いざ、勝負
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「しょうが、忘れちゃいました、すみませんでした・・・っ!」
「すまん」
船に戻って、2人でロンさんに頭を下げた。
「しょうが・・・ああ、お頭がいいなら別に構わないですがね」
「・・・・俺?」
顔をあげるとロンさんから衝撃の発言。
「いやだってこないだお頭がしょうが焼き食いたいって言ってたじゃないですか」
「・・・・・そうだったか?」
「じゃあ、しょうがは絶対買って来てくれ、っていうのは」
「お頭の為だから。お頭がいいなら、別に」
そう苦笑するロンさんに、横に居る赤髪さんを見やれば、
「だっはっは!そりゃ良かった!」
豪快に笑う赤髪さんが居て、なんだか申し訳なくなった。
「でも・・・食べたかったんですよね、しょうが焼き」
「気にすんな。忘れてたくらいだからな、問題ねえさ」
それでも納得出来ない私に、ロンさんが一言。
「そんじゃあ明日俺が買ってくる。出航は4日後でしたよね、お頭」
「ああ、そうだが。・・・いいのか?」
「どうせ俺もこの島の食材が見たいと思ってたんで」
「じゃあ頼む。悪いなロン」
え、え、えええ!?
「じゃっじゃあ私も行きます!」
「アコは今日行ったろ?明日はお頭の為に美味いもん作ってやれ」
「でも、買い忘れたのは私で」
「それでどうですか、お頭」
ロンさんは私の反論を無視して赤髪さんと話を進める。
「そうだな、ベンに言われてる仕事もあるから明日は出られねェし、そうするか」
「じゃあ、それで決まりだ」
「ロンさん、すみませんでした。赤髪さんも・・・ごめんなさい」
これ以上私が何か言ったところで、何もならない。
私はそう判断して、再び頭を下げた。
「今度お頭に美味いしょうが焼き、作ってやれよアコ」
「酒が進むなァ、楽しみだ」
顔をあげるとそう言って笑ってる2人が居て、少しだけ泣きそうになった。
「今日はどうする?アコ」
「え?」
「ルフィの話」
部屋に戻って、いきなり言われたので何のことだかわからなかった。
「・・・・今日は、いいです」
「まだ気にしてるのか?」
正直気にしてない訳じゃない。
でも、
「今は明日何作ろうかなっていうのとしょうが焼きを如何に美味しく作るかって考えたいんです」
もう忘れちゃったもんは仕方ないし、しょうがは明日ロンさんが買ってきてくれて。
私には明日赤髪さんに美味しい料理を提供することと今度しょうが焼きを作るって約束をしたんだから。
「あ、明日何か食べたいのあります?」
それが私の責任の取り方だと、思うから。
赤髪さんに喜んでもらうためには本人に聞くのが1番か、と聞いてみたら。
赤髪さんは驚いた顔で私をじいっと見つめて、何も言わない。
「・・・・赤髪さん?」
「ああ、すまん。食いたいモンの話だったか?そうだな・・・アコの好きな料理が食いたいな」
「私の?それでいいなら構いませんけど」
赤髪さんは優しく笑った。
・・・・この人が本当に海賊で、お頭なのかしらとたまに信じられなくなる。
「アコのことがもっと知りたくなった。・・・好きだ、アコ」
「・・・・・っ」
惚れた、とは言われたことはあったけど。
好き、なんて初めてで。
心臓がとくん、と跳ねた。
「それは・・・私の料理が、ってことですか?」
「いや、アコのことが、だ」
何とか誤魔化そうと試みるも無駄で。
「・・・じゃあ私は料理で語って見せます」
初めて、赤髪さんを見つめ返すことが怖いと思った。
+しょうがの謎 終+