3千万ベリーの恋
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「島だー!!」
突然響いたその声に、
何処からか次々と歓喜の声があがった。
「おおお!俺浴びるほど飲むぞー!」
「俺も!」
「いい女居るといいなー!」
いやいや、あんたら毎日宴で浴びるほど飲んでんじゃん。
女はともかく。
私はお昼ごはんのドリアを口に含みながら心の中でそっとツッコミを入れた。
「アコは当然俺と行動するんだよな?」
同じように向かいでドリアを食べていたシャンクスが嬉しそうに言う。
「え、私も行っていいの?」
「・・・・ここに残るつもりか?」
「だって私居候の身だし。そんなんで町に行くとかおこがましくね?」
いやそもそも船番ですらまともに出来るかさえ怪しいんだけどね。
シャンクスは目を見開いて固まったままだ。
「・・・・・前から思ってはいたんだがな、アコ」
「うん、何」
「居候だとか、何も出来ないとか気にすることはないんだぞ?」
「え、それは無理」
私は即答した。
シャンクスの眉がぐぐ、と寄る。
おお、眉間の皺が。
「だって事実だしさ。居候なのも何も出来ないのも」
「違うだろう?アコは望んでここに居る訳じゃない」
「えーそんなことないよ?」
「今はそうかもしれないが、少なくとも最初は違う。俺が無理やり連れてきたんだからな」
「うーん、そういうことになるのかなあ」
「そうだ。まあいわばアレだ、囚われの姫みたいなもんだ」
私が少しだけ納得したことに満足したのか、シャンクスは少しだけいつもの笑みに戻った。
いや、でも今のは納得いかない。
「姫て。私姫って柄じゃないけど」
「そうか?そんなことはないと思うが」
「いやいや、マジないわ。つかこんな言葉遣い悪い姫君とか居ないし」
「世界は広いんだぞアコ」
ふ、と笑ったシャンクスに思わずドキッとした。
そして妙に納得してしまいそうな自分が居る。
確かに私の知っていることが世の中の全てじゃない。
むしろ私の知ってることなんて僅かで。
でも、
「いやでも私ならこんなお姫様は嫌だ」
自分で言うのも何だけどさ。
「俺は大歓迎だがな」
「マジか。心広いねー」
「惚れたか?」
にやにや、と笑うシャンクスに私はにっこりと微笑み返す。
「別に?」
「そうか、それは残念だ」
さして残念そうでもなく言うシャンクスに私は苦笑いを返す。
他の皆が言うには、
私は『口説かれている』らしい。
でも私にはそうは思えなくて。
「まあそれはともかく、アコにとって必要な物も手に入れなきゃならんだろう。服とか」
「ああ、確かにそれは欲しいね」
今のところ、着てきた服と誰だかのまともそうなTシャツを交互に着ている。
下着は私が買われた町を出る前に急遽買った物が数枚あるのみ。
「あ、でも私お金ないんだけど」
「心配するな、好きなものを買えばいい」
こればっかりは甘えるしかないんだよね。
お金がないのは事実だし。
「・・・・有難う」
「よし、じゃあアコは俺とデートで決まりだな!」
「ただの買い出しだけどね!」
デートなんて色気のあるモンじゃなかろうよ。
「とりあえず必要なのは服とー下着とー」
「エロいやつな」
「誰が買うか」
何かすっげ不安になって来た。
+囚われの姫君とやら+