いざ、勝負
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書類と向き合っている最中に気づいた気配に甲板に出てみれば、
いかにも、といった感じの同業者が居た。
3人だし、身体もなまっていたところだ、と相手になったのが間違いだった。
ドアから覗くアコに気をとられた一瞬の隙に狙われたアコ。
「無事か?アコ」
「・・・は、」
「ん?」
「船医さんは!?」
アコのその言葉に一瞬焦ったものの、
「何処か怪我したのか!?」
怪我をした訳ではなさそうだ。
「怪我したのは貴方でしょ!?」
・・・が、この言葉に少しだけ肩を落とした。
貴方、か。
もう『赤髪』とすら呼びたくない、とそういうことかと。
しかし話していくうちに、
アコの口から紡がれた、名前。
「昨日も・・・一緒に謝ってくれて、今日は守ってくれて、有難う、シャンクス」
それだけで自然と口元が綻んだ。
「・・・・・よし」
完成したそれをお皿に盛り付けて。
シャンクスの部屋へ。
コンコン、と軽くノックした後、
「シャンクス、ご飯・・出来ましたけど」
ドア越しにそう伝えればすぐにシャンクスが顔を見せた。
「いいな、今の」
「・・・何がですか?」
「名前呼びに敬語。・・・嫁さんみたいで」
「・・・ご飯冷めますよ」
「ああ、すぐ行く」
ご機嫌なシャンクスの言葉を受けながら私は足早に厨房へ戻った。
お嫁さん、か。
そこまでは望まないけど、
ずっとルフィ君の側に居られたら幸せだろうな。
太陽みたいな、あの笑顔の隣。
いつか私の作った料理を、美味しいと食べてくれたら。
そこまで考えて、慌ててその考えを消した。
今食べてもらうのは、
美味しいと言わせるべきなのは、
シャンクスだ。
誰も居ない食堂、シャンクスが座ったところへ私は出来たてのその料理を運んだ。
「どうぞ、召し上がって下さい」
「・・・野菜炒めか?」
「はい」
「頂こう」
私が出した野菜炒めを口に入れた、シャンクス。
「・・・美味い。アコが好きなのは野菜炒めか?」
「これ、私が初めて作った料理なんです」
「ほう」
「そして、初めて母さんが美味しいって言ってくれた料理」
「・・・そうか」
「料理って言っても野菜とお肉切って炒めただけなんですけどね」
それでも私にとっては初めての料理で、大切なものになった。
「でもこれが私の基本だし、母さんが美味しいって言ってくれたこの料理が私の1番好きな料理です」
初めて作ったその時、私は5歳だった。
本当に美味しかったかどうかは母さんにしかわからないけど。
母さんのあの笑顔が、私をこの道へと決心させた。
シャンクスはといえば、ただひたすら箸を動かしていて。
そして食べ終えて、
「美味かった。・・・アコのことが、ますます好きになったよ」
「・・・料理で語ってみせただけです」
その笑顔と一言が嬉しかった。
「ところで敬語はいつなくなるんだ?」
ふと思い出したように呟くシャンクス。
「でも年上ですし、船長ですから。・・・敬語がなくなる時は、私が負ける時ですね」
「つまり」
「私がシャンクスのことを好きになった時です。・・・恋人になった時?」
「楽しみだな」
そういう時が来ない、とかは考えてない余裕の表情。
ふと1つの疑問が湧いた。
「・・・あの、聞いてもいいですか?」
「ん?何だ?」
「シャンクスが私のことを好きじゃなくなるってことはあり得ません?」
もし私がシャンクスのことを好きになったとして、その時にシャンクスが私のことを好きじゃなくなっていたら。
「言っただろう?ますます好きになった、と」
「万が一ってことは?」
あっさりと言い切ったシャンクスに少し戸惑う。
「ない。もしなったらその時は俺の負けでいいさ。約束する」
