拝啓、取引様
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お酒はそんなに飲んでなかった。
だから、酔ってはいなかった。
・・・・・・・・・・むしろ酔ってれば良かった。
や、それはそれで失礼か。
私は・・・・・どうしたらいいんだろう。
何かあまりにも突然過ぎて、
昨日のことが夢だったんじゃないかとさえ思う。
仕事・・・・行かなきゃ。
鞄を取りながら、シャンクスの顔が脳裏を過ぎる。
・・・・・・・・行かないと、なあ。
はああああ、と深いため息を吐いて。
パン!と頬を両手で叩いて、気合いを入れた。
今日は2時からシャンクスのとこに行かないと。
会社に着いたらヤソップさんから、
封筒を渡された。
「・・・・何ですかコレ」
中を見たら、
「お金?お小遣い!?」
現金。
「んな訳ねーだろ。大事な大事な取引先様んとこに手土産買ってけ。領収書はもらえよ」
「えー・・・・ケチ」
「救世主だぞ、お前の」
「・・・・はーい」
お昼を早めに食べて、
シャンクスへのお土産を選ぶ為に早めに外に出た。
えー・・・・・何買おう。
シャンクスが好きなものって何だっけ。
甘いの好きなんて聞いたことないし、
スナック菓子って感じでもないし。
・・・・・・・・お酒?
は仕事の手土産には相応しくないしなあ。
「・・・・・・・・・あ」
ふ、と隣のビジネスグッズの店が目に入った。
赤い線が3本入ったネクタイが、
目に焼きついた。
2時ちょっと前にオーロジャクソン㈱の会社に入ったら、シャンクスがロビーで待っててくれた。
「お、来たな」
「よ・・・よろしく御願いします」
「じゃあ会議室を使おう。・・・・っても2人だけ、だがな」
「・・・広いんでしょうか」
「狭くはないな。・・・・アコ」
「はい」
「敬語はやめてくれ」
「え、でも仕事・・・・」
「まあ、そうなんだが。嫌か?」
「シャンクスが嫌じゃなければ、うん」
私もその方が助かったりする。
敬語は苦手。
社会人としてあるまじき、かもしれないけど。
「そうか、良かった」
シャンクスが嬉しそうに笑ったところで、
会議室に到着したらしい。
「アコ、ここだ」
「お邪魔します・・・・・って広っ!!」
狭くはない、とは言ってたけど。
・・・・・・・・・・広いよ?
広すぎるよ?
「気に入らねェか」
「いやいやいや!っていうか勿体無い!2人しか居ないのに!」
「これでも狭い方なんだ、悪いが我慢してくれ」
「・・・・・・・ごめんね」
「アコが謝ることはねェだろう?」
「うん、でも何か・・・・うちの会社、たいしたとこじゃないのに」
「アコの為だ、気にすんな」
「・・・・・・・有り難う」
ははは、と乾いた笑いが広い部屋に響く。
・・・・・・・・・・・むなしい。
「あ、シャンクスこれ」
「ん?」
「一応うちの会社から手土産金もらったから・・・その、選んで、買ってきた」
「・・・・アコが選んだのか?」
「うん。お金は会社だけど」
領収書もちゃんともらった。
シャンクスは袋の中を開けて見て、
「・・・・俺好みだ」
と笑った。
・・・・・・・何か、すっごい罪悪感。
「・・・・・・よか、った」
「・・・・・・アコ?」
「・・・・うん、良かった」
「どうかしたか?」
「や、コレすっごい安くて。申し訳ないなって」
3本線の入ったこのネクタイを見た時、
シャンクスに合う!
と思ったものの。
お値段が安かった。
・・・・・・・・これは、手土産にはならないかなあと。
散々悩んだ挙句、結局他にいいものも見つからず、これになった訳で。
「俺に似合うと思って選んでくれたんだろう?」
「・・・・・・・うん」
「ならいいさ」
「・・・大人になったねえシャンクス」
昔ならたぶん、
『安かった分は他でくれるんだろ?』
とか言ってた。
「ああ・・・もうあの頃の俺じゃない」
ぎら、とシャンクスの目が光った気がした。
・・・・・何かあったのかな。
聞かれたくないことだったりして。
「・・・でも、気に入ってくれたなら良かった」
「大事に使わせてもらう。ありがとな」
「こちらこそ!シャンクスは私の救世主だもん、ヒーローっていうか」
心の底からの感謝をこめて言ったら、
「恋人にはなれないか?」
不敵な笑みに心臓をえぐられた。
・・・・・・・・・ぴし、と表情が固まる。
・・・・・・・忘れて、た。
と言ったら失礼だろうか。
いや、決して忘れてた訳じゃない。
ただ、何となく。
・・・・・・何となく、心の隅に追いやってたけだ。
「え・・・・・・と」
「・・・・・悪い、急かしすぎたな」
戸惑う私を見てシャンクスが困ったように笑った。
「・・・・・や、ごめん」
「今は救世主でもヒーローでも構わねェさ。仕事の話しに戻ろう。資料は?」
それから何事もなかったかのように仕事の話になって。
「あ、持ってきた。コレと・・・・コレ。で、こっちが・・・・」
「そうだな・・・そしたら、」
お互い真面目な顔。
広い広い会議室で、
2人だけの会議。
仕事、なんだけど。
大事な大事な、
企画会議、なんだけど。
でもお互いの意見交換が白熱して、
すっごく楽しかった。
+お仕事 終+
だから、酔ってはいなかった。
・・・・・・・・・・むしろ酔ってれば良かった。
や、それはそれで失礼か。
私は・・・・・どうしたらいいんだろう。
何かあまりにも突然過ぎて、
昨日のことが夢だったんじゃないかとさえ思う。
仕事・・・・行かなきゃ。
鞄を取りながら、シャンクスの顔が脳裏を過ぎる。
・・・・・・・・行かないと、なあ。
はああああ、と深いため息を吐いて。
パン!と頬を両手で叩いて、気合いを入れた。
今日は2時からシャンクスのとこに行かないと。
会社に着いたらヤソップさんから、
封筒を渡された。
「・・・・何ですかコレ」
中を見たら、
「お金?お小遣い!?」
現金。
「んな訳ねーだろ。大事な大事な取引先様んとこに手土産買ってけ。領収書はもらえよ」
「えー・・・・ケチ」
「救世主だぞ、お前の」
「・・・・はーい」
お昼を早めに食べて、
シャンクスへのお土産を選ぶ為に早めに外に出た。
えー・・・・・何買おう。
シャンクスが好きなものって何だっけ。
甘いの好きなんて聞いたことないし、
スナック菓子って感じでもないし。
・・・・・・・・お酒?
