いざ、勝負
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「・・・・・助けて頂いたことには感謝してますけど」
「何、気にするな」
「・・・・・・・・・本気で私の荷物積み込んでるとは思いませんでした」
連れて行かれた先は何と、というべきか、やっぱり、というべきか四皇赤髪のシャンクスの船。
レッドフォース号。
そしてそこには私の服やらの荷物が確かに積み込まれていた。
しかも、船の頭、赤髪さんの部屋に。
あ、ルフィ君の手配書が貼ってある。
・・・・可愛い・・・っ!!
「言っただろう?心配するなと」
赤髪さんはのんきに言い放つ。
・・・・いやいやいや、何か違いませんかそれ。
「じゃあ母さんの許可を得てあるっていうのも」
「本当のことだ」
「私行くなんて一言も言ってないですよね?」
「嫌か?」
正直に言えば嫌じゃない。
ただ、
「急すぎます。昨日の今日でこんなの、ついていけません」
「・・・・アコ」
不意に真面目な声音で呼ばれて、
「・・・・はい」
「勝負をしないか?」
いきなり何を言い出すのかと思えば。
「勝負?」
「アコが俺の船に乗れば、ルフィに会うことが出来る。
その間にアコを口説き落とすことが出来れば俺の勝ちだ」
「・・・・・で?」
「アコが俺に落ちずにルフィと会うことになれば、アコの勝ち、という訳だ」
真面目な顔になったかと思えば今度は、不敵に笑う。
その目は、挑戦的だ。
「私が負けたら、どうすれば?」
「俺のものになって、ずっとこの船に居てもらう」
「じゃあ私が勝ったら?」
「アコの望みを何でも叶える。ルフィの船に行きたいならそれでもいい」
正直、悪い話じゃない。
赤髪さんのことを好きになったならずっと一緒に居ることは苦にはならないハズだし。
好きになるとも思えない。
しかも私が勝てばずっと会いたかった、麦わらのルフィ君に会える上に望みも叶えてもらえる。
「でも私は、まだ力もないですし・・・足手まといです」
「それなら心配はないだろう。何せ刃物持った2人の男相手に大根1本で勇敢に立ち向かうくらいなんだから」
「は!?何で赤髪さんがそれを!?」
まさか見てた訳じゃ、
「目撃者が居たんだ。まああらかたの予想はついてはいたが・・・まさか大根1本で応戦するとはな」
だっはっは、と楽しそうに笑う赤髪さんに、何て答えたらいいのかわからない。
・・・・・何だろう、この人。
「でも、あっという間に捕まりました」
「アコのことは命にかえても俺が守り抜く」
「・・・・・・・・・・・・重いです。でも」
「でも?」
「その勝負、受けて立ちます」
ぐ、っと赤髪さんを真っ直ぐに見つめた。
「決まりだな」
ふ、と笑った赤髪さんは嬉しそうだ。
「それはいいとして、何で私の荷物が赤髪さんの部屋にあるんでしょうかね」
「ここが俺の部屋であり、アコの部屋にもなるからだな」
「・・・・・何とかなりません?」
「惚れた女とは片時も離れたくないもんだろう?それにもう、勝負は始まってるんだ」
「・・・・・・なるほど」
あくまで自分の有利に運ぶってことですか。
「いくつかお聞きしたいことがあるんですけど」
「ああ、何だ?」
「まさかこのまま出航じゃないですよね?」
「いや、出航は明日の朝だ」
それを聞いてほっとした。
さすがにこのまま出航だと言われてたらどうしていいかわからなかった。
「1度家に帰っても?」
「問題ない。むしろ他に必要な物があれば持って来るといい。明日の朝までに戻ればいいから」
案外すんなり許可されて、驚きながらもほっと胸をなでおろした。
「じゃあ、今から戻ってもいいですか?」
「ああ。大丈夫だとは思うが、気をつけろよ」
「・・・・見張りとかつけないんですか?」
まさか1人で帰されるとは思わなかった。
さっきから予想外のことばかりだ。
「必要ないな。俺達が後ろに居ることを知っててアコに手を出す奴はいねえだろうし、アコは勝負を引き受けた」
「家に帰ったらやっぱり辞めた、なんてことになるかもしれませんよ?」
「それならそれでいいさ。無理に乗せても仕方ないしな」
・・・・海賊だから奪う、とかそう言われるんだと思ってた。
でも1人にしてくれるのは有り難かった。
「不安なら見張りを・・・っつーか俺が行くが」
「いえ、大丈夫です。有難う御座います、行ってきます」
頭を下げて、私は船を降りた。
・・・・・・・・・母さんに何て言おう。
+勝負の始まり 終+