いざ、勝負
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「ロンさん何処か行くんですか?」
島に停泊中、出掛ける予定はないと言っていたロンさんが昼前に支度をしていたので聞いてみたら、
「ああ、近くにこの島ならではの美味い料理食わせる店があるって聞いたんで行ってみようかとな。アコも行くか?」
「!行きたいです!!」
願ってもないお誘いに喜んで返事をすれば、
「俺も興味あるな。行ってもいいか?」
ということで、私とロンさん、シャンクスの3人で食事に行くことになった。
「美味しーい!これいいですね!」
「うちでも試してみるか」
「あ、お手伝いしますっ」
私とロンさんは当たり前だけど料理の話。
「ここは酒も美味いなー」
・・・・・・シャンクスはお酒の話。
お昼からお酒。
いつものことだけど。
「あ、でもそのお酒だったら塩味もっと濃い料理の方がいい気がしますね」
「むしろお頭には酒は控えてもらった方がいいんじゃないか、アコ」
「確かに!」
「・・・・・・・・勘弁してくれ」
情けないシャンクスの声にロンさんと2人で笑って、楽しい食事だった。
「美味しかったぁー!試してみたい料理も出来たし、大収穫でしたね、ロンさん」
「アコは料理の話してる時と麦わらのルフィの話の時はほんとに嬉しそうだよな」
「ハイ、好きですから」
帰りに町を見ながら話をしていると、
「・・・・・ロン、アコを頼む」
突然シャンクスの真剣な声音が聞こえた。
顔つきも、違う。
「・・・・あ、」
ロンさんが私の前に出た瞬間、
「人が居りゃいいってもんでもねえだろうに。なあ、アコ」
何人いるか数えるのも面倒なほどの人に囲まれた。
「せっかく美味しいご飯食べた後なのに」
「さすが強いなァアコ。ま、ここはお頭に任せとけ」
「はーい」
同業者、ってやつかな。
でもシャンクスは強いし大丈夫、そう油断してた。
変わらないシャンクスの戦いっぷりを見ていたら、
「ロンさん!」
ロンさんの横に刃物が見えた。
考える暇なんてなかった。
「アコ!?」
刃物の痛みはわかってる。
その痛みを覚悟して、目を瞑った。
けれど、
「ほーう、度胸のある女だな。よし、連れて行け!」
連れて行かれる!?
何処に!?
腕をがしっと捕まれて、そのまま連行。
「アコ!」
シャンクスとロンさんの声が聞こえたけど、力いっぱいに腕を捕まれて残念ながら逃げれそうにない。
連れて行かれた場所はすぐのお店の奥。
「・・・くっさ」
色んな香水の匂いが混じってて、臭い部屋。
「いいかいお嬢ちゃん、この輪をよーく見るんだ」
腕を捕まれたまま、目の前に現れた男の人はヒモにぶらさげた輪っかを揺らしてそう言った。
「催眠術?」
「この辺でのさばってる同業者で、そういうのが居るらしいですよ」
アコが連れ去られた。
すぐに後と追えば、どうにも鼻につく嫌な匂い。
「・・・・ここだな」
店に入れば数人の男。
そして、
「アコ」
「残念だったなぁ赤髪!この女はもう俺達のもんだ!」
「・・・・・なるほど、催眠術ってやつか」
「厄介ですね、お頭」
まじまじと男達の中に立つアコを見つめるが、何処も変わった様子はない。
そしてドヤ顔で言い放つ、男。
「お前はもう俺達の仲間だよな?」
・・・・・・続くアコの答えは、
「え、違うけど」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
あんぐりと口を開けて間抜けな顔の相手に、アコは悠然と、
「馬鹿なこと言わないで。こんなとこに居たってルフィ君に会えないじゃない!」
そして呆然とする周囲をよそに、つかつかとこちらへ歩いてきて、
「ルフィ君の話だって聞けないし、ロンさんと新作レシピの話も出来ないし」
・・・・・・・・こんな時に何だが、
ルフィとロンに少しだけ妬ける。
そう思っていたら、
「シャンクスの美味しい、だって聞けないんだから。絶対嫌」
思わぬところで出た自分の名前に自然と頬が緩んだ。
「って、おい!どういうことだお前、ちゃんと術かけたって言ったじゃねーか!つーか人質逃がしてんじゃねえよ!」
「知るかよ!ちゃんとかけたぜ俺は!」
あ、仲間割れ始めた。
シャンクスとロンさんは唖然としていて、
「・・・・催眠術、かかんなかったのか?アコ」
困惑気味のロンさんに聞かれて、
「かかる訳ないじゃないですかこんな状況で」
「まあ、何にせよ無事で良かった。・・・行くか、アコ」
シャンクスは優しくそう微笑む。
「え、でもこの人たち」
どうするの?
