いざ、勝負
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・・・・・騒がしい。
宴だから仕方ないんだけど。
周りは酔っ払いばっかりだし。
「アコ!飲んでるかー!?」
「・・・・えーと、ヤソップさん、ですよね」
「おう、よろしくな」
顔を赤くさせて近づいてきたのはうちの店で確かB定食を頼んだヤソップさん。
そこへ、
「もう後戻りは出来ないぞ」
と厳しい声音で話しかけてくれたのは、
「・・・・ベンベックマンさん」
ツマミセットを頼んだ人だ。
「ベンでいい」
「そうですね・・・たくさんご迷惑おかけします、ベンさん」
私が笑ってそう返すとベンさんは首を傾げた。
「そのぶん皆さんには美味しい料理を提供させて頂きます」
そして私の目をじっと見つめて、
「・・・そりゃ楽しみだ」
とベンさんも笑ってくれた。
「ほれアコ、これ美味いぞー」
「あ、有難う御座いますヤソップさん」
ヤソップさんが美味いぞ、と持ってきてくれた炒め物を一口。
「・・・・・美味しい。塩味の加減が丁度いいですね、これ」
口の中に広がる塩気とシャキシャキの野菜の食感が美味しい。
「俺は早くアコの飯が食いたいな」
後ろから突然そう言って現れたのは、酔っ払ったオッサン・・・じゃなくて赤髪さん。
「しっかしこのお嬢さんをどうやって口説いたんだお頭?」
「惚れんなよヤソップ、俺のだから」
酔っ払い2人め。
「私まだ赤髪さんのじゃないですけど」
「ほう、まだってことは可能性はある訳だな?」
「・・・・少なくともゼロではないと思ってます」
これから関わっていく機会が増える訳だし、
絶対にとは言い切れないと思う。
今はルフィ君一筋だけど。
赤髪さんは、
「そうか」
と言って嬉しそうに笑った。
その笑顔が少しだけルフィ君とかぶった気がして、でもそれを認めたくなくてふい、と横を向いた。
「・・・・あれ?」
「ん、どうした?」
「あそこ喧嘩してますけど」
目に映ったそれは男の人2人が言い合っていて、
「あ、殴り始めた」
「ったくしゃーねえなあ。ヤソップ、ベン、頼む」
「あいよ」
もしかしたらこういうことは日常茶飯事なのかもしれない、ヤソップさんとベンさんは慣れた様子で喧嘩している2人のところへ向かった。
・・・・これだから酔っ払いは面倒くさい。
そんなことを思っていると、じっと見つめる赤髪さんの視線に気づいた。
「・・・・何ですか?」
「いや、あの時と同じ顔をしていると思ってな」
「あの時?」
っていつだ。
「俺達が初めて店に行った時。あの時何を思った?」
「・・・・・・・酒飲みたいならうちの店来るなよって思いました」
素直にそう答えれば、赤髪さんはまた楽しそうに笑った。
「はははっ正直だなあアコ。だがそれをあの時言わなかったのは俺達が怖かったからじゃねえな」
「何が目的であろうと、うちの店でご飯を食べてくれてお金を落としてくれるなら気にしませんから」
「ほう」
「お酒も時には料理を美味しくする為に必要だと思いますし」
「・・・・・・・・ああ」
ゆっくりとそう紡ぐ声に違和感を覚えて、
「どうかされました?」
赤髪さんを見つめる。
特に変わった様子はない。
たださっきの楽しそう、というより嬉しそうな感じ。
「いや、俺の勘は正しかったと思っただけだ」
「勘?」
「早く俺に惚れろよ、アコ」
「・・・・なら、私が早く惚れるように頑張ってよ、シャンクス」
射抜かれた視線に負けず嫌いの血が疼いた。
+始まりの宴 終+