拝啓、取引様
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「いやーお疲れさん。大変だったな」
「・・・や、ほんとに疲れました」
出勤したらヤソップさんが金獅子とのことを労ってくれた。
あれから結局次の日も警察に行ったり大変だった。
・・・・シャンクスが居てくれて、
本当に良かったと思う。
「そーいやお前さん達結婚したんだな」
「え?」
「婚姻届け出したんだろ?」
「あ、あれは・・・・」
私も気になってシャンクスに聞いてみたところ、
『あれは破棄した』
とのこと。
『え、そうなの?』
『シキを欺くために提出はしたが、アコはこのままだと困るだろう?』
『・・・・・・・うん』
『偽装したものだからトラブルがあって破棄出来なくても問題はなかったんだがな』
『・・・そっか』
『必要ならいつでも本物を書くが?』
『・・・考えておく』
ということらしい。
指輪も返そうとしたんだけど、
『俺からのプレゼントだ、もらってくれ。不服なら次は好きなのやるから捨てていい』
・・・・と言われて、結局もらってしまった。
「泣かせるねェ」
「ヤソップさん楽しんでません?」
「可愛い部下の青い春だぞ、楽しいに決まってら」
「・・・春は青くないに一票」
「そーだなぁ、ピンクだもんな」
「茶色だと思いまーす」
「茶色ぉ?」
「チョコレート」
「こし餡じゃねーんだな」
「・・・・・・ビターチョコです」
「甘いだけじゃない、恋の味。目を引くな」
「ちょっと現実的すぎるかなーとも思ったんだけど」
「俺は賛成だ。パッケージもこれでいいな」
「・・・・いいかな」
「例の機械も早速導入した」
「怒られなかった?」
「まったく問題なかった。じゃあこれで進めて行こう」
仕事の話しもひと段落着いたとこで、
「そろそろ休憩にするか」
「あ、じゃあ私なんか飲み物買ってくる」
「いや、俺が行く」
立ち上がった私をシャンクスが制して、
「飲みたいのあるか?」
「ううん、適当で」
「わかった」
飲み物を買いに出て行ってしまった。
・・・・・何か、元気ないような気がする。
やっぱり怒られたんじゃないだろうか、私のせいで。
それか疲れてるのかな・・・。
だとしても恐らく私のせいだろうけど。
シャンクスは優しいから、何も言わないけど。
・・・・っていうかシャンクス遅いな。
自販機すぐそこにあるのに。
そうして更に待つこと数分。
「すまん、遅くなった」
そう言って帰って来たシャンクスが持ってたのは。
「・・・・美味しそうなクリームソーダだね」
「アコ好きだっただろ?」
「好きだけど・・・・わざわざ買いに行ってくれたの?」
プラスチックのグラスに入ったクリームソーダ。
シャンクスはコーラらしい。
「気分転換には持って来いだ」
「・・・何かあった?シャンクス」
思わず口にしてしまった疑問。
でも聞かずにはおれなかった。
「いや、何もねェが」
「・・・・そう?ありがと」
シャンクスが何もないという以上突っ込めなくなったのでおとなしくクリームソーダを頂く。
あー美味しい。
「俺はアコの方が心配なんだが」
「私?」
「警察に色々聞かれたりしただろう?」
「ああ、全然大丈夫。シャンクス居てくれたし」
説明も上手くシャンクスがしてくれた。
・・・というか、上手くフォローしてくれた。
「具合悪かったりしないか?」
「平気。それよりシャンクス、私何すればいい?」
「ん?」
「この間無理なお願いした時、何でもするって言ったから」
シャンクスは止めてたのに、
私が無理を押し通した。
シャンクスはすぐに思い至ったようで、
「ああ、あれか。・・・・そうだな、何でも、だったか」
少し考えるようにして、
「じゃあこの間のことは忘れてくれ」
「・・・この間のこと?」
「金獅子とやり合ったことだ」
・・・・・・あんな大事件を忘れろって言われても。
「それが無理なら俺を忘れてくれりゃいい」
「・・・どういうこと?」
私の質問に苦笑するシャンクスは何処か寂しそうで。
「パッケージ案を簡単に盗まれたり、アコが危険な目にあうような助け方しか出来なかったからな」
