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「お疲れさまでした・・・!」
「アコも、大変だったな」
「1番大変だったのは私に巻き込まれたシャンクスでしょ?本当にごめんね・・・」
私のせいで徹夜残業になったけど、
無事に提出することが出来た。
とりあえず一安心しつつ、うちの会社にも報告しないと、ということで。
・・・シャンクスが一緒に説明に来てくれるということで向かってる。
そこまでしなくていいよ、と言ったんだけど、
させてくれ、と言ってくれたから。
「何、キスの1つでもしてもらえりゃ何でもねェもんだ」
「・・・・さりげなくすごいこと言うよね」
「そうか?・・・まぁ、無理にとは言わねェよ」
「・・・・・・・・・・・・シャンクス、こっち」
仕方なくシャンクスの服を引っ張って、
・・・誰も居ないのを確認してから。
一瞬、唇を重ねた。
「・・・ありがと、ほんとに」
「今ので全部帳消しだ。得した」
嬉しそうに笑うシャンクスに複雑な気持ちになる。
こんなので帳消しになんて、なる訳ないのに。
・・・でもシャンクスが本当に嬉しそうにしてくれるから、
心が少し楽になった。
「すみませんでした!」
シャンクスと2人でヤソップさんに頭を下げた。
ちょうど出勤したばかりのヤソップさん。
「・・・いやーお前らそこまでいってたのか」
「シャンクスに責任はありません、全部私のミスなんです」
「いや、俺が確認しておくべきだったんだ」
ヤソップさんが複雑な顔をしたので私が怒られるつもりでいたら、
「ま、無事に終わったんならいいだろ。こっちは大丈夫だけどよ・・・そっちは問題ないのか?」
あっさり許してもらえた。
「細かいことを気にする会社じゃないんで、問題ない」
「・・・・なら俺がとやかく言うことはねえけどよ。で、結婚するのか」
と思ったら訳のわからない爆弾発言。
「ヤソップさん全然話し通じてませんが」
「そりゃお前、いい年した男女が深夜に2人きりって言ったら・・・アレだろ?」
「どれですか。普通に私のミスで残業しただけですって」
「言われてみればそうだな・・・夜に2人きりだ、色々すりゃ良かった」
シャンクスまで変なこと言い出した。
「それどころじゃなかったでしょ!?・・・・私のせいだけど」
「アコは真面目すぎんだよ。うちは決してこんな社風じゃねぇんだがなぁ、すまんな兄ちゃん」
「いや、そういうとこも好きなんだ」
「2人して何話してるんですか!」
恥ずかしさに今までの眠気も疲労もぶっ飛んだ。
「そんで今日どうすんだ?仮眠すんなら2人で仮眠室使ってもいいぜ」
「俺は有給が取れたから大丈夫だ」
「わ・・・私は出来れば仮眠を取らせて頂きたいなと」
「お前も休みでいいぞ」
「え、いいんですか?」
「急ぎの仕事もねぇしな。何なら2人で寝てけ」
やった、休み!と思ったらヤソップさんがとんでもなくニヤニヤし始めた。
しかも、
「いいのか?」
シャンクスまでその気だし・・・!
「うちのが迷惑かけちまったし、遠慮すんな」
「なら遠慮はしない」
遠慮して!
「い・・・1回家に帰って寝てもいいんだよ、シャンクス」
「俺の家で一緒に寝るか?」
何で一緒に寝ること前提なの!?
「よし、休みって言ったの撤回する」
「えええ!?そんなぁ・・・」
「午後出勤にしてやるからここで仮眠しとけ」
「はーい・・・」
うぅ、残念。
「んで、兄ちゃんはこいつが仕事してるの見学するってのはどうだ?」
「はい!?」
「ああ、いいな」
「良くない!!」
必死に反論する私に、
「お前このままでいいのか?借り作ったままなんだろ」
「う・・・・」
痛いとこ突いてくるヤソップさん。
た・・・・確かに!
「気にしたまんま発売日になっていいのか?ん?」
「ほ・・・他のことで謝罪なりお礼なりしますから!」
「と言ってるがどうだい?」
「俺はここで一緒に仮眠後見学希望」
しれっと言ってくれちゃったよ。
「・・・・わかりました」
「他の奴らが出勤したら近寄らないように言っとくから安心しろ」
「心遣い感謝する。じゃあ行くかアコ」
「狭いよ、うちの仮眠室」
「なおのこと大歓迎だ」
「・・・・あ、そう」
仕方なく2人で仮眠室に入った。
狭い部屋に、小さい簡易ベッドが2台並べて置かれてるだけ。
でも。
「・・・前は布団だったから良くなったんだよこれでも」
ベッドが欲しいと言ったら贅沢!と言われたんだけど。
ある時修羅場になったのを潜り抜けたご褒美として買ってくれた。
「十分だ」
「でもふっかふかだったよね・・・オーロジャクソン㈱のソファー」
絶対ここのベッドより。
思いながら1台のベッドに潜り込む。
シャンクスもゆっくりと隣のベッドに入った。
「寝れりゃ問題ない。・・・そっちに行きたいって言ったらさすがに怒るか?」
突然の発言に少し戸惑うけど、
「・・・今眠いから、無理・・・」
「それは・・・俺が居たら寝れないってことか?」
「むしろ寝れると思う?」
「いいことを聞いた」
「・・・寝るよ?」
「ああ、おやすみ」
・・・言わなきゃ良かったかな、と思いながらベッドの中で目を閉じた。
徹夜で仕事した為(自業自得だけど)、
疲れていたので目を閉じたらあっという間に意識がなくなった。
ふ、と目を覚ますと。
・・・・隣にシャンクスが寝てた。
「・・・・・シャンクス?」
小さく声をかけたら、
頬めがけて唇が落とされた。
「よく寝れたみたいだな、アコ」
「・・・・まあね。で、何でこっちのベッドに居るの?」
「俺が居たら寝れないらしいんで、寝た後に来たんだ」
・・・・そういう問題でもないんだけど。
「じゃあ、私仕事するけど・・・シャンクスまだ寝てていいよ?」
「俺も起きよう」
「・・・・寝てていいんだよ」
「いや、起きる」
「疲れてるだろうし帰って休んだら!?」
「楽しみだな、アコの仕事してる姿」
・・・・もう無駄だと悟った。
「えーと・・・じゃあこっち。この椅子座って」
シャンクスを私の仕事場に案内して、
ボロいけど椅子を出した。
「あ、何か飲む?」
「俺のことは空気とでも思ってくれればいい」
「・・・無茶言わないでよ」
こんなに気になるのに。
・・・・でも、居てくれて安心するところとか、
居ないと苦しいかも、と思うのは。
・・・・・・私がいつの間にか、
「空気なら簡単にアコの中に入り込めるんだがな」
「・・・・空気じゃなくてもシャンクスは必要な存在だよ」
「それが告白なら嬉しいことこの上ないんだが・・・・今はそれで十分だ」
「・・・・・うん」
いつの間にか、
シャンクスのことを好きになっていた証なのだろうか。
+空気に解ける 終+