は仕事の手土産には相応しくないしなあ。
「・・・・・・・・・あ」
ふ、と隣のビジネスグッズの店が目に入った。
赤い線が3本入ったネクタイが、
目に焼きついた。
2時ちょっと前にオーロジャクソン㈱の会社に入ったら、シャンクスがロビーで待っててくれた。
「お、来たな」
「よ・・・よろしく御願いします」
「じゃあ会議室を使おう。・・・・っても2人だけ、だがな」
「・・・広いんでしょうか」
「狭くはないな。・・・・アコ」
「はい」
「敬語はやめてくれ」
「え、でも仕事・・・・」
「まあ、そうなんだが。嫌か?」
「シャンクスが嫌じゃなければ、うん」
私もその方が助かったりする。
敬語は苦手。
社会人としてあるまじき、かもしれないけど。
「そうか、良かった」
シャンクスが嬉しそうに笑ったところで、
会議室に到着したらしい。
「アコ、ここだ」
「お邪魔します・・・・・って広っ!!」
狭くはない、とは言ってたけど。
・・・・・・・・・・広いよ?
広すぎるよ?
「気に入らねェか」
「いやいやいや!っていうか勿体無い!2人しか居ないのに!」
「これでも狭い方なんだ、悪いが我慢してくれ」
「・・・・・・・ごめんね」
「アコが謝ることはねェだろう?」
「うん、でも何か・・・・うちの会社、たいしたとこじゃないのに」
「アコの為だ、気にすんな」
「・・・・・・・有り難う」
ははは、と乾いた笑いが広い部屋に響く。
・・・・・・・・・・・むなしい。
「あ、シャンクスこれ」
「ん?」
「一応うちの会社から手土産金もらったから・・・その、選んで、買ってきた」
「・・・・アコが選んだのか?」
「うん。お金は会社だけど」
領収書もちゃんともらった。
シャンクスは袋の中を開けて見て、
「・・・・俺好みだ」
と笑った。
・・・・・・・何か、すっごい罪悪感。
「・・・・・・よか、った」
「・・・・・・アコ?」
「・・・・うん、良かった」
「どうかしたか?」
「や、コレすっごい安くて。申し訳ないなって」
3本線の入ったこのネクタイを見た時、
シャンクスに合う!
と思ったものの。
お値段が安かった。
・・・・・・・・これは、手土産にはならないかなあと。
散々悩んだ挙句、結局他にいいものも見つからず、これになった訳で。
「俺に似合うと思って選んでくれたんだろう?」
「・・・・・・・うん」
「ならいいさ」
「・・・大人になったねえシャンクス」
昔ならたぶん、
『安かった分は他でくれるんだろ?』
とか言ってた。
「ああ・・・もうあの頃の俺じゃない」
ぎら、とシャンクスの目が光った気がした。
・・・・・何かあったのかな。
聞かれたくないことだったりして。
「・・・でも、気に入ってくれたなら良かった」
「大事に使わせてもらう。ありがとな」
「こちらこそ!シャンクスは私の救世主だもん、ヒーローっていうか」
心の底からの感謝をこめて言ったら、
「恋人にはなれないか?」
不敵な笑みに心臓をえぐられた。
・・・・・・・・・ぴし、と表情が固まる。
・・・・・・・忘れて、た。
と言ったら失礼だろうか。
いや、決して忘れてた訳じゃない。
ただ、何となく。
・・・・・・何となく、心の隅に追いやってたけだ。
「え・・・・・・と」
「・・・・・悪い、急かしすぎたな」
戸惑う私を見てシャンクスが困ったように笑った。
「・・・・・や、ごめん」
「今は救世主でもヒーローでも構わねェさ。仕事の話しに戻ろう。資料は?」
それから何事もなかったかのように仕事の話になって。
「あ、持ってきた。コレと・・・・コレ。で、こっちが・・・・」
「そうだな・・・そしたら、」
お互い真面目な顔。
広い広い会議室で、
2人だけの会議。
仕事、なんだけど。
大事な大事な、
企画会議、なんだけど。
でもお互いの意見交換が白熱して、
すっごく楽しかった。
+お仕事 終+