False love
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「売れるかな」
持ち込みOKのカラオケ屋さんにお酒やらおつまみやらを持ち込んで。
さっき奇跡のGETをしてしまった某有名パークのチケットのお話し。
「売るのか?せっかく取ったのに」
「シャンクス欲しいならどうぞ」
「いいのか?」
「何なら好きなコ誘って行ってきなよ」
「なら遠慮なくもらおう。アコ、空いてる日は?」
・・・・・思わず飲んでたチューハイを吹き出しそうになった。
「・・・・私?」
「行ってくれないか?一緒に」
「・・・・・・いいけど」
せっかく好きなコと行って来なって言ったのに。
「いつなら空いてる?」
「・・・・・行くなら平日に行きたい」
「平日?」
「だって土日行ってもねえ・・・・」
正直人を見に行くようなもので。
「とるか?有給」
「とろう、有給」
2人で見つめ合って頷いた。
「ちなみにシャンクス最後に行ったのいつ?」
「・・・・・・・高校の時に学校の行事で行った気がするな」
「私も同じ。卒業記念かなんかで」
思い出せばその後友人に誘われたりもしたけど、予定が合わなかったりで結局今まで行かずずまい。
今まで付き合ってた人とも行こうという話も出なかったし。
久しぶりに行くんだもの、思い切り楽しみたい。
満喫したい。
チケット代金100円だし。
「じゃ、そのうち平日に有給合わせて行こう」
「楽しみにしてる」
・・・・2人で有名テーマパーク、か。
何かホントのカップルみたい。
って、今日ゲーセン来てカラオケに来てるのも本物のカップルっぽい気がする。
「ところでアコ、約束のハグは?」
「・・・ハグまでしたら完璧に恋人ね」
「恋人だろう?」
「はいはい。どーぞ」
お酒が入ってたこともあり、思い切って腕を広げた。
「悪いな」
「・・・・ん」
シャンクスはそう言うと優しく私を抱きしめた。
・・・しっかり鍛えられた身体は固くて。
少しの汗とお酒の匂い。
「・・・・・どう?」
「柔らかくて気持ちいい」
「・・・・・・・・そーね、少し太ったかもしれないわ」
少しショックを受けたら、シャンクスが笑った。
「いや、すまん。・・・・そういう意味じゃねェんだ」
「・・・・じゃあどういう意味?」
「幸せだってことさ」
「・・・・誤魔化したわね」
少しだけ口調を強めた私にシャンクスがゆっくりと身体を離した。
「・・・・さて、そろそろ何か歌わないか?」
また、誤魔化した。
さらりと笑顔で。
・・・・いつもこうやって、何かを誤魔化されてる気がする。
でも問い詰めたところで話す気はないんだろうから、
問い詰めるだけ時間の無駄と私も理解してる。
それに、
「シャンクス何歌うの?」
これにはちょっと興味もある。
「だいたい何でも歌えるとは思うが。リクエストあるか?」
「・・・・何でも歌えるの?すごいね」
じゃあ何にしようかな、と考えて。
「これ」
「・・・好きなのか?」
私が提案したのは、超有名なアニメソング。
アニメをよく知らない人でも恐らく聞いたことくらいはあるだろうと思われる。
かくいう私も、
「アニメはよく知らないけど歌は好き」
「問題ない」
とシャンクスも言うのでその歌を登録。
シャンクスにマイクを渡して、
前奏が始まった。
間もなくシャンクスが口を開いて、
歌い始めた。
シャンクスがマイクを置いてこちらを見た。
「・・・・・耳汚しだったな」
「・・・・・・・・・破壊力よね」
「・・・・耳が壊れたか?すまん」
しゅん、とシャンクスが落ち込んでしまったので慌てて首を横に振った。
「とりあえず断言しとく。惚れさせたい女子にはカラオケ連れて来な」
「ということは、アコは俺に惚れたと取っていいのか?」
「危うく惚れかけた」
シャンクスの低く優しい声で。
力強く歌われて。
・・・・・・・ドキドキ、した。
「残念、あと一歩か」
「次私も歌おうかな」
「聞かせてくれ」
「・・・・シャンクスのあとじゃ気まずいけど」
「俺は聞きたい。俺もリクエストしても?」
「・・・・いいけど」
シャンクスが意気揚々とリクエストしてきたのは、
「ん。おけ」
バラードの恋愛モノ。
結婚式の定番。
・・・・・・を、歌い切って。
「上手いじゃないか」
「お世辞は結構よ」
「生憎と世辞じゃねェ、聞き惚れた」
「・・・・・会社辞めて2人でユニット組んで歌手でもやる?」
「いいな。アコとなら売れそうだ」
「・・・ポジティブね。、まぁ、ポジティブでなきゃ人生やってられないか」
「その通りだ。歌って少しはストレス発散出来たか?」
「・・・・うん。できた」
ゲーセン行って。
お酒飲んで話しをして。
歌って。
聞いて。
・・・・・・・・・間違いなく楽しい1日だったと言える。
「ありがと、シャンクス」
+宴 終+