False love
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
油断した。
その光景を見た時に思わず舌打ちが漏れた。
昼飯に誘おうかと思ってアコを探したが、
見たくないものを見ちまった。
・・・・アコと、隣に居る男。
見たところこれから2人で食事、といったとこか。
同期の・・・名前は忘れたが、前にアコにフられた男だ。
間違いねェ。
部署も違うしもう関係を持つことはねェだろうと高を括っていた。
アコが嫌がってる素振りがあればすんなり行けるが・・・。
満更でもなさそうだ。
どういうことだ、と思案する。
両想いだと思っていたのは早計だったか。
この間までは悪くない雰囲気だったはずだが。
・・・・心変わり、か?
いや、それにしては早すぎる。
・・・ただ飯食いに行くだけだ。
そう自分に言い聞かせはしたものの、
気になって2人の後をつけた。
ただ何を話してるかまではさすがに聞こえないな。
まあ、場所もファミレスだ。
危惧するようなことはないだろう。
・・・・と、思うが。
思った瞬間、見えていたアコの顔が、女の顔に変わったのを俺は見逃さなかった。
・・・頬を赤く染めて。
「・・・・は、」
思わず笑い声が漏れた。
口元を押さえて監視を続ければ、
何事もなく2人は食事を終えて、
会社へと戻った。
・・・自分の心に宿るどす黒い感情。
相手の男をどうしてくれようか、とすら思う。
いや、落ち着け。
良く考えろ。
・・・いきなり過ぎやしないか?
事実を確かめる必要がある。
「アコ、お疲れ」
「お疲れ様。明日はやっと休みね」
「帰りに一杯、どうだ?」
アコの好きなところでいい、と言えば少し考えた素振りを見せてから、
「んー・・・・じゃあ焼き鳥」
と答えた。
「ああ、最近行ってないな。よし、行こう」
なるほど、カロリーを気にしてるアコには焼き鳥なら問題ないな。
逸る気持ちを押さえて、
何気ない会話をしながら久しぶりの焼き鳥屋へ。
「昼は何を食べたんだ?」
「パスタ。同期の中島君と」
「・・・仲良かったとは知らなかったな」
さりげなく探りを入れる。
「別に仲良くはないけど・・・たまたま会って、お互いご飯行くとこだったから」
「元気そうだったか?」
「仕事は大変みたいだけど、相変わらずよ」
「・・・そうか」
「シャンクス中島君と仲良かった?」
「いや・・・だがまあ同期だからな」
名前も忘れていたくらいには興味はない。
アコに接近しなければ、だが。
「今は部署も違うしね」
「どんな話しをしたか聞いても?」
「あ、もしかして自分より先に出世したとか気になってる?」
「いや、あいつは優秀だ。俺より先に出世しても当然だよ」
・・・たいして知らねェが。
「シャンクスの方が優秀だと思うけど」
「適当にやってるだけさ」
「・・・適当にやってあれって相当すごいわよ」
「まあ俺は出世にはあまり興味がねェのさ」
「で、何を話したか、だっけ」
「ああ」
「お互いの最近の近況話したくらいで、別にこれと言って何も・・・あ、大将冷酒おかわり」
「あいよっ」
・・・この分なら特に何もなさそうだが。
あの顔の理由がわからねェな。
「・・・どうかした?シャンクス」
「ん?」
アコが心配そうな顔で俺を覗きこんで来た。
ああ、可愛いなァ。
「何か悩んでるみたいだったから」
「・・・・いや、何でもない」
「・・・・ホントに?」
「ああ、今悩みはねェ」
アコが俺の顔をじぃ、っと見つめる。
「・・・そんなに見つめられると顔に穴が開きそうだ」
「飲んで」
「・・・おい?」
アコが俺のグラスに酒をなみなみと注ぐ。
「はい、飲んで。いっぱい飲んで」
「アコ、」
「私も飲むから。飲んでたぶん明日記憶にないわ」
だから安心して全部話して、と笑う。
・・・・ああ、好きだ。
心からそう思うよ。
「・・・俺も、妬いてもいいか?」
「え?」
アコの手をそっと握った。
「いや、もう妬いてるんだ、実は」
「・・・中島君に?」
「ああ、呆れたか?」
「そう・・・・ね、ごめんなさい軽率だったわ」
気になるアコの反応はと言えば、
悲しそうな顔で俺に頭を下げた。
「いや、悪いのは心の狭い俺だ」
「ううん、立場が逆だったらたぶん私も同じように嫌だと思うから」
・・・こんな顔をさせたかった訳じゃねェんだがな。
駄目だな、俺は。
最低だ。
「・・・・すまん」
「・・・シャンクス明日暇?」
「明日?予定はねェが」
「じゃあ私とデートしない?」
「それは勿論、喜んで受ける」
唐突な提案に首を傾げる。
嬉しい申し出ではあるが。
「今日のお詫びに美味しいお店紹介するわ」
「・・・だがそれじゃあ」
「だからシャンクスそこの食事代お願い」
「・・・それでいいのか?」
「それでおあいこ、でどう?」
そう言って花が咲いたように笑うアコがたまならなく愛おしい。
「交渉成立だ」
「明日、楽しみにしてる」
「俺もだ」
・・・・・俺も、まだまだだな。
+男の嫉妬 終+
その光景を見た時に思わず舌打ちが漏れた。
昼飯に誘おうかと思ってアコを探したが、
見たくないものを見ちまった。
・・・・アコと、隣に居る男。
見たところこれから2人で食事、といったとこか。
同期の・・・名前は忘れたが、前にアコにフられた男だ。
間違いねェ。
部署も違うしもう関係を持つことはねェだろうと高を括っていた。
アコが嫌がってる素振りがあればすんなり行けるが・・・。
満更でもなさそうだ。
どういうことだ、と思案する。
両想いだと思っていたのは早計だったか。
この間までは悪くない雰囲気だったはずだが。
・・・・心変わり、か?
