いざ、勝負
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そういえばルフィ君はどんな物が好きなんですか?」
いつか会えることを信じて、
その時の為に参考までに聞いておきたかった。
朝食の感想のついでに、と言う感じで言えたけど実はこれが1番聞きたかったことだ。
「ん?そうだな・・・・肉だな」
「・・・・・肉、ですか」
いや、そりゃお肉は好きなんでしょうけど、もっとこう、具体的な料理名が出るのかと。
そんな私の心を知らない赤髪さんは1人頷いて、
「肉だ」
と満足そうに答えてくれた。
お肉料理か・・・・。
今のうちにもっと腕を鍛えておこうと思った。
レパートリーも増やしておかないと。
美味しい、って言ってほしいから。
「ちなみにルフィ君って嫌いなものあるんですか?」
「嫌いなモン?たぶんねェな。何でも食うぞあいつは」
「好き嫌いないんですね・・・作り甲斐があります!」
うん、断然やる気出て来た!
「怪しいきのことかも食いそうだな」
「・・・・・・・・・・それはちょっと怖いですね」
「ミミズも蛙も食うな」
「・・・・・・・・が、頑張ります」
ちょっと、それは怖いかも・・・・。
でも!それで喜んでくれるなら・・・!!
覚悟を決めて色々考え事をしていると、
「アコがルフィについて知ってるのは手配書だけか?」
赤髪さんが思い出したように聞いてきた。
「彼が今までに起こしたことで新聞に載ったことは知ってますけど。・・・切抜き全部集めてましたから」
これまでに彼が起こしたこと。
懸賞金があがっていったこと。
それらをふまえた上で、やっぱり好きだと思った。
会いたいと、思った。
「ルフィに会ってどうするつもりなんだ?」
「え、まだ決めてませんけど」
「・・・・・会いたいんだろう?」
「ええ。ですから、会うのが目的です。今のところは。後のことはその時決めます」
そう答えると、赤髪さんは変な顔をした。
「会ってどうしたい、とかがある訳じゃねえのか」
「出来ることならしばらくは側に居たいです。そして私の想像通りの人だったらいいな、って思います」
「もしそうでなかったら?」
「んーそれはそれで、いいです。会えるならそれだけで幸せだから」
自分の理想を押し付けて、違ったからってがっかりするつもりはない。
あれ?でもそしたら、
「そしたらその時は勝負ってどうなるんですか?」
「勝負は勝負だ。アコがルフィに会うまでに落とせなかったら俺の負けだ」
「私の言うことを1つだけ、何でも聞いてくれる、ですよね」
「ああ」
にや、と不敵に笑う赤髪さんを、じぃっと見つめた。
そんな私を不思議に思ったのか、赤髪さんはきょとん、として、
「アコ?」
私の名前を呼ぶ。
「・・・そんなことにはならない、って顔してるなって思っただけです」
「ルフィに負けるつもりはない、とだけ言っておこう」
「・・・・・・かーさん、が」
「ん?」
「母さんが、私はきっと赤髪さんのこと好きになるって」
「ほう」
『アコはきっと赤髪のシャンクスのことが好きになるもの』
『・・・・何それ』
『母親の勘てやつ?』
あの時の自信たっぷりに笑った母さんの顔と、さっきの赤髪さんの顔がかぶって見えたから。
「最初はそんなことあり得ないって思ってたけど、今は可能性はゼロじゃないと思うし、
そうなったらなったで面白いと思います」
まだ、『シャンクス』とは呼べないけど。
「まあ、まだ私は負けるつもりはないですけどね?」
そこまで言って笑ってみせたところで、
「おーいアコ」
ロンさんに呼ばれた。
「はーい」
「明後日島に着いたら買出し頼む!」
「・・・はい!」
ということで、
「買出しだそうですよ?赤髪さん」
「そんじゃ仲良く手ぇ繋いで行くとするか、アコ」
「・・・・・手、増やせるならいいですよ」
でなきゃ荷物持てないじゃないですか。
ただの買出しのハズなのに、前途多難な気がしてきた。
+これからのこと 終+