False love
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「お邪魔しまーす」
「狭い所だが自分の家だと思って寛いでくれ」
「1人暮らしにしては広い方じゃない?」
「そうか?」
突然の訪問にも関わらずシャンクスの部屋は綺麗だった。
・・・・・私なら突然の訪問はお断り、だ。
「早速だけど台所拝見していい?」
「ああ、こっちだ」
案内されて驚いた。
「・・・・・・すごいわね」
「何のことだ?」
そこには、ずらりと並べられた調理器具と調味料。
「料理には興味があってな、とりあえずと買ったは買った」
「やってみなかったの?」
「やろうとはしたんだが・・・・・」
「だが?」
「何処から手をつけていいもんかわからなくなっちまった」
苦笑を浮かべるシャンクスになるほど、と納得。
そりゃあこれだけ調味料があればねえ。
「そんなに凝ったもの作りたい訳じゃないんでしょ?」
「ああ、まァな」
「じゃあ必要なのはこんなもん」
「・・・・これだけでいいのか?」
「これで十分な料理が出来ます」
醤油、塩、砂糖、みりんに料理酒、お酢とソースなどなど。
「すごいな」
「全然すごくないです。普通です」
「ははっ、そうか」
「ほんとに全然使ってないね・・・・」
未使用のものばっかり。勿体ない。
「料理の出来ない男は嫌いか?」
「出来ない男は嫌いじゃないけどしない男は嫌い」
「・・・・胸に刺さるな」
「普段ほぼ外食?」
「そうなるな」
まあ、仕事も忙しいしね。
1人分だと作るのも面倒なのもわかる。
「簡単なものくらいは出来るようになっておいた方がいいと思う」
「・・・教えてくれるか?」
「教える程のものでもないけど・・・・」
例えば、と失礼して冷蔵庫を見て。
「余ってる野菜のざく切りと焼き鳥の残りを油をひいたフライパンで炒めて」
塩コショウでざっざっと炒めて終わり。
「・・・・簡単だな」
「でしょ?」
「塩コショウの適量は?」
「そんなの適当」
「なるほど」
私の回答にシャンクスが笑った。
「フライパンを使うのすら面倒な時はコレ」
「ネギか?」
「ネギも焼き鳥も切って、ごま油と塩を適当にぶちこんでレンジにお任せ。結構美味しい」
「美味そうだ。すごいな、アコは」
褒められて悪い気はしないけど。
「シャンクスだってこれくらいなら出来るでしょ?」
「これからは出来る」
「ネットでも調べれば色々出て来るから」
「参考にする。ところでこの美味そうな匂いにそろそろ我慢が出来ないんだが」
「頂きましょう!」
「酒の準備はしておく、座っててくれ」
「はーい」
よろしく、と言って私は台所を離れた。
こじんまりとしたテーブルとイス。
「待たせた」
「わ、これホントにいいやつじゃない」
「だろう?俺のとっておきだ」
地酒、純米酒。
これだけでもかなり楽しみだ。
「じゃあ改めて、頂きます」
「頂きます。・・・・・美味い」
「なら良かった。ん、このお酒とも相性バッチリね」
「最高だな」
シャンクスも嬉しそうで何より。
・・・・・だけど。
「・・・・・・ちょっと強いね」
「酔ったか?」
「すでに酔ってたしね」
焼き鳥屋で飲んできたし。
「辛いならうちに泊まって行ってくれ」
「・・・・・・・さすがにそれは」
スキャンダラスすぎやしないかい。
「俺は構わない」
「私が構う」
「そうか?なら送って行こう」
「・・・・・・そうか、そうだね」
シャンクスはそういう男だ。
送らせるのも悪い。
でも絶対断ったところでそれを受け入れない。
でも泊まるのは問題過ぎるんだよ。
いくら明日が休みでも!!
「じゃあ早めに切り上げるから送って」
「・・・・そっちをとるか」
「当たり前でしょ。迷わず送ってもらいます、よろしく」
ぷはぁ、とお酒を飲みほした。
「了解した」
「・・・・・・よくあるの?」
「・・・何がだ?」
「こういうこと」
「こういうこと?」
「女の子連れ込んでお酒飲んで酔わせて潰して泊まらせるの」
思わず本音が出たらシャンクスがぴたりと動きを止めた。
「・・・・心外だな、それは」
「あ、ごめ・・・・・」
怒らせたのかと内心焦ったけど、
「アコだけだ」
・・・・・次の瞬間にものすごく優しい笑みが向けられたので安心した。
「そっか、同期の特権だあね」
今度誰かに自慢しようかと思ったけど、
恋人なんだからって言われそうだと気付いた。
・・・・・・酔ってるなあ、私。
でもシャンクスもシャンクスで、
「だっはっは、そうだな!同期の特権だ」
と楽しそうに笑うので、
まあいっか、とお酒に口をつけた。
あー美味し。
+美味しいもの 終+