いや、それにしては早すぎる。
・・・ただ飯食いに行くだけだ。
そう自分に言い聞かせはしたものの、
気になって2人の後をつけた。
ただ何を話してるかまではさすがに聞こえないな。
まあ、場所もファミレスだ。
危惧するようなことはないだろう。
・・・・と、思うが。
思った瞬間、見えていたアコの顔が、女の顔に変わったのを俺は見逃さなかった。
・・・頬を赤く染めて。
「・・・・は、」
思わず笑い声が漏れた。
口元を押さえて監視を続ければ、
何事もなく2人は食事を終えて、
会社へと戻った。
・・・自分の心に宿るどす黒い感情。
相手の男をどうしてくれようか、とすら思う。
いや、落ち着け。
良く考えろ。
・・・いきなり過ぎやしないか?
事実を確かめる必要がある。
「アコ、お疲れ」
「お疲れ様。明日はやっと休みね」
「帰りに一杯、どうだ?」
アコの好きなところでいい、と言えば少し考えた素振りを見せてから、
「んー・・・・じゃあ焼き鳥」
と答えた。
「ああ、最近行ってないな。よし、行こう」
なるほど、カロリーを気にしてるアコには焼き鳥なら問題ないな。
逸る気持ちを押さえて、
何気ない会話をしながら久しぶりの焼き鳥屋へ。
「昼は何を食べたんだ?」
「パスタ。同期の中島君と」
「・・・仲良かったとは知らなかったな」
さりげなく探りを入れる。
「別に仲良くはないけど・・・たまたま会って、お互いご飯行くとこだったから」
「元気そうだったか?」
「仕事は大変みたいだけど、相変わらずよ」
「・・・そうか」
「シャンクス中島君と仲良かった?」
「いや・・・だがまあ同期だからな」
名前も忘れていたくらいには興味はない。
アコに接近しなければ、だが。
「今は部署も違うしね」
「どんな話しをしたか聞いても?」
「あ、もしかして自分より先に出世したとか気になってる?」
「いや、あいつは優秀だ。俺より先に出世しても当然だよ」
・・・たいして知らねェが。
「シャンクスの方が優秀だと思うけど」
「適当にやってるだけさ」
「・・・適当にやってあれって相当すごいわよ」
「まあ俺は出世にはあまり興味がねェのさ」
「で、何を話したか、だっけ」
「ああ」
「お互いの最近の近況話したくらいで、別にこれと言って何も・・・あ、大将冷酒おかわり」
「あいよっ」
・・・この分なら特に何もなさそうだが。
あの顔の理由がわからねェな。
「・・・どうかした?シャンクス」
「ん?」
アコが心配そうな顔で俺を覗きこんで来た。
ああ、可愛いなァ。
「何か悩んでるみたいだったから」
「・・・・いや、何でもない」
「・・・・ホントに?」
「ああ、今悩みはねェ」
アコが俺の顔をじぃ、っと見つめる。
「・・・そんなに見つめられると顔に穴が開きそうだ」
「飲んで」
「・・・おい?」
アコが俺のグラスに酒をなみなみと注ぐ。
「はい、飲んで。いっぱい飲んで」
「アコ、」
「私も飲むから。飲んでたぶん明日記憶にないわ」
だから安心して全部話して、と笑う。
・・・・ああ、好きだ。
心からそう思うよ。
「・・・俺も、妬いてもいいか?」
「え?」
アコの手をそっと握った。
「いや、もう妬いてるんだ、実は」
「・・・中島君に?」
「ああ、呆れたか?」
「そう・・・・ね、ごめんなさい軽率だったわ」
気になるアコの反応はと言えば、
悲しそうな顔で俺に頭を下げた。
「いや、悪いのは心の狭い俺だ」
「ううん、立場が逆だったらたぶん私も同じように嫌だと思うから」
・・・こんな顔をさせたかった訳じゃねェんだがな。
駄目だな、俺は。
最低だ。
「・・・・すまん」
「・・・シャンクス明日暇?」
「明日?予定はねェが」
「じゃあ私とデートしない?」
「それは勿論、喜んで受ける」
唐突な提案に首を傾げる。
嬉しい申し出ではあるが。
「今日のお詫びに美味しいお店紹介するわ」
「・・・だがそれじゃあ」
「だからシャンクスそこの食事代お願い」
「・・・それでいいのか?」
「それでおあいこ、でどう?」
そう言って花が咲いたように笑うアコがたまならなく愛おしい。
「交渉成立だ」
「明日、楽しみにしてる」
「俺もだ」
・・・・・俺も、まだまだだな。
+男の嫉妬 終+