3千万ベリーの恋
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「ただいまー」
1日ぶりに船に戻ると、皆がにやにやしてた。
気持ち悪い。
「おかえりアコ・・・・お頭と一晩過ごしたんだろ?どうだったんだ?」
「買い物はしっかりしてきましたけど。あ、ご飯美味しかったですよ!」
私がそう言うと、変な顔をする皆。
何なんだ。
「夜はどうだったんだよ?」
「いや、だからご飯が美味しかったんですって」
「・・・それだけか?」
「朝御飯も美味しかったですけど?」
次に皆はいっせいに隣に居るシャンクスを見た。
シャンクスは苦笑しながら、
「一緒のベッドで寝ただろ?アコ」
途端周囲にざわめきが起こり、口笛やら何やら騒がしくなった。
けれど、私が次の言葉を発した瞬間それはぴたりとやんだ。
「ああ、ベッドふかふかでしたよ!」
「・・・・・・・お頭、まさか」
「何も言うな」
ショックを受けたような皆の顔にシャンクスは寂しげに笑った。
え、何なの本当。
「で、実際どうだったんだお頭」
その日の宴で、ヤソップが興味津々と聞いてきた。
「やめてやれヤソップ、お頭が可哀想だ」
「そりゃないぜベンちゃん・・・確かに失敗だったけどよ」
一晩を2人きりで過ごし、アコに意識させる。
もしくは照れさせる。
それが今回の目的だった。
「食事ん時にそういう雰囲気に持ち込めなかったのか?」
「・・・・アコが頼んだのがチャーシュー麺と餃子でなかったら持ち込んださ」
「・・・ぶ、すれば良かったじゃねえか餃子味の、キス・・・ぶははは!」
他人事だと思って爆笑しやがってヤソップめ。
「だが同じベッドで寝たんだろう?」
「それがな・・・俺が風呂入ってる間に先に寝てたんだよ、ベン」
「うっわ泣けるなそりゃ」
「一緒に寝るってことにたいしての反応は?」
「ベッドが狭くなるぅ!・・・だったよ」
これには2人で大爆笑だ。
「ぎゃははは!さすがアコだな!」
「夜中に1度アコが目を覚ましたんで抱きしめてみたんだが」
「拒否られたか?」
「嬉しそうに言うな。拒否も照れもなかったよ。おやすみなさい、とそれだけだ」
これにはさすがに笑えなかったのか、あきらかな同情の視線が向けられた。
「しかしな、手を繋ぐことは出来たし大好きとも言ってもらったからな?」
「どうせお頭が頼んだんだろ?」
図星。
「朝も何もなかったのか」
「起きてすぐ飯食って、それで終わりだ」
『朝御飯も美味しい!焼きたてふわふわのパンと挽きたて珈琲とか幸せー』
そう言って本当に幸せそうに微笑んだアコの顔が浮かぶ。
「・・・・まあその、なんだ。飲めお頭!」
「いや、でも飯はうまかったしな。アコが幸せそうだったからいいさ」
注がれた酒を受けて飲み干しながら、次の作戦を考えることにした。
宴の時、コックさんと明日の朝食について話していると、突然ヤソップさんに手招きされた。
近くにはシャンクスとベンさんがいる。
「なんですかー?」
「アコも飲めよ!ほら、」
ぐ、っと木樽のコップを押し付けられた。
最初の頃にもお酒を何度も勧められたけど、皆が飲むようなお酒は正直強すぎて飲めない。
「飲めませんて」
「でもなァ、アコも俺達の仲間として一緒に飲みてえんだよ」
完全に酔っ払いのノリだよヤソップさん。
どうしようかなあ。
「まったく飲めない訳じゃないんだろう?」
いつものこと、と言わんばかりの顔でベンさんが聞く。
「甘いのだったら大丈夫ですけど」
「よし、ちょっと待ってろ」
嬉しそうに立ち上がったのはシャンクスで、コックさんのとこまで行って何か話し始めた。
戻ってきたシャンクスの手にはコップが握られてた。
「桃のカクテルだ。これならアコも飲めるか?」
「え、わざわざ有難う」
シャンクスからそれを受け取って、一口飲む。
桃の香りと甘さが口に広がって、お酒の味がほとんどしない為飲みやすい。
「ん、おいし。でも私結構すぐ酔いますよ?」
「むしろ見てみたいな、アコの酔ったとこ」
「下心丸見えだぞお頭」
「鼻の下伸びてんぞお頭」
「あー酔ったお姉さんはいいよね。色気があって。ただ1つ言っておくけど、私に色気を求めるのは間違ってるから」
職場の飲み会とかで酔ったことはあるけど色っぽいなんて言われたこと1度もないしな。
そうして私は、グラス1杯を飲み干した。
+色気より食い気で何が悪い 終+