False love
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「何ということでしょう」
休みの日。
テレビで餃子を食べるアナウンサーを見て、
私も美味しい餃子が食べたい!!
美味しい餃子と言えば焼きたて!!
焼きたてとえいば作るしかない!!
とスーパーに走り、
材料を買って作った(焼く手前)はいいけれど!!
作りすぎた。
思わず夢中で作ってしまった。
全部の材料使うことなかったのに!!
あー・・・・・これしばらく餃子。
ニンニク臭のする女になってしまう。
それは避けたいところ。
かといってこの餃子を1人で食べることは出来ないし。
・・・・友達呼んで餃子パーティ?
皆既婚だわ。無理。
・・・・となると。
「・・・・・いらっしゃい。ごめんね、急に」
「いや、アコの手作り料理が食えるんだろう?」
こんな時思いついたのは1人しか居なかった。
情けない。
「手作り料理・・・・・・・っていうか」
「ていうか?」
「餃子しかないの。ビールはあるけど」
「餃子とビールがあれば十分だ。邪魔する」
「手伝ってくれるとすーごく助かるの。作りすぎちゃって」
座ってて、とシャンクスを促してキッチンへ戻った。
ちょうどいい頃合い。
「とりあえず焼き餃子と揚げ餃子にしてみた。調味料も色々」
ラー油とか豆板醤とか、柚子胡椒とかそろえてみた。
「美味そうだ」
「はいビール。と、焼きたて、と揚げたての餃子ね」
「一緒に飲もう、アコ」
「んーでも後片付け」
「餃子は焼きたてが1番美味い」
「・・・・そうね。乾杯」
シャンクスに説得されて、元々その為に餃子を焼いたことを思い出して私も座った。
そして、グラスを合わせて乾杯。
ぐびぐびぐび、と喉を通っていくビール。
「・・・・っぷ、はああああ!!」
思わず声が出る美味しさ。
「だっはっは、いい飲みっぷりだな!」
「無我夢中で餃子作って疲れたから。すっごく美味しい」
「餃子も美味い。手作りとは思えない美味さだ」
「んー・・・・・。ん。あふい」
シャンクスが美味しそうに食べてくれるから、
嬉しくなって私も一口でいったら想像以上に熱かった。
熱い。でもうん、美味しい。
「しかし何でまた餃子をこんなに?」
「テレビで見て美味しそうだなって思って」
「テレビに感謝だな。幸せだ」
「でも・・・シャンクスに手伝ってもらってもこの量じゃ明日はニンニク臭は免れないわね・・・・」
「なら明日は俺と2人きりコースだな」
「シャンクスと2人きりコース?」
「俺も似たようなもんだ、俺となら気にならないだろう?」
「・・・・ってそりゃそうだけど、そういう訳にはいかないでしょ」
「出来ねェことはないさ」
「・・・・どうやって?」
「取り急ぎの仕事はなかったはずだな?」
「ないと思うけど」
「3日後に倉庫の片付けが控えてるのは覚えてるか?」
シャンクスに言われて思い出す。
ああ、うん。
確かに一昨日そんなことを言われた。
倉庫が散らかりまくってるから近々片付けるようにって。
いつでもいいけどじゃあ空いてる日ってことで3日後って話しになってる。
「でもそれってもう1人参加のはずじゃない?」
「明日もう1人のその参加者は出張でいない」
「・・・そこを狙うのね」
「1日中、という訳にゃいかねェだろうが、それでだいぶ2人きりになれる」
「3人でやる片付け2人で大丈夫かしら」
「俺とアコなら問題ない」
私の不安もさらっとシャンクスが消していく。
まあいずれやらなきゃいけないことではあった。
別に片づけを必ず3日後にやらなきゃいけないわけでもない。
・・・・まあ、いっか。
「私倉庫最近1回も入ってないんだけど、どんな感じ?」
「悲惨だな」
シャンクスは笑いながら即答した。
「・・・・それはちょっと」
良くないかも。
「半日ありゃ何とかなるさ」
「・・・・・そ?」
「ああ、そう思ってる」
「・・・・じゃあそれで。あ、口直しに漬物もどう?」
「頂こう」
「この間スーパーで白菜激安だったから浅漬けにしたの」
結構辛めに作ったからビールのアテにもぴったりだし、
口の中をサッパリされるにもうってつけ。
「これもアコの手作りか。アコはいい嫁さんになるな」
「こんな適当料理で喜ぶ男がいたら会ってみたいわ」
「ここにいる」
「餃子と漬物よ?」
「駄目なのか?」
シャンクスが不思議そうな顔で私を見て来た。
「逆に聞きたい。駄目じゃないの?」
「駄目じゃないだろう?こんなに美味いモン食わせてもらって文句言ったら罰が当たる」
「だって足りないでしょ、これだけじゃ」
「漬物で白飯1杯食えれば満足だ」
「・・・・・シャンクスって食卓にお酒さえあれば何でもいい人?」
我ながら失礼なこと言ってる自覚はある。
・・・・ある、けどさ。
だってこんな人居る?
「酒がなくても愛する女が作ってくれたもんがありゃ文句は言わないつもりだ」
「・・・・シャンクス、何で結婚しないの?」
「プロポーズしてないからだな」
「いい人いたらさっさとした方がいいわ。絶対成功する、私が保障する」
「そりゃ有難い」
この時のシャンクスは少し表情が硬いように見えた。
・・・・まあ、いい人がいないから私とこんな関係やってるんだもんね。
申し訳ないことしちゃった。
「餃子の追加、焼くわね」
「ああ、頼む」
シャンクスのおかげで餃子は見事に食べきりましたとさ。
+ごちそうさまでした 終+