いざ、勝負
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「余計なことして、すみませんでした」
船へ戻るまでの道で、私はシャンクスに即座に謝罪した。
「アコは何も謝ることはしてない筈だが」
「でも、余計なこと、しました」
「ロンを助けただけだろ?」
「・・・・・・・・たぶん、違うと思います」
「違う?」
さっきの会話で気づいたことがある。
「たぶん、ロンさんはあの時狙われれてたことに気づいてたんだと思うんです」
「ほう」
「だから私が何もしなければ何事もなく終わってたんだろうな、って」
あの時私は、考えるより先に身体が動いてた。
「・・・・・・・・ロンさんはシャンクスを信じてたし、シャンクスもロンさんを信じてた。私も2人を信じなきゃいけなかったんです」
自分の不甲斐なさに少し凹む。
何で2人を信じられなかったんだろう、って。
けれどシャンクスはただ優しく笑って、
「仮にそうだったとして、それは謝ることか?」
「・・・・と、おっしゃいますと」
「危険に晒された仲間を助けた、それは普通のことじゃないのか?」
・・・・・・・・・その笑顔に、言葉につい頷いてしまいそうになった。
「助けたかった、だけです。私の・・ミスです」
「・・・だ、そうだが、どう思うロン?」
「え!?」
シャンクスが名前を呼んで振り返った先には、確かにロンさんが居た。
「むしろ俺が礼をいうべきだと思ってたんですがね」
「ロンさんご無事で・・・良かった。でも、駄目ですよ、私を甘やかさないで下さい」
シャンクスもロンさんも、基本的に私に甘い。
・・・でもそれじゃ、私は駄目になる。
「だっはっは!そんなとこもアコらしくていいな!」
「あー・・・じゃあ罰を与えよう」
「はいっ」
納得しない私にロンさんが与えてくれた1つの提案。
「今夜、アコは料理のことを忘れてデートすること。勿論お頭とな」
「え、」
デート?
シャンクスと?
「それが罰だ。どうです?お頭」
「アコ次第だな。俺としちゃ嬉しい限りだが」
そう言って挑戦的な目で私を見つめるシャンクス。
・・・・・・・・・やっぱり2人とも甘い。
「・・・・・・・そんなの罰じゃないです。でも、お受けします」
「じゃ、決まりだな。せっかくのデートだ、頑張って下さいよお頭」
「おう、任せろ」
という訳で、シャンクスとのデートが決まった訳ですが。
一旦部屋に戻って思うことは、
「お風呂入りたいです」
お風呂に入る時はシャンクスに言わなければならない。
誰か見張りをつかなければいけないから。
「風呂?今からか?」
「さっきの場所がすごく臭くて。身体にまで染み付いちゃった気がするんです」
「ああ、さっきアコが催眠術かけられそうになった場所か。確かに臭かったな」
「あんな場所じゃ匂いが気になって催眠術にはかかりませんて」
「そりゃそうだな。ちょっと待っててくれ」
「準備なら自分でしますよ?」
別にここのお風呂に入るのは初めてじゃない。
けれど、
「いや、いいんだ」
シャンクスがそう言うのでお任せすることにした。
「今日は俺が見張ろう」
「・・・・覗きません?」
「保障は出来ねえな」
「・・・・誰か他の人」
「だっはっは!冗談だ。覗きゃしねえさ」
シャンクスの言葉を信じることにして、
入ることにした。
そして扉を開けた途端、ふわりと香る桃の香り。
「わ、いい匂い」
湯船に浸かると香りは強くなった。
・・・・・・・・入浴剤、かな。
心も身体も温まって、幸せな気分でお風呂を出た。
さくっと普段着に着替えて出ると、
シャンクスが見張ってくれていた。
「・・・シャンクス」
「ああ、出たのか。どうだった?」
やっぱり入浴剤はシャンクスだったのか。
「入浴剤、ですよね。すごく気持ちよかったです」
「ハンドクリームや香水は駄目でも、入浴剤なら大丈夫だろ?」
・・・・ああ、やっぱり。
「・・・・・・・・有難う、御座います」
「少し休んだら出かけるか、アコ」
「はい」
返事をしてから、考える。
ロンさんから、
『せっかくのデートなんだからお洒落して行けよ、アコ』
と言われているので。
・・・・・・・・・・・何着ていけばいいんだろう。
+香りの町 終+