3千万ベリーの恋
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「もう一杯飲むか?」
カクテルを飲み終えたアコを見てそう勧めたが、アコは赤い顔で首を横に振った。
「ん、大丈夫。それよりご飯食べたい」
「まだ一杯だぜ?ホントにもう酔ったのか?」
信じられないというように呟くヤソップにアコは、はにゃ、と笑った。
「まだ酔ってませんよう。酔わないうちにやめとかないと、です」
「・・・顔が赤くなっただけ、か?」
「そりゃ一杯でそんな変わりませんよベンさん。あ、でももう飲まないですからねー?」
話し方もたいして変わっていない。
・・・はずだが。
目の前にあった肉料理に手を伸ばしたアコはそれを口に運ぶと美味そうに顔を綻ばせた。
「美味しー!そういえばこないだ食べたチャーシュー麺のお肉も美味しくてね、ルフィが食べたら喜ぶと思った!」
「あーあいつ肉好きだからなあ」
「ルフィは食べてるとこと戦ってるとこが好き!あとね、皆とふざけてるとことか」
酔って眠いのか、目をとろんとさせて、ルフィのことを夢中になって話すアコは可愛いが、あまり心地いいものではない。
「そんでさ、私ルフィのことはそれなりに知ってるけどシャンクスのことはあんまわかんないんだよねー出番少ないから」
「・・・そりゃ寂しいな」
言いながらちら、と目だけをヤソップとベンに向けた。
2人はそれだけで理解してくれたようで、そのまま酒を持って離れていった。
「でもねーとりあえずシャンクスのことでわかったこともある訳よ」
「ほう?」
「シャンクスは男にモテる男だと思う!」
「・・・・そりゃあ喜んでいいのか?」
「わかんない」
・・・・・何だそれ。
何だ、このアコの可愛さ。
確かに色っぽくはない。
話し方もしっかりとしている。
「シャンクスー?どした!」
「俺のことを知りたいなら教えてやるぞ?ベッドの中でな」
「あはは!何それ睡眠学習かって!」
口説いてもすらりと交わすところさえいつものアコだ。
だが、
酔っているせいか、何処か子供っぽくなったような気がした。
それが何故、こんなにも愛しいと思うのか。
・・・・・やべえ、な。
「アコ」
「ん?」
「今後俺以外のヤツの前で酒を飲まないと約束出来るか?」
「んーまあ私お酒苦手だから飲まないと思うけど。え、私そんな酔ってる?」
「酔ってはいるな。・・・・可愛い」
何気なく出た言葉だったが、別に今更それにアコが照れるとか、そういうのを期待していた訳ではなかった。
だが、
「かわっ・・・!?」
「・・・・アコ?」
顔が赤いのは酔っているから、だろうが。
今のアコは耳まで真っ赤だ。
「・・・・・かっ可愛いとか簡単に言うもんじゃっ、!?」
ぷつん、と自分の中で何かが切れた音がした。
気がつくとアコの腕を力任せに引っ張り、口付けていた。
そういえば前も寝顔が可愛いとか言われたんだっけ、と思いながら暴れる心臓を落ち着かせようとした刹那。
強く腕を引かれて、
気がつくと目の前にシャンクスの顔があった。
唇に押し付けられたそれが、
シャンクスの唇であること。
・・・・すなわち今私がキスされているのだと把握するのに何秒かかっただろう。
唇が離れるまでが長く感じた。
「・・・っ酒くさ!」
キスされてる間、これ終わったらどんな顔すればいいんだろう、どんなこと言えばいいんだろうと考えていたけど。
思わず出た言葉に、自分でも驚いた。
あ、やべ。
シャンクスと目が合って、その瞬間。
ふ、と泣きそうに笑った。
あの、シャンクスが。
いつものように大きい声で笑ってくれたら良かったのに。
そして、
「悪かった」
そう一言残して去っていった。
・・・・いつの間にかベンさんもヤソップさんも居なくなってて。
私は1人残されて。
動けなかった。
+○○○は酒の味 終+