False love
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「どーいうことよ」
「どういうことでしょうねえ」
楽しみなはずのランチ。
・・・・・・が、今日は楽しくないランチ。
仕方ない、シャンクスと付き合ってるって噂が広まったんだから。
今日のランチタイムは尋問タイム。
・・・・とはいえ、先輩たちからは逃れられて唯一少し気を許してる同僚だからいいか。
「どっちから!?」
「・・・・何が?」
「告白」
「・・・・・・シャンクス」
「何て?」
「忘れた」
「あんったねえ!!後輩に何て言うのよ!!」
「何も言わなくていいんじゃない?」
「ばっか!!相手を誰だと思ってんの!?」
「シャンクス」
「あんたもあんたよ!!今まで何人フってきたの!?」
「覚えてない」
「・・・・好きだったの?シャンクス君のこと」
「え」
「いつから好きだったの?・・・・ねえ」
「えーと」
とっても答えに困る質問。
いつから、と言われても。
別に今もそこまで好きじゃない。
・・・・とは言えないよね。
「ちょ、ちょっと前から」
「へー・・・・・・・・・・・何処が好きなの?」
同僚の疑わしい目。
う・・・胸が痛い。
「や、優しいとこ」
「ふーん。で?」
「昨日とか仕事押し付けられた私と一緒に残業してくれたの、素敵でしょ?」
ふふん。
我ながら上手。
と思いきや、
「あとは?」
まだ欲しがる!?
「カッコいいしー仕事出来るしー」
「カッコ良くて仕事が出来て優しい人は今までにもいたはずだけど?」
「・・・・・・冷めた焼き鳥を美味しく食べる方法教えてくれたの」
「は?」
「それがめっちゃ美味しくて感動してね」
ってそれ本当は付き合ったあとの話しだけどね!!
「・・・あんたらしいわ」
「でしょ」
「ちょっといいなーって思ってたんだけどな、シャンクス君」
・・・・ずきずき。
更に胸が痛んだ。
・・・・・・・そう、だよね。
シャンクスのこと本当に好きな子にとったら。
私は相当憎いだろうな。
私が心の底からシャンクスのことが好きならまだ・・・・だけど。
そうでもないのに恋人、なんて言ったら。
あー・・・・・今になって罪悪感。
なんだけど。
「・・・・とりあえず奢るわ」
「当然」
・・・・せめてもの償いで同僚には奢ることにした。
「っていうことがあったんだけど」
シャンクスが同僚とのランチを心配してくれたので、
仕事帰りに一緒に1杯飲んでいくことにした。
「なるほど、罪悪感か」
「シャンクスはない?」
「ないな」
ないのか。
メンタルすごいな。
「気にする必要はないさ、社会なんてそんなもんだ」
・・・まあね。
シャンクスの言うことも一理ある。
人間そうやって大人になっていくのよね。
「それより、アコ」
「んー?」
今日はビールじゃなくて日本酒をごくり。
あー焼き鳥に合うわァ。
「後悔してないか?俺と付き合ってること」
心配そうにシャンクスが顔をのぞき込んできた。
・・・何か今日は心配そうなシャンクスの顔しか見てない気がする。
ランチから戻って声をかけてきた時も。
『美味い飯が食えたか?』
と今みたいに顔を見て来た。
いじめにあってるんじゃないかと心配してくれたらしい。
「大丈夫、嫌になったら返金して契約解消するし」
「・・・・・そうか」
「シャンクスもいつでも言ってね」
「・・・ああ」
ま、人のうわさも75日って言うし。
先輩たちのおかげで夜は2人きりになれましたぁ、って言ったら仕事の押し付けはなくなった。
影でのいじめがあるかなと思ったけど今のところそれもなさそう。
「そういえばこの間教えてもらった冷めた焼き鳥の美味しい食べ方、すっごい良かった有難う」
「なら良かった。とはいえ焼き鳥だけだとなかなかな」
「飽きる?」
「飽きないか?」
「焼き鳥だけで食べるから飽きるんじゃない?私は親子丼とかにして食べたりしてるけど」
「ほー・・・・いいな」
・・・・同僚に、どんなデートしてるの?
仕事帰りに何処にご飯行くの?
とか聞かれたけど。
焼き鳥屋で焼き鳥の話ししてます。
とは言えなかったなぁ。
ホントに恋人?なんて疑われたら面倒だし。
「結構美味しいよ。甜麺醤とかつけて食べたり、朝食パンに乗せて食べたり」
「なるほど、考えるもんだな」
だが、とシャンクスは少し困ったような顔をした。
「俺は料理が苦手なんだ」
「・・・・そうなの?」
「ああ、だから食ってみたいが・・・俺には無理そうだな」
「・・・・親子丼くらい」
「出来ない。・・・・美味そうだなァ食ってみたかった」
・・・・寂しそうな顔しか見てないもんだから。
「・・・・今度作りに行こうか?」
なんてつい、口から出てしまった言葉。
「いいのか!?」
ぱっと明るくなったシャンクスの顔にドキッとしながらも、
「・・・機会があれば」
喜んでくれるならまあ、いいか。
「悪いな、楽しみにしてる。その時は良い酒を用意しておこう」
・・・・・・・あれ、焼き鳥なのに。
シャンクスの家で料理するのってなんか、
恋人っぽくない?
+焼き鳥なのに 終