何度でも、君と
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インターホンを鳴らすとすぐドアを開けてくれたシャンクスは呆然としていて。
あ、こんな顔珍しいと思いながら少しだけ反省した。
「夜分にすみません、会いたくなって来ちゃいました。あ、でもすぐ帰りますからっ」
仕事で疲れてるだろうし、明日も朝早いんだろうから。
長居するつもりはない。
「ほんとに、アコか?」
「え、ええと」
信じられない、と呟くシャンクスにどうにか私が本物だと信じさせるには、
「あ、ごめんなさいチョコは持って来てないです・・・・・」
駄目だ。
気が利かないなと我ながら思った。
そうだよね、疲れてること分かってるなら何かお土産くらい持ってくるべきだった。
けれどそう言った瞬間身体ごと腕にひかれて、きつく抱きしめられた。
「わ、あのシャンクス、私まだ靴脱いでな、」
玄関で顔見たらすぐに帰ろうと思っていて、なので靴を履いたまま抱きしめられた私は物凄く驚いた。
こんないい部屋の床を汚すわけにはいかない、のに。
でもシャンクスは、
「いい。・・・・・我慢出来ない」
何処か切羽詰ったような声に胸がきゅうっと締め付けられた。
「シャンクス?」
「会いたかった、アコ」
「・・・・・・・・・・はい」
家を出たらちょうどいいタイミングでタクシーが通りかかったからそのまま飛び乗った。
その勢いでシャンクスのマンションまで来ちゃったけど。
・・・・・・・・・良かった。
顔見れて、それだけで安心した。
「お疲れなのにすみません、でした。私はそろそろ、」
「何言ってんだ、ここまで来て俺が帰すと思うか?」
「え」
「泊まって行ってくれ。頼むから」
「え、でも」
「明日は朝早いし何も出来ねえが、側に居たい。アコを感じたいんだ」
申し訳なさそうな、それでも真剣なシャンクスの表情を見て、否とは言えない。
「・・・・・・・・・・・嬉しいです」
むしろ嬉しいもので。
「アコ風呂・・・・は入ってきたようだな」
「・・・・・・・あれ、何でわかったんですか?」
「ローズの香りがした。使ってくれてるんだろう?」
嬉しそうに話すシャンクスに少しだけ顔が赤くなるのがわかる。
・・・・・・・・・・図星。
「頑張ったな、って思う時に使ってるんです」
「言ってくれりゃいつでもやるぞ?元々アコの為に作った物だしな」
「はい!?」
またとんでもないこと聞いた気がする。
「入浴剤も紅茶も。アコの為に作ったんだ。好きだろう?」
「・・・・・・・・・好きです、けど」
確かに入浴剤も紅茶も好きだけど。
でもそれって公私混同・・・・ですよね。
「ちなみに言っとくと、あの日あそこでアコに再会したのも偶然じゃない」
「えええ!?」
そして次々と繰り出される衝撃の事実達。
「以前から調べてあったんだ。あの時間にアコがあそこを通ることを」
「・・・・・・・・・・・社長の力ってやつですか」
「まあ、そんなとこだ」
何か初めてシャンクスが怖いと思った。
「ちゃんと仕事してます?」
「今はな。前も少しはしてたんだが」
「・・・・・・・その分のツケを今払ってる訳ですね」
「反省はしてるが後悔はしてない。こうしてアコとまた付き合うことが出来たんだからな」
「私がずっと拒否ってたら会社倒産してたんじゃないですか?」
嬉しいけど社員の方々に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「大丈夫だ。うちは皆しっかりしてる」
そう言ったシャンクスの顔は何処か誇らしげで、無条件に信じられた。
・・・・・・・こういうとこ、カッコイイなと思う。
「明日も頑張って下さいね」
「ああ。次の休みはイチャイチャしような?」
・・・・・・・・さっきまでの顔は何処へやら、今度は鼻の下を伸ばしたシャンクスにため息を零した。
「あ。私今日泊まるとは思ってなかったから寝間着持ってきてな、」
ふと思い出したことをそのまま口に出せば、シャンクスはまたニタァ、と笑んだ。
・・・・・・・・・嫌な予感しかしない。
「俺のシャツ、あるぞ?」
「絶対言うと思いました」
「着るのないだろう?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ということで、
仕方なく着たシャンクスのシャツ。
「ちょっと・・・・短くないですか?」
「可愛い。すげぇ可愛い。想像以上の破壊力だ」
「・・・・・・・・・・・・・シャンクスさーん?」
「明日休むか・・・・・」
真剣に悩みだしたシャンクスに脱力。
「仕事してるシャンクスが好き」
「・・・・・・・・・・・・・・ごほ」
「明日も頑張って下さいって言ったのに」
「わかった。わかったからそんな目で見るな」
じーっと見つめると、焦ったようにそんな答えが返ってきて、面白い。
何だかんだ言って会社も仲間も大切にしてるのもわかってる。
「シャンクス」
「ん?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・一緒に寝てもいいですか?」
シャンクスのシャツは恥ずかしいけど、
あったかくてシャンクスの匂いがして。
抱きしめられてるような安心感があった。
それでも今まで会えなかったぶん、
もっと、もっとと思ってしまう自分が、いた。
「今日のアコには驚かされてばかりだな。願ったり叶ったりだ」
言いながらシャンクスは、
「うええええ!?」
私の足と背中に手を回し、軽々と持ち上げた。
つまりこれは、
いわゆるお姫様抱っこ、というやつで。
「明日が仕事なのが非常に残念だ」
そのまま寝室まで行くと、優しくベッドの上に降ろされた。
「しゃ、シャンクス、」
「アコ明日は?」
「あ、休みです」
話しながらシャンクスもベッドに入ってきて、ドキドキする。
・・・・・・・自分から言っといてなんだけど恥ずかしい。
「じゃあ朝はゆっくり寝てろ」
「でも、シャンクスは」
「出る時に鍵だけかけてくれりゃいいから。・・・そういやメールくれなかった理由を聞いてなかったな」
「だってメールしたら会いたくなっちゃうじゃないですか」
メールしなくても会いたい気持ちはずっとあったけど。
そう言えば、
優しく唇が降って来た。
「ん」
「おやすみ、アコ」
「おやすみ、なさい」
久し振りのシャンクスのぬくもりに安心して、私はそのまま目を閉じて意識を手放した。
+安心しました 終+