拝啓、取引様
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何の予定もないお休みの日。
あ、そういえば返さないといけない本があったんだっけ、と思い出した。
本はあんまり読む方じゃないけど、
仕事の資料としてたまに借りる。
でもあっという間に期間が過ぎちゃう。
返しに行かないと。
えーと、返すのはこれとこれと・・・4冊。
うん、これでよし。
駅前の少し大きめの図書館。
「返却ですね?・・・・はい、これで全部です有難う御座いました」
とりあえず一旦全部返却。
また何か借りようかな。
今度は仕事関係なく、たまには違うのも借りてみよう、気分転換にもなるし。
思いながらふらふら歩く。
歴史、ミステリー・・・・うーん。
あ、和菓子屋巡り。
・・・・って、違う違う。
「・・・・・・ぁ」
和菓子コーナーの奥に、鮮烈な赤を見つけた。
・・・シャンクスが、図書館に居るなんて。
声をかけようか迷ったけど、
真剣に本を読んでる横顔に思わず見惚れた。
何読んでるんだろう。
・・・・何考えてるんだろう。
・・・・何か・・・恥ずかしくなった。
今日はもう帰ろう、うん。
くるりと踵を返して、
図書館を出ようとしたら。
身体が後ろに傾いた。
右腕を引っ張られたみたいで、驚いて振り返ったら案の定シャンクスだった。
「しゃんっ、」
名前を呼ぼうとしたらシャンクスが口元に人差し指を1本。
・・・危ない、大声出すとこだった。
「酷いな、声もかけないで帰ろうとするなんて」
シャンクスが小声で話しかけてきた。
「・・・真剣に本読んでたから、邪魔かと思って」
私も出来る限りの小声で返す。
「せっかく会えたんだ、このチャンスを逃す訳にはいかねェな」
耳元で呟かれて顔が一気に熱くなった。
「・・・何の本読んでたの?」
「起業者向けの本をちょっとな。それより、この後時間ないか?」
「うん、大丈夫。・・・・その本借りるの?」
「今日はやめておく。・・・出てもいいか?」
いいか、と聞きながら彼の腕は私の腰に当てられ、ぐいぐいと押される。
・・・起業者、かぁ。
シャンクスはそのうちオーロジャクソン㈱を辞めるんだもんね。
図書館を出て、隣にある小さい公園まで来たとこで、
「気まぐれで図書館に来てみて良かった、ここで会えるとはな」
嬉しそうにシャンクスが笑う。
「私も・・・まさかシャンクスと図書館で会うなんて」
「本読まなさそうだからか?」
「っていうかぱぱっと買っちゃいそう」
「確かに返しに行くのは面倒だな」
「私も。たまーに忘れてたりするし」
「アコが借りてたのは和菓子関係の本、ってとこだな」
「・・・・よくわかるね」
「わかるさ、アコのことは」
「私そんなにわかりやすい?」
「ポーカーフェイス苦手だろ?この間は頑張ってたみたいだが」
「う・・・・・でも最低限大人としては頑張ってるつもりだよ?」
「別に不愉快に感じたことはねェから気にすることはないさ」
「・・・有難う」
・・・私そんな単純かなぁ。
「んなことより飯は?」
「え?」
「昼飯食ったのか?」
「ううん、まだ」
「ちょうどいい、うちに来ないか?」
「シャンクスの家に?」
・・・・シャンクスの家、かあ。
突然のお誘いにちょっとドキドキ。
どうしよう。
迷う私にシャンクスは苦笑して、
「取引先から珍しい食材をもらったんで、それを使ってパスタでも作ろうかと思ってるんだ」
「へー・・・」
「それと某銘菓の和菓子もある」
「某銘菓の和菓子!?ほんと!?」
「ああ、興味あるだろう?」
「ある!お邪魔していい?」
和菓子と聞いちゃ黙ってられない。
「決まりだな、今から来れるか?」
「勿論っ」
・・・・・ということで、
急遽シャンクスの家に。
駅から徒歩1分(たぶんかからないくらい)、
近くに大きいショッピングモール。
コンシェルジュ付きの、
超高層マンション。
最上階。
・・・・部屋は広々、家具は勿論、
「・・・イタリア製?」
「ドイツのもあるんじゃないか?」
・・・・だそうです。
シャンクスはいそいそと料理に取り掛かる。
「あ、何か手伝うよ」
さすがにいきなり邪魔して座ってるだけっていうのも気が引けたんだけど、
「気にしなくていいから、座っててくれ」
「・・・いいの?」
「飲み物はウーロン茶でいいか?」
「あ・・・有難う」
てきぱきとテーブルに配膳してくれて、
私は言われるがまま座ってるだけ。
・・・・旦那様だったら楽だなあなんて少し考えて、慌てて首を振った。
シャンクスはご機嫌でパスタを茹でたり、調理してる。
・・・前掛けのエプロン姿、カッコいいな。
・・・・・とか見惚れてるうちに、
「キャビアの和風パスタだ」
・・・・ものすんごい美味しそうなパスタが登場。
しかも、
「キャビア・・・・・!?」
「取引先からの土産だ」
さすがオーロジャクソン㈱・・・取引先のレベルが違う!
