いざ、勝負
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「アコの想い人ってのは、ルフィか?」
嘘だろ?と言わんばかりの赤髪さんの表情に私は首を傾げた。
「まるで、身内のような言い方ですね?」
「ほう?何故そう思う?」
「だって普通なら麦わらのルフィ、とか麦わら。それかモンキーDルフィっていう呼び方をします」
「はははっ!そうか。確かに、ルフィが小さい頃に会ったことがある」
楽しそうに笑ってそう言った赤髪さんの台詞に私は心底驚いた。
いや、驚いたっていうか、
「う・・・・羨ましい!なんですかそれ!」
小さい頃の麦わらのルフィ君は、さぞかし可愛かったんだろうなあと思う。
今でも可愛いけど!
「ルフィに会いたいならなおのこと俺の船に乗ればいい」
「・・・・何でですか」
「あいつには預けてあるものがある。それを返しに、きっと来る」
「赤髪さんの船に乗れば・・・麦わらのルフィ君に会える・・・・?」
そんな夢みたいなことが?
嬉しさと同時に疑問が湧く。
「あの、でも赤髪さんとこにはもうコックさんが居ますよね?何で私が必要なんですか?」
「あー・・・それはな」
赤髪さんは何故か苦笑してから、
「この炒め物の作り方を教えてくれるか?アコ」
A定食の中にある炒め物を指さしてそう言った。
「野菜切って炒めて適当に塩コショウするだけですけど」
「それなんだ」
・・・・どれだ。
「うちのコックには、適当ってのが出来ねェらしい」
「でしょうね」
プロの料理人は大匙何杯、とかそういうことにこだわりを持ってる。
適当、なんて言われたら困惑するに違いない。
「でもって決まったレシピだと飽きてくるんだ」
「・・・・と、おっしゃいますと?」
「うちのクルーから文句が出たんだ」
『たまにどっかの町の大衆食堂なんかに行くと、懐かしい味っつーのかな、
おふくろの味に出会えるんだよなァ・・・』
「という訳だ」
「つまり海の上でも家庭の味を楽しみたい、と」
「そういうことだな」
「・・・・贅沢」
「まあそう言ってくれるな。それに料理の腕の話だけでもないんだ」
ついぽつりと出た本音に赤髪さんは嫌な顔せず笑って答えた。
「まだ何か?」
「アコが気に入った。簡単に言えば惚れたんだ」
「・・・・・・はい?」
この言葉には側近の2人も驚いたらしく、目を丸くしている。
「お頭、本気か?アンタ」
「ああ、本気だ」
ヤソップさんは顔を引き攣らせ、ベンベックマンさんは盛大なため息を吐いた。
「母さん、何とか言ってやってよ」
「あら、いいじゃない。四皇にここまで言わせるなんてさすが私の娘よ」
俄然乗り気の母さんに落胆したところでおじさんが、
「でもそう簡単にはいかないんじゃないかい?」
困ったような顔で呟いた。
「・・・・・あれのことですか?」
「そうそう、あれを無視して話を進める訳にはいかんだろう」
「何か問題があるのか?」
あれ、が何のことかわからない赤髪さんに、母が説明する。
「アコは求婚されてるんですよ、近くに住むお金持ちの家のおぼっちゃんに」
「・・・ほう」
「ってもその気はないんで断り続けてるんですけど。そしたら今度は脅迫してきましてね」
君に断られたら僕の面子はどうなるんだ、って。
お前の面子なんか潰れてしまえ。
「そのうち誘拐して来るんじゃないか?気をつけるんだよアコちゃん」
「まさかぁ!」
そんなことある訳ない、のに。
「いや?意外とそうでもないんじゃないか?そしたらそうなる前に奪っとくか」
「・・・・発言が怖いですよ」
「海賊だからな」
それもそっか、と納得すると、皆が笑った。
+問題いろいろ 終+