戸惑いながら私は、何を願おうかと考えた。
+語って見せましょう 終+
いかにも、といった感じの同業者が居た。
3人だし、身体もなまっていたところだ、と相手になったのが間違いだった。
ドアから覗くアコに気をとられた一瞬の隙に狙われたアコ。
「無事か?アコ」
「・・・は、」
「ん?」
「船医さんは!?」
アコのその言葉に一瞬焦ったものの、
「何処か怪我したのか!?」
怪我をした訳ではなさそうだ。
「怪我したのは貴方でしょ!?」
・・・が、この言葉に少しだけ肩を落とした。
貴方、か。
もう『赤髪』とすら呼びたくない、とそういうことかと。
しかし話していくうちに、
アコの口から紡がれた、名前。
「昨日も・・・一緒に謝ってくれて、今日は守ってくれて、有難う、シャンクス」
それだけで自然と口元が綻んだ。
「・・・・・よし」
完成したそれをお皿に盛り付けて。
シャンクスの部屋へ。
コンコン、と軽くノックした後、
「シャンクス、ご飯・・出来ましたけど」
ドア越しにそう伝えればすぐにシャンクスが顔を見せた。
「いいな、今の」
「・・・何がですか?」
「名前呼びに敬語。・・・嫁さんみたいで」
「・・・ご飯冷めますよ」
「ああ、すぐ行く」
ご機嫌なシャンクスの言葉を受けながら私は足早に厨房へ戻った。
お嫁さん、か。
そこまでは望まないけど、
ずっとルフィ君の側に居られたら幸せだろうな。
太陽みたいな、あの笑顔の隣。
いつか私の作った料理を、美味しいと食べてくれたら。
そこまで考えて、慌ててその考えを消した。
今食べてもらうのは、
美味しいと言わせるべきなのは、
シャンクスだ。
誰も居ない食堂、シャンクスが座ったところへ私は出来たてのその料理を運んだ。
「どうぞ、召し上がって下さい」
「・・・野菜炒めか?」
「はい」
「頂こう」
私が出した野菜炒めを口に入れた、シャンクス。
「・・・美味い。アコが好きなのは野菜炒めか?」
「これ、私が初めて作った料理なんです」
「ほう」
「そして、初めて母さんが美味しいって言ってくれた料理」
「・・・そうか」
「料理って言っても野菜とお肉切って炒めただけなんですけどね」
それでも私にとっては初めての料理で、大切なものになった。
「でもこれが私の基本だし、母さんが美味しいって言ってくれたこの料理が私の1番好きな料理です」
初めて作ったその時、私は5歳だった。
本当に美味しかったかどうかは母さんにしかわからないけど。
母さんのあの笑顔が、私をこの道へと決心させた。
シャンクスはといえば、ただひたすら箸を動かしていて。
そして食べ終えて、
「美味かった。・・・アコのことが、ますます好きになったよ」
「・・・料理で語ってみせただけです」
その笑顔と一言が嬉しかった。
「ところで敬語はいつなくなるんだ?」
ふと思い出したように呟くシャンクス。
「でも年上ですし、船長ですから。・・・敬語がなくなる時は、私が負ける時ですね」
「つまり」
「私がシャンクスのことを好きになった時です。・・・恋人になった時?」
「楽しみだな」
そういう時が来ない、とかは考えてない余裕の表情。
ふと1つの疑問が湧いた。
「・・・あの、聞いてもいいですか?」
「ん?何だ?」
「シャンクスが私のことを好きじゃなくなるってことはあり得ません?」
もし私がシャンクスのことを好きになったとして、その時にシャンクスが私のことを好きじゃなくなっていたら。
「言っただろう?ますます好きになった、と」
「万が一ってことは?」
あっさりと言い切ったシャンクスに少し戸惑う。
「ない。もしなったらその時は俺の負けでいいさ。約束する」
戸惑いながら私は、何を願おうかと考えた。
+語って見せましょう 終+