「パスタは適当だが素材はいい。食ってみてくれ」
「・・・頂きます」
パスタを一口。
「・・・・・・美味しいいいいい!!」
キャビアも半端なく美味しいけどパスタソースの味付けが!!
「美味いか?良かった」
シャンクスも美味しそうにパスタを頬張る。
これは感動の味・・・!
「美味しい、ほんと美味しいこれ・・・」
下手なレストランより美味しい。
「結婚したら毎日・・・とは言えねェが休みの日くらいなら料理するぞ」
「それすっごい魅力的」
シャンクスがこんなに料理上手なんて知らなかった・・・!
驚きのあまりぽろっと口に出したら、
「結婚してくれるか?」
シャンクスが平然と爆弾発言。
「そっ・・・・・・それは・・・まだ・・・・」
言葉に詰まった私を見てシャンクスが楽しそうに笑った。
「だっはっは、まあ考えておいてくれ。それよりアコ」
「ん?」
「キャビア味のキスと和菓子味のキス、どっちがいい?」
一瞬本気で考えて、はっとした。
・・・・騙されるとこだった。
「・・・する前提?」
「・・・騙されなかったか」
思わず突っ込んだら案の定悔しそうに呟く。
「そんなに・・・したい?・・・・キス」
「したいな」
「・・・何で?」
「好きだからだ」
恥ずかしながらも素朴な疑問をぶつければ、何とも真っすぐな答えが返って来た。
「・・・・・・・・・・する?」
「・・・いいのか?」
シャンクスが驚いた顔をする。
・・・だってこんな高級食材+美味しいパスタご馳走になったし。
これから某銘菓の和菓子食べさせてもらう訳だし。
・・・そう考えたらキスくらいいいかなぁ、なんて気になって来た。
返事のない私をどう思ったのか、シャンクスは立ち上がって近づいてくる。
シャンクスの顔が私の前にきて、
数秒見つめ合って、目を閉じた。
その瞬間、
ぴんぽーん。
来訪を知らせるチャイム音。
思わずぱちっと目を開けたら、シャンクスも同じタイミングで目を開けた。
目が合って、
苦笑しようとした時、
ちゅ。
・・・・不意に唇が重なった。
「・・・・へ」
シャンクスはにやりと笑って、
「言っただろう?チャンスは無駄にはしない」
「あー・・・・・・」
爽やかに玄関へと向かった。
・・・・・シャンクスには、一生敵わない気がする。
+チャンス 終+
あ、そういえば返さないといけない本があったんだっけ、と思い出した。
本はあんまり読む方じゃないけど、
仕事の資料としてたまに借りる。
でもあっという間に期間が過ぎちゃう。
返しに行かないと。
えーと、返すのはこれとこれと・・・4冊。
うん、これでよし。
駅前の少し大きめの図書館。
「返却ですね?・・・・はい、これで全部です有難う御座いました」
とりあえず一旦全部返却。
また何か借りようかな。
今度は仕事関係なく、たまには違うのも借りてみよう、気分転換にもなるし。
思いながらふらふら歩く。
歴史、ミステリー・・・・うーん。
あ、和菓子屋巡り。
・・・・って、違う違う。
「・・・・・・ぁ」
和菓子コーナーの奥に、鮮烈な赤を見つけた。
・・・シャンクスが、図書館に居るなんて。
声をかけようか迷ったけど、
真剣に本を読んでる横顔に思わず見惚れた。
何読んでるんだろう。
・・・・何考えてるんだろう。
・・・・何か・・・恥ずかしくなった。
今日はもう帰ろう、うん。
くるりと踵を返して、
図書館を出ようとしたら。
身体が後ろに傾いた。
右腕を引っ張られたみたいで、驚いて振り返ったら案の定シャンクスだった。
「しゃんっ、」
名前を呼ぼうとしたらシャンクスが口元に人差し指を1本。
・・・危ない、大声出すとこだった。
「酷いな、声もかけないで帰ろうとするなんて」
シャンクスが小声で話しかけてきた。
「・・・真剣に本読んでたから、邪魔かと思って」
私も出来る限りの小声で返す。
「せっかく会えたんだ、このチャンスを逃す訳にはいかねェな」
耳元で呟かれて顔が一気に熱くなった。
「・・・何の本読んでたの?」
「起業者向けの本をちょっとな。それより、この後時間ないか?」
「うん、大丈夫。・・・・その本借りるの?」
「今日はやめておく。・・・出てもいいか?」
いいか、と聞きながら彼の腕は私の腰に当てられ、ぐいぐいと押される。
・・・起業者、かぁ。
シャンクスはそのうちオーロジャクソン㈱を辞めるんだもんね。
図書館を出て、隣にある小さい公園まで来たとこで、
「気まぐれで図書館に来てみて良かった、ここで会えるとはな」
嬉しそうにシャンクスが笑う。
「私も・・・まさかシャンクスと図書館で会うなんて」
「本読まなさそうだからか?」
「っていうかぱぱっと買っちゃいそう」
