False love
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「昨日はシャンクス先輩と2人きりでどうでしたか?」
「・・・・・・・は?」
にこやかにとんでもないことを口走ったのは、
4個下の後輩。
ふんわりとした雰囲気、ピンクの持ち物が多いことから、
通称姫。
と呼ばれてることは知ってる。
「あたしぃ、アコ先輩とシャンクス先輩のこと応援してるんですぅ」
「・・・・倉庫に鍵かけたの、あなた?」
「はいっ2人きりになれた方が嬉しいかなって」
嬉しい訳あるか餓死するかと思ったんですけど。
・・・・とは言わないでおくけど。
「気遣ってくれるのは嬉しいけど、心配しなくてもちゃんと2人の時間はあるから」
「あれ、嬉しくなかったですか?」
「内側の鍵壊れてるの知ってて外から鍵かけたのよね?私たちに何も言わずに。それで嬉しいと思う?」
「えーその方がいいじゃないですか」
「せめて前もって言っておいて欲しかったって言ってるの。もし私がドア壊してたらどうするの?」
「弁償しますぅ」
・・・・前から思ってたけど変なコ。
「とにかくもういきなりそういう気遣いしなくていいから。ね」
「・・・・はぁい」
「ああ、そのコなら俺のところにも来たぞ」
「来たの!?」
シャンクスと一緒にお昼ご飯(今日はお蕎麦)を食べながら姫のことを話していたら、
シャンクスが驚きの発言をした。
「アコと2人きりになれて嬉しかっただろうと言いに来た」
「・・・・・・何なの?」
「応援してる、とも言ってたが」
「応援してるも何も・・・・もう恋人ってことになってるのに」
「アコを慕ってるだけじゃないのか?」
「慕われる程親しくない」
慕われる何かがあった心当たりもない。
「ははっ、正直だな」
「シャンクスの方じゃないの?」
「残念だが俺の方こそアコ程面識がねェ」
顔と名前は一致する、くらいだ。
とシャンクス。
「不気味よね」
「いいじゃねェか、応援してくれてるなら」
「・・・・応援する理由がわからないから不気味だと思うんだけど」
どちらかに恩があって、それで応援すると言われたら素直に受け取ろうと思うけど。
互いに心当たりもないのにあんな熱心に応援されても。
「俺は応援される分には心配ないと思うが」
「また変なことされたらどうするの?」
「そん時は俺が居る」
「ガツンと叱ってくれる?」
「アコを守るのが俺の仕事だ」
「それ仕事じゃない」
「ま、本人に聞くのが1番早いな」
「・・・・それもそうね」
「ところでこの蕎麦屋、いいな」
「確かに。雰囲気も好み」
「夜また来ないか?酒も美味そうだ」
「賛成」
帰りに姫を見かけたので、
声をかけて聞いてみた。
「私たちを応援する理由って何?」
「・・・・理由、必要ですかぁ?」
「そうね。理由もないのに応援されるのって気味が悪い」
「アコ先輩が憧れだからですぅ」
「嘘くさい」
「・・・・・・・・・酷いですぅ」
言いながら傷ついた顔はしてるけど、内心むっとしてるのが見え見え。
「恨みがあるっていうんなら受けて立つけど」
「今はないですよぅ・・・・」
今は?今は、って言った、このコ。
「じゃあ前はあったの?」
「・・・・っていうかぁ。もう私帰るんで!失礼します!」
「・・・・気を付けて帰るのよ」
「・・・・・って感じ」
「だっはっは、そりゃ大変だったな」
「ほんと。前は私恨まれてたらしいし」
「で、恨まれてた理由もわからない、と」
「今夜は美味しいお酒が飲みたかったんだけどな」
「美味いぞ、焼酎の蕎麦湯割」
「卵焼きもね」
「今度俺から聞いてみてもいいが」
「私より面識ないのに?・・・・イケメンになら心を開くかな」
「そうか?そういう目で見られたことはない」
「そうなの?」
じゃあシャンクスでも駄目かな。
そう思ってたら、シャンクスがふとお箸を止めた。
「・・・・・シャンクス?」
「・・・・そういうことか」
「いや、どういうこと?」
「俺にはわかったような気がする」
「何で!?」
「教えて欲しいか?」
「欲しい」
じゃないと酒が不味いまま。
「教えてもいいが・・・条件がある」
「・・・・何?ここなら奢るよ?」
「いや、奢らなくていい。条件は、ハグだ」
「・・・・・・・はぐ?」
「よく言うだろう?ハグすることで人はストレスが減少すると」
「ああ・・・・まあ」
「溜まってるんだ、ストレスが」
「・・・・・・・・ハグ、ねえ」
「どうだ?」
どうだ、と言うシャンクスは楽しそうだ。
・・・揶揄ってるのかな。
まあでも。
「いいわ」
「成立だな。答えは簡単だ。あのコの好きな男がアコのことが好きなんだろう」
「・・・・・・・・・・え、何それ」
思ってもいなかった答えにぽかん。
「ライバルだった頃のアコは憎かったんだろうが、今アコには俺という恋人がいるだろう?」
「あ・・・・なるほど、それで今は違うのね」
それで応援してる、か。納得。
「これで安心だな」
「すごいねシャンクス・・・・」
「ただの勘だ」
「でもこれで美味しいお酒が飲めるっ」
「ははっ、良かったな」
「ほんと。ありがとね」
「楽しみにしてる」
「ん?」
「ストレス解消」
「あー・・・・・はいはい」
ハグでストレス解消、ね。
私のストレスも解消されるかな。
+ストレス 終+