「後は俺がやろう。アコはお頭と先に帰っててくれ」
す、と前に出たロンさん。
「ああ、任せた」
「・・・・・・・・・ああ、」
「ん?」
「や、何でもないです」
2人の会話に思うところがあって、思わず声が出た。
「・・・・行くぞ、アコ」
「はい」
後ろの声を聞きながら、
そっかあれは催眠術だったんだ、と今更に納得した。
+いる理由 終+
島に停泊中、出掛ける予定はないと言っていたロンさんが昼前に支度をしていたので聞いてみたら、
「ああ、近くにこの島ならではの美味い料理食わせる店があるって聞いたんで行ってみようかとな。アコも行くか?」
「!行きたいです!!」
願ってもないお誘いに喜んで返事をすれば、
「俺も興味あるな。行ってもいいか?」
ということで、私とロンさん、シャンクスの3人で食事に行くことになった。
「美味しーい!これいいですね!」
「うちでも試してみるか」
「あ、お手伝いしますっ」
私とロンさんは当たり前だけど料理の話。
「ここは酒も美味いなー」
・・・・・・シャンクスはお酒の話。
お昼からお酒。
いつものことだけど。
「あ、でもそのお酒だったら塩味もっと濃い料理の方がいい気がしますね」
「むしろお頭には酒は控えてもらった方がいいんじゃないか、アコ」
「確かに!」
「・・・・・・・・勘弁してくれ」
情けないシャンクスの声にロンさんと2人で笑って、楽しい食事だった。
「美味しかったぁー!試してみたい料理も出来たし、大収穫でしたね、ロンさん」
「アコは料理の話してる時と麦わらのルフィの話の時はほんとに嬉しそうだよな」
「ハイ、好きですから」
帰りに町を見ながら話をしていると、
「・・・・・ロン、アコを頼む」
突然シャンクスの真剣な声音が聞こえた。
顔つきも、違う。
「・・・・あ、」
ロンさんが私の前に出た瞬間、
「人が居りゃいいってもんでもねえだろうに。なあ、アコ」
何人いるか数えるのも面倒なほどの人に囲まれた。
「せっかく美味しいご飯食べた後なのに」
「さすが強いなァアコ。ま、ここはお頭に任せとけ」
「はーい」
同業者、ってやつかな。
でもシャンクスは強いし大丈夫、そう油断してた。
変わらないシャンクスの戦いっぷりを見ていたら、
「ロンさん!」
ロンさんの横に刃物が見えた。
考える暇なんてなかった。
「アコ!?」
刃物の痛みはわかってる。
その痛みを覚悟して、目を瞑った。
けれど、
「ほーう、度胸のある女だな。よし、連れて行け!」
連れて行かれる!?
何処に!?
腕をがしっと捕まれて、そのまま連行。
「アコ!」
シャンクスとロンさんの声が聞こえたけど、力いっぱいに腕を捕まれて残念ながら逃げれそうにない。
連れて行かれた場所はすぐのお店の奥。
「・・・くっさ」
色んな香水の匂いが混じってて、臭い部屋。
「いいかいお嬢ちゃん、この輪をよーく見るんだ」
腕を捕まれたまま、目の前に現れた男の人はヒモにぶらさげた輪っかを揺らしてそう言った。
「催眠術?」
「この辺でのさばってる同業者で、そういうのが居るらしいですよ」
アコが連れ去られた。
すぐに後と追えば、どうにも鼻につく嫌な匂い。
「・・・・ここだな」
店に入れば数人の男。
そして、
「アコ」
「残念だったなぁ赤髪!この女はもう俺達のもんだ!」
「・・・・・なるほど、催眠術ってやつか」
「厄介ですね、お頭」
まじまじと男達の中に立つアコを見つめるが、何処も変わった様子はない。
そしてドヤ顔で言い放つ、男。
「お前はもう俺達の仲間だよな?」
・・・・・・続くアコの答えは、
「え、違うけど」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
あんぐりと口を開けて間抜けな顔の相手に、アコは悠然と、
「馬鹿なこと言わないで。こんなとこに居たってルフィ君に会えないじゃない!」
そして呆然とする周囲をよそに、つかつかとこちらへ歩いてきて、
「ルフィ君の話だって聞けないし、ロンさんと新作レシピの話も出来ないし」
・・・・・・・・こんな時に何だが、
ルフィとロンに少しだけ妬ける。
そう思っていたら、
「シャンクスの美味しい、だって聞けないんだから。絶対嫌」
思わぬところで出た自分の名前に自然と頬が緩んだ。
「って、おい!どういうことだお前、ちゃんと術かけたって言ったじゃねーか!つーか人質逃がしてんじゃねえよ!」
「知るかよ!ちゃんとかけたぜ俺は!」
あ、仲間割れ始めた。
シャンクスとロンさんは唖然としていて、
「・・・・催眠術、かかんなかったのか?アコ」
困惑気味のロンさんに聞かれて、
「かかる訳ないじゃないですかこんな状況で」
「まあ、何にせよ無事で良かった。・・・行くか、アコ」
シャンクスは優しくそう微笑む。
「え、でもこの人たち」
どうするの?
「後は俺がやろう。アコはお頭と先に帰っててくれ」
す、と前に出たロンさん。
「ああ、任せた」
「・・・・・・・・・ああ、」
「ん?」
「や、何でもないです」
2人の会話に思うところがあって、思わず声が出た。
「・・・・行くぞ、アコ」
「はい」
後ろの声を聞きながら、
そっかあれは催眠術だったんだ、と今更に納得した。
+いる理由 終+