False love
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
黒髪美女の正体がわかった。
2人は何でもないのだと、わかっても。
状況は何も変わらない。
もう完全に認めた。
私はシャンクスが好き。
このままでも、って思ってたけど。
このままじゃ嫌。
・・・・それなら、シャンクスに私のことを好きになってもらわないと!
ゲーム感覚、なりゆきとは言え偽の恋人にはなってくれるくらいなんだから、
好感度は悪くないはずよね。
行きつけのお店も教えてくれたし。
・・・・妬いていいって、言ってくれたし。
や、何処まで本気かわからないけど。
それでも何もせずにはいられない。
とは言え、今まで男性にアピールなんてしたことない。
・・・・どうやってするものなの?
と、とりあえず出来ることから少しずつ!!!
「アコ、今日は何処へ行く?」
お昼休憩。
いつもなら2人で食べに行くんだけど、
「きょ・・・・今日はここで食べない?」
「ああ、社食か?たまにはいいな」
「・・・・じゃなくて」
「・・・・ん?」
「お弁当、作って来たの」
2人分のお弁当をそっと差し出せばシャンクスは目を丸くした。
「・・・・俺の分も、あるのか?」
「いや私2つも1人っで食べられないわよ」
「ははっ、そうか!・・・嬉しいな」
そして本当に嬉しそうに目を細めて笑う。
ほっとした半面、
あれ・・・シャンクスっていつも嬉しそうだよね?
と疑問が浮かんだ。
・・・・これ本当に喜んでる?
「一応・・・・恋人っぽく」
「美味そうだ、頂きます」
「・・・・頂きます」
一応味見はした。
料理は得意じゃないけど苦手でもない。
そんなに凝ったものは作れないけど、そこそこのものなら。
「ん、美味い」
「お口に合ったなら良かった」
美味しい、とシャンクスは言ってくれたけど。
シャンクスいつも笑ってるからそれが本音なのかは窺い知れない。
「ご飯足りそう?」
「十分だ」
シャンクスはそう言うと私の口元にウィンナーを突き出した。
「・・・・嫌いだった?」
「いや、恋人だろう?これくらいはいいはずだな?」
・・・・ああ、はいあーん。
ってやつね。
「でもそれって普通逆・・・」
「やってくれるのか?アコ」
言われて思わず言葉に詰まって、素直に口を開けてウィンナーを入れた。
さすがにそれは恥ずかしい。
いやこれも恥ずかしいけど。
とりあえずは胃袋掴むのに成功、かしら。
「我ながら美味しくもなければ不味くもないわね、安心」
「俺には格別に美味い」
「・・・・そう?」
「惚れた女の手作り弁当が美味くないはずはねェ」
・・・・惚れた女、ね。
それが本当ならどれだけ良かったか。
「私も好きな人のことを思って料理するのは楽しいから、また作るわ」
「頼む」
にっこり。
お互い笑ってるけど腹の中は読めない。
・・・・でもとりあえず、お弁当はまた作って来ようと心に決めた。
その後はどうしようか決めてなかったけど、
仕事が忙しくて何も出来なかった。
・・・・というか、疲れてしまった。
考えることに。
アピールすることに。
慣れないことはするもんじゃないわね。
「お疲れ」
「・・・シャンクスも、お疲れ様」
「怒涛の1日だったな」
「ホント。でも無事に終わった」
「どうだ、今日は帰りに一杯」
「あ・・・・・・」
「・・・・どうした?」
勿論、と言いたいところだけど。
実は最近体重が気になるところ。
もう夜も遅い。
ただでさえ外食はカロリーが気になる。
「・・・・今日は、やめておくわ」
「具合悪いか?」
「疲れたから」
「そうか、なら送って行こう」
「・・・平気」
って1度は口にしたけど。
「・・・・アコ?」
「ごめんなさい、嘘吐いた」
「嘘?」
私はシャンクスの本音が知りたいのに、私が嘘を吐いたら駄目な気がした。
「最近ちょっと体重が・・・・・ね?」
私から心を開かないと。
・・・いやまあ私がただシャンクスの本音わからないだけなんだけど。
「・・・すまん」
「・・・何が?」
「言いたくないことを言わせちまった」
シャンクスは頭に手をやり、がしがしと掻いた。
・・・知ってる、これシャンクスが何かを悔やんだ時にする癖。
「シャンクスが謝ることじゃないわ、気にしないで」
「いや、俺が気付いてれば良かった」
「シャンクスは超能力者じゃないでしょ。今日は歩いて帰るわ」
「ならなおのこと送らせてくれ」
「・・・・でもシャンクスだって」
疲れてるのに。
「アコに何かあったら死んでも死にきれない、頼む」
大袈裟、と思ったけど。
「・・・有難う」
嬉しいので素直に受け取めることにした。
帰り道シャンクスが、
「弁当にダイエットに・・・恋してるみたいだな」
と言って来たので、
「そうね。恋はしてる」
と言ったらシャンクスが酷く驚いた顔をした。
それから、へえ、と笑って、
「相手を聞いてみたいもんだ」
と言うので。
「勿論シャンクスよ」
と笑えばシャンクスの頬が赤く染まった。
・・・・・・意外と、
シャンクスが私に見せる顔って全部本当だったりするのかもしれない。
そうならいいなと思った。
+心の底の 終+