False love
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ごくごくごく。
「・・・・・っぷはー!!」
はああああ、美味しい。
「おっちゃんハツと砂肝とつくね!」
「あいよっ」
高架下の馴染みのお店で焼き鳥とビール。
仕事帰りの私の最高の癒し。
・・・・今日はびっくりしたけど。
シャンクスは何であんなこと言ったんだろう。
何で私もあそこでああ言っちゃったんだろう。
ネックレス、確かに欲しかったけど。
買えない金額じゃなかったし。
・・・・お金で買われたって、何か。
・・・・・・明日お金返すかなあ。
「はいよ、砂肝とつくね、ハツね」
「あ、生追加」
「あいよ」
「俺も生、と彼女と同じものを」
「あいよらっしゃいっ」
「・・・・・・・・・・・・・は?」
隣に座って来た男を見て驚いた。
「いい匂いだな」
「・・・・・・何で居るの?」
・・・・・シャンクス残業してるっぽかったからさっさと来たのに。
「アコが帰るようだったんでつけてきた」
「・・・・・仕事は?」
「問題ない」
「・・・あ、そう」
「恋人なんだ、ディナーくらい誘ってくれてもいいんじゃないか?」
「・・・・や、だから残業」
してたから。
ってしてなくてもたぶん誘わなかったけど、
・・・1人で飲むの好きだから。
「はいよ、ハツに砂肝つくねと生お待たせね」
「美味そうだ」
「・・・・美味しいよ」
いやー・・・・・・・びっくり。
「美味いな」
シャンクスは焼き鳥をぱくり、
ビールをごくり。
・・・・・恋人、かあ。
「・・・・ねえシャンクス、お金返そうか?」
「金?」
「ネックレスの」
そう言った瞬間シャンクスの顔が一瞬真顔になった。
「恋人解消、か?」
「だって何か悪いし」
「金はいらない、恋人解消したいならそう言ってくれ」
・・・・・・シャンクスがこういう顔で言う時ってだいたい本気で。
お金は返さないけど恋人解消ね、なんて言うのはさすがに申し訳ない、というか。
・・・罪悪感が疼く。
「・・・シャンクスがいいならいいんだけど」
「なら、続行だな」
そしていつも通りのシャンクスの笑み。
・・・・面白がってるな、これ。
シャンクスは面白いことが大好きだから。
「それよりこんないい店があったとはな」
「レバーが一番おススメ」
「ほー・・・・いつも1人で?」
「だいたいね」
こういう店を嫌がる女子は多いし、
男連れて来るには色気の欠片もないしね。
「いいな、俺好みだ」
「ビールは泡と一緒に飲んでみて」
「・・・・ん。美味い。アコ、かなり通ってるな?」
「まあね」
頷いてつくねを一口。
ん、安定の味。
とそこに、
「恋人を連れてくるたぁ思わなかったねえ、これからちょくちょく2人で来ておくんな!」
・・・・店主のおっちゃんがにこにこ。
思わず恋人じゃない、と言いかけてやめた。
・・・・そうだもう恋人なんだよ一応。
「・・・・ども」
・・・・別にシャンクスとは今までも帰りに会えばたまに一緒に飲んだりはしてたけど。
1人飲みも気楽で結構好んで行ってたからなー。
これからは出来なくなるのかな。
それは・・・・嫌だな。
「知ってるか?アコ」
「・・・何を?」
「冷めた焼き鳥は日本酒をかけてフライパンで温めるといいそうだ」
「知らなかった・・・おっちゃん焼き鳥お土産セットお願いー!!」
「毎度っ」
早速今夜にでも試してみよう。
「そういえばこの間会社の近くの酒屋で見かけたんだけど」
・・・・なんて呑兵衛の話しで盛り上がり。
なんだ恋人って言ってもあんまり変わらないわ。
と個々にお会計を済ませて店を出た。
「いい知識を色々有難う、じゃあまた明日会社でねー」
「1人で帰る気か?」
「え、そうだけど」
いつもそうしてたし。
「今日は送る」
「え、いいよ」
「・・・送りオオカミになるつもりはねェさ、送らせてくれ」
何故かシャンクスは苦笑して。
・・・・まあシャンクスがそこまで言ってくれるならこれ以上断るのも大人げない。
「・・・じゃあ、お願いしようかな」
・・・本当の恋人ならそうするのかもしれないけど。
というか。
何でシャンクスは私にお金を払ってまで偽装の恋人を演じて欲しかったんだろ。
今度聞いてみよう。
+1人酒 終+