拝啓、取引様
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「トウモロコシ2つくださーい」
食後のおやつ、とうもろこしをもぐもぐ。
「美味しいねー」
「美味いな」
「でもちょっと値上げしたような・・・」
「そうか?」
そして、
「クレープ2つくださーい」
食後のデザート、クレープをもぐもぐ。
「ん、美味しい!」
「あァ、美味いな」
「・・・・シャンクスの、チョコだっけ」
「食うか?」
隣で食べてるシャンクスのクレープ、ちょっと気になる。
「・・・ううん、大丈夫」
でも何かシャンクスの食べかけをもらうのは少し恥ずかしかった。
「アコのはキャラメルだったな?」
「うん。食べる?」
「じゃあ、一口もらおう」
「・・・・どうぞ」
シャンクスは何のためらいもなく、
差し出したクレープにぱくり。
「美味い」
口元についた生クリームを、ぺろりと舐め取った。
・・・・・・・なんだろ、
なんかこう、子供っぽいのに妙な大人の色気を感じる気がする。
「さすがにお腹いっぱいになったかも」
「また散歩するか?」
「あ、ゲームセンターがある!」
「行くか?」
さすが広い公園内。
結構大きめのゲームセンターを発見。
「ここまで来てゲームセンター?って思うでしょ?でも結構楽しいのが期待出来るんだなぁコレが」
「俺は構わないぞ」
ってことで、
目の前にあったゲームセンターに。
「見て見て!このリズムゲーム懐かしい!あ、この景品すっごいレアなやつー!」
そこはまさに私の期待通りだった。
「あ、このクイズゲームまだある・・・!」
カードを入れて、見知らぬ誰かと対戦するタイプのクイズゲーム。
ちょっと前に流行ったんだよねえ、懐かしい。
「ああ、これならカード持ってる。やるか?」
「持ってんの!?」
ちょっと意外だった。
「仕事の息抜きにたまにやってたからな。久しぶりにやってみるか」
シャンクスが機械の前のイスに座ったので、
私も隣に座ってみる。
・・・って、イス狭い。
これじゃシャンクスに申し訳ないと慌てて立とうとしたら、
腰をぐっと掴まれた。
「え、な、何?」
「何も立つことはねェだろ?狭いだろうが我慢してくれ」
「・・・・・・・あ、うん」
・・・・・・力、強いなあ。
呆然としている間にシャンクスがお金とカードを入れて、ゲーム開始。
で、画面を見て驚いた。
「・・・・・・何コレ」
「アコ初めてか?」
「いやそうじゃないけど。何このシャンクスのレベル」
自分のキャラクターにはレベルがあって、
クイズ大会でいい成績をとればとるほどレベルが上がっていくゲームではある。
でも画面に映し出されたシャンクスのレベルは・・・・相当高い。
「普通だろ?」
「・・・・・・・・そうだね、シャンクスって頭良かったもんね」
テストの成績しかり、
悪知恵しかり。
「俺だけの力じゃねェからな、仲間のおかげさ」
「いやいや、ご謙遜」
「さて、始まりだ。力を貸してくれ、アコ」
音楽が鳴って、クイズ大会が始まった。
「ぎょっ、御意!」
と、元気良く返事はしたものの、
シャンクスはさくさくと自分で正解を叩き出し、
あっという間に決勝戦。
「・・・・・・・すごいねーシャンクス」
「運が良かっただけだ」
と、ここでシャンクスの手が止まった。
三択問題。
刻々と制限時間が迫ってくるので、
「C・・・だと思うよ?」
と言ってみたら、
シャンクスは迷わずCボタンをプッシュ。
答えは・・・・『ぴんぽん!正解!』
「よく知ってたな、助かった」
「たまたま何かの本で読んだことがあって・・・シャンクスでも知らないことあるんだねー」
「俺にだって苦手なものはある」
「そっかぁ、そうだよね・・・私この分野割と得意だから任せて!」
「ああ、任せた」
そしてついに、
「優勝・・・・したね」
シャンクスはついに優勝してしまった。
難易度高いクイズ大会だったのに!
「アコのおかげだな」
「いやいや、私最後の方しか答えてないし」
「でもその答えがなかったら優勝は出来なかっただろう?」
「・・・・・どういたしまして」
密着した身体と、
いつもより嬉しそうなシャンクスの笑顔。
・・・・・・・・言葉が出て来なかった。
そして、
「夜だね」
「夜だな」
夕陽を眺めたりしてるうちに、あっという間に暗くなった。
「観覧車、行かないか?」
「そだね、そろそろ行こっか」
見事にカップルばかりが並ぶ中を私達も並んでチケットをゲット。
何だか妙な空気のまま、
「それでは行ってらっしゃーい」
にこやかなお兄さんに見送られて、私達の乗ったゴンドラは動き出した。
2人きりの、密室。
何となく何を話していいかわかんなくて、
景色を見る。
向かいに座ってるシャンクスの顔、見れない。
「・・・・アコ」
思ってるそばから呼ぶし・・・!
「け・・・結構ゆっくりだね」
顔を見れないまま口にしたら、ゴンドラが揺れた。
「わ!?」
何事!と思ったら、シャンクスが立ってるのが見えた。
「ななな何!どしたの!?」
シャンクスは慌てる私を笑って、
ゆっくりと私の横に座った。
「・・・・・・シャンクス?」
不安になって名前を呼んだら、
肩に手が回ってきて、
「・・・・このまま、キスしてェな」
・・・・・・とんでもないこと言い出した。
やばい、頭真っ白だ。
ただでさえこんな状態の私の目に飛び込んで来たのは、
切なさそうな目をしたシャンクスの顔。
・・・・・・・見なきゃ良かった。
もう、動けない。
魔法に、かかったみたいだ。
「しゃん、くす・・・今日、違う」
「・・・何がだ?」
「この間の、デート・・・と」
辛うじてそう言ったら、シャンクスは目の前で苦笑した。
「そりゃ違うだろう」
「なん・・・で?」
「アコからの誘いだし、アコの気合いの入れ方も違う」
あ。
・・・・・・・そうですね。
今日は私、ばっちり化粧もしてきたし、
服も女の子っぽくしてきたんでした。
「期待・・・するだろ?」
耳元で囁かれるシャンクスの、聞いたことのない低い声に背筋がぞくっとした。
「え・・・・・と」
「・・・・別に無理にするつもりはねェから、そんなに緊張するな」
「・・・・・恐れ入ります」
「今日はいい1日だった」
シャンクスはやっと私から顔を離して、
それでも私の隣に座ったままで。
ゴンドラ、ちょっと傾いてる。
あ、何か私少し冷静になってきた気がする。
「・・・・・・うん。私も、楽しかった」
「弁当も美味かった。また作ってくれるか?」
「あ、うん。今度また、お昼一緒の時に」
「楽しみだ」
これに何て答えようか迷ってるうちに、外を見たらもうすぐ頂上だった。
「・・・・もう頂上、だね」
何気なくそう言ったら、そっと私の手の上にシャンクスの大きくてごつごつした手が重なった。
あ、やっぱ駄目かも。
「夜景、見ないのか?」
「・・・・・・綺麗だね」
それから、くくっという笑い声が聞こえて、
「ああ、綺麗だ」
その横顔にドキッとして、
なんだかそれが悔しかった。
・・・・・・・・・・女の私より可愛い気がするよシャンクス君。
+違う 終+