はやってくれなかったのに・・・良かったのか?」
「いいの。もう恋人なんだもの」
本当の、恋人。
「ならこれからは毎日、」
「それは嫌」
シャンクスの言葉を遮れば柔らかい笑みで、
「そりゃ残念だ」とシャンクスからイチゴから突き出された。
「・・・いいの?いちご」
「俺の色だ、アコに食べて欲しい」
「頂きます」
赤くて、甘くて。
・・・美味しい。
「・・・・美味そうだな」
「もう1コ頼む?」
「いや、こっちの話しだ」
シャンクスはそう言うと私の唇に自分の唇を重ねた。
「・・・・・・私、人前でこういうことされるの嫌なの」
笑顔のまま睨んでみればシャンクスも笑顔のまま、
「すまん」
・・・絶対反省してない。
「・・・・嬉しそうね」
「そりゃ嬉しいさ。ようやく本当の恋人になれたんだ」
「もしかして今まで遠慮してた?」
「一応な。・・・様子は見てたが」
もう遠慮はしない、とシャンクスが宣言した。
「お手柔らかに、と言っておくわ」
・・・・本当の、恋人。
不思議な響き。
「さて。本当にそろそろ出るとするか?」
「そうね。・・・・外に出たら、手を繋いでもいい?」
「勿論」
手を繋ぎたいと言えること。
それだけで、こんなに幸せ。
「せっかくだ、偽の夫婦ってのも興味ないか?」
「・・・・どういうこと?」
「そこにアコの好きなブランドのジュエリーショップがある」
「そうね」
「そこで指輪を買う代わりに」
「あははっ、何それ」
そんなのなくても、
偽じゃなくても。
いいのに。
「大丈夫よシャンクス」
これはもう、本当の愛だから。
おじいちゃん、おばあちゃんになっても変わらない愛だから。
+これは本当の 終+