3千万ベリーの恋
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空はすっかり暗くなって、お腹も鳴り出した。
「必要なモノもだいたい買ったし、今日はこれでオッケーかな」
「そうだな。じゃあ行くか」
「ん」
当然船に帰るのだとばかり思っていた私は、何の疑いもなくシャンクスについて歩いた。
歩き始めてから数分、全然違う所で足を止めたシャンクスは、
「じゃ、入るか」
確かにそう言った。
「ちょっと待て。何処ここ」
「今日泊まる宿だ」
「・・・・・・宿?」
シャンクスはさも当たり前のように言い放った。
「アコも久し振りに陸が恋しいんじゃないかと思ってな。宿をとっておいたんだ」
「マジで!有難うシャンクス・・・・!」
確かに揺れる船の上じゃなく、安定した地の上でゆっくりと眠れるのは有り難かった。
「ここの宿はルームサービスの飯もうまいらしいからなー。楽しみだ」
「ご飯も!うわあ嬉しすぎる!」
ご飯が美味しいっていうのはポイント高いよねえ!
さっそく中に入って、受付の人とシャンクスが何か会話して。
そして受付の人から鍵を預かるシャンクス。
どんな部屋なんだろ。
そしてどんな美味しいご飯が食べれるんだろ。
うふふ。
「この部屋だな」
預かった鍵でドアを開けると、
シンプルながらも綺麗で広い部屋。
「広い部屋!大きいベッド!待ち受ける美味しいご飯!ひゃっほう!」
「ああ、なかなかいい部屋だ」
「あれ、そういえばシャンクスの部屋はどこ?」
「ここだが?」
「・・・・・・私の部屋は?」
「ここだな」
何故だ!!
「え、どういうこと?」
「ここしかとれなくてなー。いや、すまん」
にこにこと悪びれもなく笑うシャンクスに、私は思い切り顔を顰めた。
「ってことは、あの大きいベッドに寝るのは」
シャンクス?
お金払うのシャンクスだもんねー。
そうだよね。
いや、でも紳士なシャンクスのことだしな。
「勿論2人で使うつもりだ」
「そっか2人でかあ良かったー。私てっきりソファーで寝ることになるのかと・・・・って良くねえ!!」
危ねえ!
一瞬騙されかけた!
「ベッドが狭くなるぅ!せっかくの大きいベッドなのに!」
「俺は気にしないが」
気にしろ!
・・・・と言いたいとこだけど、
全面的にお金を出してもらってる私が文句を言える立場ではないのは明らかで。
「・・・・あう」
せっかくの宿、ソファーで寝るのは何だか悔しい。
大きいベッドだし、この際我が侭言ってられないか。
「わかった・・・仕方ないよね、1つしか部屋とれなかったんだもんね」
「よし、そうと決まれば飯にするか」
「ですね!レッツディナー!」
気を取り直して夕飯タイム!
「メニュー見るか?」
「見る見る!」
どれどれ、とシャンクスからもらったメニュー表を開けてみる。
パスタにドリア、ほう、コース料理なんてのもある訳か。
「シャンクスはどうする?」
「まず酒。それからつまみを適当にだな」
「ですよねー。あ、私チャーシュー麺にしよ!」
「それでいいのか?金は気にすることないんだぞ?」
「え、これがいい。だって美味しそうなんだもん。あ、ねえ餃子頼むから半分こしない?」
「おう、いいぞ」
それからシャンクスが部屋についていた電伝虫で注文してくれた。
お金も払ってくれるし荷物も持ってくれたし、至れり尽くせりってこういうことなんだろうな。
昼は心配して探しに来てくれたし。
心も広くて、いい人だ。
「ほんとにラーメンで良かったのか?」
注文を終えたシャンクスが不思議そうに言う。
「ラーメン好きだし。チャーシュー麺なんて素晴らしすぎるじゃん。何で?」
「いや、ディナーだ!なんて意気込んでたからラーメンと来るとは思わなかった」
楽しそうに笑うシャンクスに、私はびし、っと言い返す。
「ラーメンだって立派なディナーです!餃子がつけばなお立派!」
「ははっ、ならいいんだ」
それから届いたラーメンは本当に美味しかった。
もっちりとした細麺に絡むスープ。
チャーシューも肉厚で食べ応えあり。
ルフィが食べたら喜んだだろうなー。
シャンクスはお酒を美味しそうに飲んでいた。
餃子も約束どおり半分こで。
「んー美味しかった!幸せ!」
「ああ、うまかった。評判どおりだ」
久し振りの陸で、
たくさん買い物して、美味しいもの食べて。
なんか眠くなった。
「アコ?眠いのか?」
「うん・・・ねむい」
「もう寝るか?」
「んにゃ・・・お風呂入りたい」
疲れてるしほんとはすぐにでも寝れるんだけど、さっぱりしてからやわらかいベッドに入りたい。
「それもそうだな。じゃ、一緒に入るか」
「風呂くらい1人で入れるって。じゃ、先入っていい?」
過保護だなあシャンクスは。
「・・・・ああ、ゆっくりな」
何故か少し困ったように笑うシャンクスに行ってきます、と伝えて私はお風呂場へ向かった。
+お宿とベッドとご飯 終+