いざ、勝負
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赤髪さんがうち来て次の日の朝。
店を開ける前にいつものように買出しに出た。
大根買って、それから何が必要だったっけ、と考えた瞬間。
ふ、と後ろに気配を感じて咄嗟に横にずれた。
ばっと急い後ろを振り返るとそこに居たのは見知らぬ男が2人、刃物を持って立っていた。
「大人しくついて来てもらおうか」
「・・・・・私、可愛くない人は好きじゃないんだけ、ど!」
言って私は手に持った大根で片方の男の頭めがけて殴りかかった。
「・・・っ!この、女!」
けれどもう片方の男に難なく止められてしまい、簡単に両手を縛られてしまった。
「大根は何処?」
両手を縛られたまま連れてこられたのは他の家より幾分か大きいお屋敷。
私はこの家も、この家の主も知っている。
主は私を見て顔を引き攣らせた。
「開口一番にそれか・・・君は本当に愚かだ」
「大根馬鹿にしたら駄目よ。漬物に煮物に、色々出来るんだから」
「他に言うことは?」
「大根返して。そしてこの縄を解いて」
「これにサインするというなら君の希望を聞いてあげよう」
そう言って主が出したのは1枚の紙きれ。
「・・・・嘘でしょ」
それを見て今度は私の顔が引き攣る。
婚約届け。
「してくれるね?」
「馬鹿じゃない?」
思わずそう声が出た瞬間、主の顔が変わった。
「時間がないんだ!これ以上先延ばしにしてたら弟達に馬鹿にされる!」
・・・・・いや、そんなん知らないし。
何て答えようか迷っているところへ、
また男の人が入ってきた。
そして主に何か耳打ちすると、主は目を見開いた。
そして、
「丁重にお迎えするように。今から会わせるとお伝えしてくれ」
「かしこまりました」
恭しくお辞儀して出て行く男の人。
「赤髪のシャンクスが来たそうだ。君に会いに、ね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ?」
「料理の腕が認められたと話は聞いていたが・・・今から彼に会わせよう。そして君は彼の前でこう言うんだ」
「赤髪、さん」
主に連れられて行くと、本当に居た。
赤髪のシャンクスが。
しかも1人、で。
「やっぱ昨日のうちに奪っとけば良かったなぁ、アコ」
相変わらず笑いながら話す赤髪さんに私は呆然とするばかり。
確かに昨日そんな話をした。
『いや?意外とそうでもないんじゃないか?そしたらそうなる前に奪っとくか』
「申し訳ありませんが、彼女は自分から望んでここに来たのですよ」
この家の主はあくまで人のいい笑顔を浮かべてる。
「そうだね?アコ」
「私は・・・・・・・」
求婚を受け入れてここに来たと言え、と言われた。
『言わなければ君の大事なお店がどうなるか、わかるね?』と。
お店はまた開けばいい。
でも、このままだと母さんたちにも被害が及ぶかもしれない。
それを考えると迂闊に口を開けない。
でも、望んでここに来たなんて口が裂けても言いたくない。
けれど、その悩みは次の瞬間に消えることになる。
「悪いが」
「え?」
赤髪さんが口を開いた。
そしてつかつかと歩いてきて、
ぐい、っと腰をつかまれた。
「アコの気持ちは関係ねえんだ。もう決めたからな」
「・・・・・・・・・・・・・はい?」
「力づくでも連れて行く。ああ、荷物のことなら心配するな。今仲間が船に積み込んでるところだ」
「いやいやいやいや、おかしくない?」
「親御さんの許可も得てある。問題はない」
「問題だらけですけど!?」
色々おかしい!
「ぼっ・・・僕を無視するな!」
「・・・・・奪い返してみるか?」
赤髪さんの言葉に言い返せない主。
「いいじゃない、海賊、それも四皇赤髪のシャンクスに女奪われたってんなら弟さんだって笑いやしないでしょ」
「ぐ・・・・・っ!」
「言うなあ、アコ。ちなみに今後彼女の店や関係者に手を出した場合、うちが居ることを忘れるなよ」
赤髪さんのトドメに膝をついて項垂れた主に背を向けて、私は歩き出した。
+関係ないらしいです 終+