あの時の俺は。
・・・・そう言うシャンクスの遠い目。
「そんなこと、」
「これじゃヒーローも名乗れねェ」
・・・・だから、
わざわざ遠くまで行って私の好きな物買ってきたんだ。
・・・・・十分私のヒーローなのに。
「シャンクスカッコ悪い。最低。・・・って私が言った?」
「・・・・いや」
「よく考えてシャンクス。今回のことはシャンクスが居なかったら出来なかったことだからね」
「しかし情報を集めたのはバギーだし、俺は何もしてねェだろう」
「シャンクスが居なかったらバギーさんは動いてくれなかったと思うけど?」
「・・・・だがアコを危険な目にあわせたのは事実だ」
「でも怪我も・・・キスもされずに逮捕出来たのはシャンクスが来てくれたからだよね」
「結果論はな」
「結果論で十分じゃない?っていうかシャンクスが居てくれただけでどれだけ私が心強かったか」
「・・・そう言ってくれんのは有難いが」
・・・・何かすんごいネガティブなシャンクス。
こんなの初めて見たかも。
「・・・私、そこまでシャンクスに想ってもらえるような人間じゃないと思うんだけど」
「そんなことねェさ」
「聞いていい?いつどうして好きになってくれたか」
そう聞いたら、シャンクスは口元を少し緩めて微笑んだ。
「高校の時。・・・この間も言ったが、先輩に殴り込みに行った時だ」
「・・・・・・お恥ずかしい話しですねえ」
「俺は事情を知らなかったんで、怒り狂うアコを止めた時何て言ったか覚えてるか?」
あの時シャンクスは、
『女が男に敵う訳ないだろ、やめとけ』
そう言っただから私は、
「は!?こっちは友達泣かされてんですけど!?・・・って言った」
「そしてそのまま殴りに行った」
「・・・・行きました」
「追いかけて行ったらすげェことになってた」
・・・私の友達が、
好きな先輩に告白して。
返事がないまま襲われた。
そう言って泣いてたから。
怒り狂った私は、シャンクス達に止められても気にせずそのままの勢いでその先輩のとこまで行き、
殴った。
「馬鹿にしてる女に殴られた気分はどうですかー!?・・・・って言ったからさ」
「あの女が俺のこと好きだって言ったからだろ?とか言ってたな」
「女をなめてんじゃねーよ!・・・って言って今度は蹴った」
「キレた先輩がやり返そうとしたとこで教師が来てことなきを得た」
「・・・・・です」
あれでも待って、ここに惚れられる要素1つもない!
「友人の為に男の先輩を殴りに行くようなアコを愛おしいと思ったんだ」
・・・・・・・やっぱりよくわからなかった。
「えーと」
「危なっかしくて目が離せねェ」
「・・・・有難う」
と言って良いのか。
「愛してるんだ、アコ」
「・・・・じゃあその私からお願い。感謝してるから、お礼させて?」
「・・・何でも?」
「何でも。・・・・命に関わること以外で」
そう言った瞬間、
強く抱きしめられた。
「しゃっ・・・・シャンクス」
慌てて手に持ってたクリームソーダをテーブルに置いた。
そしてシャンクスの言葉を待つ。
「本当に何でもいいのか?」
「・・・いいよ」
女に二言はない。
「俺は欲深いからな・・・何言うかわからねェぞ」
「知ってる。・・・それでもいいくらい感謝してるから」
「そうか。・・・じゃあ頼むかな」
「ばっち来い!」
シャンクスは今まで私の為に色んなものを犠牲にしてくれた。
・・・・だから私も覚悟を決めた。
シャンクスの口から紡がれた願いは、
「写真を撮らせてくれねェか」
・・・・だった。
「写真?」
「ああ、アコの・・・欲を言えば俺と一緒に写ってりゃ文句ねェな」
「・・・・いいけど、それでいいの?」
ちょっと・・・かなり拍子抜け。
「今俺は結構幸せなんだ」
「・・・・・そう、なの?」
「こうしてアコと会えるし、たまに手作り弁当が食えるし、デートも出来る」
「・・・・うん」
「足りないのは写真なんだ。今あるのは卒業アルバムくらいだしな」
・・・写真、かぁ。
「何ならプリクラでも可だ」
「じゃあ今度・・・撮りに行こっか」
「ああ、頼む」
シャンクスと2ショットかぁ。
不思議な感じ、
今度のデートで撮ろうかな。
+願い 終+