「確かに返しに行くのは面倒だな」
「私も。たまーに忘れてたりするし」
「アコが借りてたのは和菓子関係の本、ってとこだな」
「・・・・よくわかるね」
「わかるさ、アコのことは」
「私そんなにわかりやすい?」
「ポーカーフェイス苦手だろ?この間は頑張ってたみたいだが」
「う・・・・・でも最低限大人としては頑張ってるつもりだよ?」
「別に不愉快に感じたことはねェから気にすることはないさ」
「・・・有難う」
・・・私そんな単純かなぁ。
「んなことより飯は?」
「え?」
「昼飯食ったのか?」
「ううん、まだ」
「ちょうどいい、うちに来ないか?」
「シャンクスの家に?」
・・・・シャンクスの家、かあ。
突然のお誘いにちょっとドキドキ。
どうしよう。
迷う私にシャンクスは苦笑して、
「取引先から珍しい食材をもらったんで、それを使ってパスタでも作ろうかと思ってるんだ」
「へー・・・」
「それと某銘菓の和菓子もある」
「某銘菓の和菓子!?ほんと!?」
「ああ、興味あるだろう?」
「ある!お邪魔していい?」
和菓子と聞いちゃ黙ってられない。
「決まりだな、今から来れるか?」
「勿論っ」
・・・・・ということで、
急遽シャンクスの家に。
駅から徒歩1分(たぶんかからないくらい)、
近くに大きいショッピングモール。
コンシェルジュ付きの、
超高層マンション。
最上階。
・・・・部屋は広々、家具は勿論、
「・・・イタリア製?」
「ドイツのもあるんじゃないか?」
・・・・だそうです。
シャンクスはいそいそと料理に取り掛かる。
「あ、何か手伝うよ」
さすがにいきなり邪魔して座ってるだけっていうのも気が引けたんだけど、
「気にしなくていいから、座っててくれ」
「・・・いいの?」
「飲み物はウーロン茶でいいか?」
「あ・・・有難う」
てきぱきとテーブルに配膳してくれて、
私は言われるがまま座ってるだけ。
・・・・旦那様だったら楽だなあなんて少し考えて、慌てて首を振った。
シャンクスはご機嫌でパスタを茹でたり、調理してる。
・・・前掛けのエプロン姿、カッコいいな。
・・・・・とか見惚れてるうちに、
「キャビアの和風パスタだ」
・・・・ものすんごい美味しそうなパスタが登場。
しかも、
「キャビア・・・・・!?」
「取引先からの土産だ」
さすがオーロジャクソン㈱・・・取引先のレベルが違う!
「パスタは適当だが素材はいい。食ってみてくれ」
「・・・頂きます」
パスタを一口。
「・・・・・・美味しいいいいい!!」
キャビアも半端なく美味しいけどパスタソースの味付けが!!
「美味いか?良かった」
シャンクスも美味しそうにパスタを頬張る。
これは感動の味・・・!
「美味しい、ほんと美味しいこれ・・・」
下手なレストランより美味しい。
「結婚したら毎日・・・とは言えねェが休みの日くらいなら料理するぞ」
「それすっごい魅力的」
シャンクスがこんなに料理上手なんて知らなかった・・・!
驚きのあまりぽろっと口に出したら、
「結婚してくれるか?」
シャンクスが平然と爆弾発言。
「そっ・・・・・・それは・・・まだ・・・・」
言葉に詰まった私を見てシャンクスが楽しそうに笑った。
「だっはっは、まあ考えておいてくれ。それよりアコ」
「ん?」
「キャビア味のキスと和菓子味のキス、どっちがいい?」
一瞬本気で考えて、はっとした。
・・・・騙されるとこだった。
「・・・する前提?」
「・・・騙されなかったか」
思わず突っ込んだら案の定悔しそうに呟く。
「そんなに・・・したい?・・・・キス」
「したいな」
「・・・何で?」
「好きだからだ」
恥ずかしながらも素朴な疑問をぶつければ、何とも真っすぐな答えが返って来た。
「・・・・・・・・・・する?」
「・・・いいのか?」
シャンクスが驚いた顔をする。
・・・だってこんな高級食材+美味しいパスタご馳走になったし。
これから某銘菓の和菓子食べさせてもらう訳だし。
・・・そう考えたらキスくらいいいかなぁ、なんて気になって来た。
返事のない私をどう思ったのか、シャンクスは立ち上がって近づいてくる。
シャンクスの顔が私の前にきて、
数秒見つめ合って、目を閉じた。
その瞬間、
ぴんぽーん。
来訪を知らせるチャイム音。
思わずぱちっと目を開けたら、シャンクスも同じタイミングで目を開けた。
目が合って、
苦笑しようとした時、
ちゅ。
・・・・不意に唇が重なった。
「・・・・へ」
シャンクスはにやりと笑って、
「言っただろう?チャンスは無駄にはしない」
「あー・・・・・・」
爽やかに玄関へと向かった。
・・・・・シャンクスには、一生敵わない気がする。
+チャンス 終+